美の巨人たち 誰もが知っていた!東郷青児『望郷』昭和の風雲児CGのような油絵

『美の巨人たち』(びのきょじんたち)は、テレビ東京系列で2000年4月8日から2019年3月30日まで毎週土曜22:00 - 22:30(JST)に放送されていた美術系教養番組。2019年4月6日から『新美の巨人たち』とタイトルが変わり、美術鑑賞をテーマとする旅番組へと変わった。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年9月30日(土) 22:00~22:30
放送局 テレビ東京

番組概要

誰もが知っていた!東郷青児『望郷』昭和の風雲児CGのような油絵 (バラエティ/情報)
22:00~

昭和33年、東京タワー竣工。終戦から日本は脅威の復興を果たし、高度経済成長へとひた走ることになる。その頃、街にはモダンな女性の絵が溢れていた。東京タワー竣工の翌年、女性像の完成形と言われる1枚が描かれた。常識破りの技法を再現し滑らかな絵肌の秘密に迫る。

描いたのは東郷青児、当時屈指の人気画家。しかし独特な描き方は画壇では認められなかった。非難を助長させたのは画家自身の振る舞いにもあった。妻子がいながら愛人と心中未遂、ヌードモデルを率いて大パレード。しかしどれだけ批判されても自分のスタイルは崩さなかった。

キーワード
東郷青児
東京タワー

オープニング (その他)
22:03~

オープニング映像。

誰もが知っていた!東郷青児『望郷』昭和の風雲児CGのような油絵 (バラエティ/情報)
22:03~

東郷青児作「望郷」は画家が62歳の時に描いた代表作。シンプルな色彩と類のない透明感。油絵に見えない滑らかで不思議な質感を持った少女。東郷はこの1枚を描いてから、まるで自身のトレードマークのように、同じような少女を描き続ける。 「望郷」は東郷のスタイルを確立した作品だった。

東郷青児にはもう一つの顔があり、美術団体二科会会長としての顔。戦後すぐ二科会再建のため奔走し、自ら会長となると運営手腕を発揮した。さらに東郷のアイデアで話題をさらったのが二科展の前夜祭。

東郷のデビューは大正3年、二科展に「パラソルさせる女」を出展。初出展にして最高の賞、二科賞を受賞。この時まだ19歳、その才能で日本の洋画界の輝ける星となる。東郷は24歳でパリへ。しかしそこで待っていたのはダダイズムの洗礼だった。そんな東郷を救ったのがルーヴル美術館だった。

東郷はルーヴルで美しい古典絵画に目を奪われた。東郷が特に注目したのが美しく滑らかな画面。帰国後、美しい絵肌を再現しようとする。そして試行錯誤のうえ、ようやく満足のいく絵肌にたどり着く。ところが、古典絵画とは全く違う独自の手法だった。

絵画技法を研究し、自らも画家の山田さんに再現して貰った。古典的油絵の描き方は、下地を塗り、白で明るい部分を塗っていく。それを乾かしてから実際の色を少しずつ重ねていく。多いものでは20層30層と絵の具の層を重ねて、形を浮き上がらせ、深みのある色彩を現すのが古典的手法。いっぽう東郷の描き方は全く違う。下地を塗らず色を直接塗っていた。滑らかな絵肌を際だたせるためキャンパス地が見えるほど薄塗りしていた。

東郷は油絵の常識にも、時代の流れにも反した手法で、絵の具を塗るように滑らかに描いた。さらに、洋画には用いられない刷毛を使った。あえて西洋画にあらがい挑んだものとは。それを解き明かすもう一つの鍵が、うつむく少女のポーズにあった。

キーワード
望郷
東郷青児
二科会
石坂浩二
工藤静香
二科展
パラソルさせる女
夜のカフェテラス
「黄色いキリスト」のある自画像
アヴィニョンの娘たち
ルーヴル美術館
モナ・リザ
グランド・オダリスク
婦人像
竹窓裸婦
金蓉

誰もが知っていた!東郷青児『望郷』昭和の風雲児CGのような油絵 (バラエティ/情報)
22:16~

かつてパブロ・ピカソは、若き東郷青児の絵を見て、自分の絵を見るようなきがする、と言ったという。画家としての東郷のスタートは、キュビズム風の前衛的な作風だった。しかし期待の前衛画家はいつしか女性ばかりを描く画家に変貌する。昭和4年、「洋画の鬼才、東郷青児氏愛人と情死を企つ」という新聞記事が出るように東郷は妻子がありながら、愛人と神獣未遂をおかした。皮肉なことに東郷の名はこの事件で全国に知れ渡った。さらに驚いたことに、この事件の取材に来た宇野千代とその日から同棲を始めた。このめくるめく愛の遍歴の中で愛した女性を「明代像」などで次々に描いていく。東郷青児は、デパートの食堂など多くの壁画を手掛けた。

「望郷」以降、東郷青児の描く少女の多くは、少しうつむくような仕草を取るようになった。このポーズにどんな意味があったのだろうか。東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館の中島啓子さんは、「望郷の女性の身体を前かがみにしてS字型にしているのは日本文化の土壌の中から探してきたのかなと思う」「ポーズは浮世絵の伝統的な女性の描き方」などと説明した。

東郷はこれらの女性画を美人画と称した。しかし美人画と「見返り美人図」など日本画で使われる言葉。なぜ東郷はこの言葉を用いたのだろうか。東郷は望郷を描いた頃、日本画の技法を学んでいた。多摩美術大学の非常勤講師の山田啓貴さんは「油絵の具を載せた上に刷毛でなでていく作業をしてるんじゃないかと見えた」と話す。

キーワード
パブロ・ピカソ
サルタンバンク
東郷青児
コントラバスを弾く
ベニスの空
宇野千代
明代像
黒い手袋
望郷
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
舞支度
見返り美人図
菱川師宣
上村松園
多摩美術大学
  1. 前回の放送
  2. 9月30日 放送
  3. 次回の放送