さらなる高みへ 〜囲碁七冠・井山裕太〜 2018年5月6日放送回

放送日 2018年5月6日(日) 6:15~ 6:53
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
06:15~

7冠を2度達成した囲碁棋士の井山裕太。国内では敵なし。今年2月には国民栄誉賞を受賞した。井山が目指すのは世界一。かつては囲碁界最強を誇った日本だが、今は中韓に追い越され、低迷が続いている。「日本を再び世界一へ」という期待が、井山の肩にのしかかる。井山の戦いの裏側を、半年に渡って追った。

キーワード
国民栄誉賞
中国
韓国

さらなる高みへ 囲碁七冠 井山裕太 (バラエティ/情報)
06:18~

去年10月、井山裕太は勝負の時を迎えていた。2度目の七冠達成まで、あと一歩に迫っていた。並み居るトップ棋士を圧倒する井山の強さ。最大の武器はリスクを恐れない攻めの一手。名人戦第5局、やや劣勢で迎えた対局中盤では、取られる寸前だった自分の石を守らず新たな場所で戦いを始める一手を打った。この一手で一気に流れを引き寄せ、対局に勝利。2度目の七冠を達成した。

対局後、「ビールを飲みたい」と話した井山。どんな気持ちで七冠に挑んでいたのか、井山は「一応打つときには自信を持っているが、一局目に負けて結構不安になる。強い相手はなかなかミスしてくれない」と話した。七冠を達成した今、次の目標については「もっと強くなりたい。世界への意識が今は強い」と語った。

世界の囲碁は長年、日中韓の三カ国がリードしてきた。世界戦が始まった80年代、黄金時代を築いたのは日本だった。日本は優勝回数で他の国を圧倒。しかし90年代以降、中韓が台頭。日本は世界戦のタイトルを奪われていった。その低迷の時代に現れたのが井山だった。井山は小学2年生で全国大会に出場すると、上級生を破って日本一に。翌年も連覇を達成し、日本囲碁界の期待が集まった。しかし小学3年生の時、中国で開かれたこども大会に参加した時のこと、同世代の子どもたちと対戦して井山は60人中29位。世界の強さを思い知らされた。井山の師匠である石井邦生九段によると、この悔しい経験がその後の井山の原点になったという。

2月、井山はLG杯朝鮮日報棋王戦の決勝に挑戦した。日本勢として13年ぶりの優勝がかかる一局。決勝の相手は中国の若手棋士。先に2勝した方が優勝となる3番勝負で、両者1勝1敗で最終局にもつれ込んでいた。対局終盤、形勢はやや劣勢。井山は持ち前の攻めの一手を放ったが、相手に通用せず、逆転で井山は破れた。

国を挙げて囲碁の普及を進める中国。そのトップであるプロ棋士は、人々にとって憧れの職業。プロになるためには厳しい競走を勝ち抜かなければならず、北京にある道場には中国全土から才能ある子どもたちが集められ、一日中囲碁の英才教育を受けている。負けた際に罰金を払わせることで、絶対に負けられないという意識を植え付けていた。さらに突然、道場の先生がある生徒を叱り始めた。対局の内容が悪いと、容赦のないペナルティ。数十分立たされることもあるという。

トップ棋士だけが所属する中国棋院。世界戦に出るためには、その中でも特に優れた成績を残さなければならない。

世界の壁を目の当たりにし、どんなことを思っているのか。井山裕太は、過去に破れた中国や韓国の棋士との対局を繰り返し並べていた。リスクを恐れずに攻めるという自分の碁に、迷いが生じていた。敗北を喫した世界戦から2週間、井山は中国・上海へ。日中韓の国別対抗戦に臨んだ。各国5人の勝ち抜き戦で、日本は井山が負ければ敗退が決まる。絶対に負けられない状況で、井山のいつもの攻めの姿勢は影を潜めた。結局、井山は勝つことができなかった。

翌日、中国や韓国の棋士たちの戦いを見守る井山の姿があった。そこに、同い年でライバルの韓国のキム・ジソク棋士が声をかけてきた。2人は、前日の井山の対局について意見を交わし始めた。キムが指摘したのは、井山が弱気になった一手についてだった。井山らしい攻めの姿勢はどこへ行ったのか。ライバルからの厳しくも温かいアドバイスだった。翌朝、中国での戦いを終えた井山は、「結果は求めるが、自分の中で意識しすぎてもよくないことが多い。自分らしくやっていくしかない」と話した。

敗戦から2週間後、再び東京で世界大会が開かれた。日本・中国・韓国・台湾のトップ棋士6人によるトーナメント戦。井山は、もう一度自分の原点に立ち戻ろうとしていた。井山は決勝へと進んだ。相手は世界最強と言われる韓国のパク・ジョンファン。序盤から、形勢はパクがリード。その後も鋭い一手を打ち続け、リードを広げていく。しかし井山は諦めず、誰も予想しなかった一手を放った。リスクを恐れず攻める一手で、井山らしい一手だった。それでも後一歩、世界一には届かなかった。しかし井山は、「現状を乗り越えることができればまた少し進歩できるんじゃないか」と話し、すでに前を向いていた。

対局が終わった後の控え室で、自分の碁を並べ続ける井山。どんな状況でも自分を信じ、最後まで戦う。その原点を胸に、さらなる高みへ挑んでいく。世界での戦いについて井山は、「しんどいと感じてしまう時もあるが、それが大きなモチベーションになっている部分もある。一生挑戦というか、たぶん自分で満足することはないと思う」などと話した。

キーワード
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ワールド碁チャンピオンシップ2018
台湾
パク・ジョンファン

エンディング (その他)
06:52~

エンディング映像。

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