美の巨人たち 奥村土牛『城』『門』画家の目が捉えた姫路城の美

『美の巨人たち』(びのきょじんたち)は、テレビ東京系列で2000年4月8日から2019年3月30日まで毎週土曜22:00 - 22:30(JST)に放送されていた美術系教養番組。2019年4月6日から『新美の巨人たち』とタイトルが変わり、美術鑑賞をテーマとする旅番組へと変わった。

出典:goo Wikipedia

放送日 2016年7月16日(土) 22:00~22:30
放送局 テレビ東京

番組概要

奥村土牛 「城」「門」 (バラエティ/情報)
22:00~

姫路城は白鷺城と呼ばれ、国宝にして日本初の世界遺産となった城でもある。大天守は昨年に平成の大修理を終え、華麗なる姿が蘇った。この天下の姫路城を描いた2つの名画が存在する。

1枚目は天守閣を威風堂々かつ大胆に、2枚目は白壁と木の扉を絶妙なコントラストで描いている。作者は奥村土牛で、渦潮の動きを捉えた作品は同氏の代表作。一見静謐に見える作品は渦潮を描いた作品と深い関係があるという。

キーワード
姫路城
奥村土牛
醍醐

オープニング (その他)
22:02~

オープニング映像。

奥村土牛 「城」「門」 (バラエティ/情報)
22:03~

東京・渋谷区にある山種美術館に所蔵されているのが奥村土牛の「城」で、威風堂々たる姫路城の天守閣を縦長に切り取って描いている。すすけた壁、重なりあう黒々とした甍といった凛々しい天守閣の姿を奥村土牛は部分によって描き方を巧妙に変え、瓦は荒い顔料を用いてザラザラとして質感を出している。石垣も手触りまで伝わってきそうで、触覚をも刺激してくれる。もう一枚が「門」で、門と壁のみという大胆な構図。木の肌合いまで見事に描き切っている。

姫路城の現在の天守が誕生したのは1609年で、築城主は池田輝政。関ヶ原の戦いを制した徳川家康の娘婿で、九州や中国地方に残存した豊臣方の大名の攻めに備えていた。土塀には挟間が設けられ、そこから鉄砲や槍を差し込んで攻撃することができた。城を訪れた際に専用アプリをダウンロードしたタブレット端末をかざすと、その様子を鑑賞することができる。なお、姫路城は戦いの場とはならず、一度も破壊されることなく天下の名城として生き抜いている。

奥村土牛の作品「城」が描かれた場所について、弟子で日本画家の西田俊英さんは遠近感に隠された秘密があると語った。ポール・セザンヌがサント・ヴィクトワール山を手前に押し寄せて描いた「トロネの道とサント=ヴィクトワール山」のように奥村土牛も櫓から50m離れている大天守の遠近感をあえて無くして描いていた。

1889年に東京・京橋で生まれた奥村土牛は16歳で画塾に入門し、生涯の師と仰いだ小林古径と邂逅を果たした。小林古径は線の芸術家と呼ばれ、線描を突き詰めたとされる。奥村土牛は姿形ではなく、対象の真髄まで見つめることをの大切さを学んだという。

太平洋戦争が終了し、復興から発展へと日本が歩みを早めていた時、奥村土牛は新しいテーマを模索していた。その時に姫路城解体のニュースを知り、城内をくまなく歩いて様々なアングルから天守閣を眺望した。風雪に耐えた壁の汚れや傷み具合、時を重ねた城の姿を描き、荒い顔料をあえて斑に塗った瓦が長い年月を経て朽ちた感じを醸し出している。櫓の壁にフォーカスすると細かな汚れや傷が見える。奥村土牛は遠近感を無くした構図を切り取り、城に刻まれた長久の歳月を描きこんだ。

「城」の完成から12年後、奥村土牛は「門」に取り掛かった。本人は「ところどころに破損があり、これが面白かった」などと述懐している。

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渋谷区(東京)
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奥村土牛 「城」「門」 (バラエティ/情報)
22:17~

姫路城には21の門があり、棟門、櫓門、穴門など多種多様。奥村土牛が描いた「門」について、四男で写真家の奥村森氏は父に同行し、一目散にはの門まで直行していたと明かした。その姿は大改修前と変わらず、漆喰壁の白と門の木肌は絶妙なコントラストを見せていた。「門」を描く9年前に奥村土牛は「鳴門」を描き、最高潮に潮が渦巻いた迫力ある雄大な自然の瞬間を捉えていた。

姫路城に通いつめていた奥村土牛は齢78にして30度を超える暑熱のなか、ろくに食事も摂らずにはの門を見つめていた。

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奥村土牛
姫路城
鳴門

奥村土牛 「城」「門」 (バラエティ/情報)
22:23~

姫路城は白漆喰が輝く晴天の日中も美しいが、夕暮れ時に赤く染まる姿、夜の帳が下り、ライトアップされた幻想的な城も一見の価値あり。季節によって光が異なり、異なった雰囲気を醸し出す。

姫路城のはの門は数百年の歳月によって黒ずみ、裏側は日陰で誰も振り返ることはない。しかし晴天の昼過ぎになると燦々と輝く太陽が門の下を地面を照らすとその照り返しで木目や木肌が露わになり、姫路城に通いつめていた奥村土牛はその瞬間の美を発見。その後のスケジュールをキャンセルし記憶が褪せぬように東京のアトリエで作品を描き上げた。

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姫路城
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