クローズアップ現代+ 「アメリカ発“環境ウォーズ”〜揺れるパリ協定〜」

『クローズアップ現代+』(クローズアップげんだいプラス、英語: Today's Close-up)は、1993年からNHKで放送されているニュース・報道番組。放送開始時の番組名は『クローズアップ現代』。火曜日 - 木曜日の放送でNHK総合テレビジョンとNHKワールドTVおよびNHKワールド・プレミアム(2008年9月29日放送分からノンスクランブル放送)で放送されている。略称は『クロ現』。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年11月15日(水) 22:00~22:25
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
22:00~

今トランプ大統領に反旗を翻すうねりが起こっている。アメリカの州や大企業が連携し、温暖化対策に背を向ける大統領にNOを突きつける独自の行動を取り始めた。きっかけはパリ協定からの脱退表明である。地球の平均気温は観測史上最高を更新し、科学者らが警鐘を鳴らしている。だがアメリカは石炭の生産を拡大、現在開催中の国際会議でも批判の渦に包まれた。

キーワード
シュワルツェネッガー氏
トランプ大統領
パリ協定
温暖化

アメリカ発“環境ウォーズ” ~揺れるパリ協定~ (バラエティ/情報)
22:01~

現在、温暖化対策を話し合うCOP23が開催されている。パリ協定は2015年に採択され、目的は気温上昇を産業革命前と比べ2℃未満に抑えることで、温室効果ガスの排出量を2050年以降に実質ゼロにする。197ヶ国が参加することになった。今年6月、トランプ大統領が脱退を表明した。

6月にオープンしたペンシルベニア州の炭鉱では新たに70人を雇用する計画を立てた。石炭業界が勢いづいたきっかけは今年3月のトランプ大統領の大統領令による緩和だった。今年6月、パリ協定脱退を表明した。変化が真っ先に現れたのが石炭で、天然ガスと比べCO2が2倍と、発電への使用が規制されてきた。規制を撤廃し、生産量は去年より15%増加している。町の人らは温暖化対策は必要だが、生活のため支持せざるを得ないという。マレー・エナジーCEOは大統領が今後もパリ協定脱退を貫くことを期待している。

トランプ大統領は7月にポーランドを訪問し、目的は石炭や天然ガスなどの資源の輸出を増やすことだった。EUはパリ協定の目標達成のため温室効果ガス排出削減量を割り当てている。だがポーランドは割り当てが厳しいと見直しを求めていた。ポーランドでは石炭のすすで、昼間でも暗くなることがあり、EUの中で歴史的に石炭使用量が多い国である。発電の8割が石炭で、今も多くの家庭では石炭で暖房や給湯を賄っている。一方で再生可能エネルギー導入は進んでいない。以前は政府が補助金をつけ、風力発電の電力価格を高く保ったが、去年費用がかかると廃止し、業者の多くが破綻の危機に直面している。今年に入り、アメリカからの石炭輸入は6倍となっている。エネルギー相は石炭使用をもっと認めるようEUに求めたいとしている。エネルギー問題の専門家は温暖化対策に後ろ向きになる国は今後も増える懸念があると指摘している。

COPの交渉を20年近く調査している高村ゆかりさんがドイツから中継。今回の焦点は2つで、1つはCOP24でパリ協定の詳細なルールを決める予定があるという。合意交渉をどう進めるか、来年までどう計画する点が焦点だという。2つ目はアメリカの脱退表明から最初の会合で、アメリカの立ち位置が注目されている。

アメリカがパリ協定を正式に脱退できるのは3年後、アメリカのCO2排出量は世界の16%と世界2位で、削減がないと温暖化対策に遅れがでることになる。また先進国が1兆円以上を拠出し、途上国の温暖化対策を支援することになっていたが、3割を出すアメリカが脱退すると資金不足も懸念される。そして主導的役割のアメリカの脱退による気運の低下が心配されている。

アメリカ政治専門の中山さんによるとトランプ大統領の脱退の思惑は3つで、1つはトランプ産業の震源地が石炭産業に依存している場所で、支持する人に応えたいという。2つ目は共和党で温暖化が深刻と捉える人が16%で、一方民主党では66%で反対するデメリットが少ないという。3つ目は多国間協定に共和党は懐疑的だという。石炭の輸出を増やすのは、国内消費を上げるのが難しく、依存する国も多いためそこに売り雇用を増やすという。

高村氏はアメリカ代表団の規模はオバマ政権時より規模は小さいとし、従来と変わりなく交渉には参加しているという。今週月曜にアメリカがクリーンコールをアピールするイベントを開き、トランプ政権の孤立を表した出来事だという。中山氏は政権内でもティラーソン国務長官、イヴァンカ補佐官など脱退に懐疑的との報道もあり、交渉に臨むプロ集団の内面ではとどまりたい思いもあると思うという。石炭産業を復活させるという国内向けスタンスで、国際的な場では過剰に主張していないという。高村氏は脱退表明の影響について、現在の交渉では影響がないが、アメリカが石炭を使い続ける、輸出をしていく政策を打ち出すことで、ポーランドなどが石炭を使う政策を維持するインセンティブになるとし、排出実質ゼロへの足どりが阻害される懸念があるという。またリーダシップの欠如を誰が埋めるかの点での問題もある。

アメリカ国内では反旗を翻す動きがある。カリフォルニア州やニューヨーク州など9州252都市がパリ協定遵守を宣言、1500を超える企業・大学なども連携を始め、経済規模は全米の半分に匹敵するという。こうした自治体や企業が世界の温暖化対策を動かし始めている。

スターバックスコーヒーの企業ロゴの映り込み。

開催中のCOP23ではトランプ大統領への批判が大きなうねりとなっている。その中心はアメリカの州・大企業のトップらで、「私たちはまだ脱退していない」を合言葉に政府との違いを鮮明にしている。連携を呼びかけるのがカリフォルニア州のブラウン知事である。

カリフォルニアは州の政策として独自の温暖化対策を進めている。2045年までに再生可能エネルギーの割合を100%にすることが目標である。狙いは経済加速の起爆剤としての役割で、電気自動車は急速に普及、世界最大の太陽熱発電所の誕生など環境ビジネスが成長している。シリコンバレーでも環境関連のベンチャーが次々誕生し、世界中から投資が集まっている。家庭用風力発電機は3年間で100億円の売上を見込んでいる。AI搭載で気象を予測するという。

カリフォルニア州は外国とも協力し環境ビジネスを加速させようとしている。6月、ブラウン知事は習近平氏と会談し、再生可能エネルギー分野で経済協力を強めることで合意した。また途上国の環境分野での支援も州独自で開始した。先月、グアテマラ政府と会議を開催し、再生可能エネルギー活用のノウハウを提供することになった。COP23では39ヶ国の自治体とともに温暖化対策を主導していくことで合意した。

高村氏は今回自治体・企業の動きはこれまでにない規模で存在感を見せているという。足元で排出を削減するには自治体・企業の役割が重要で、国が取り組みを強める時に、大きな後押しになるという。脱退表明後に自治体やビジネスが、国を超えてパリ協定の支持、温暖化対策の強化を訴えているのが特徴的だと話した。

アメリカが正式にパリ協定を脱退できるのは2020年11月4日で、大統領選挙の翌日である。中山氏はアメリカで反トランプ運動があり、環境をめぐる問題も争点の1つになり、脱退が大統領選挙と重なり主要争点になるのは間違いないという。高村氏は今後の温暖化対策でアメリカの自治体やビジネスの取り組みの意を考える必要があるとし、実質排出ゼロに向かう市場ができていて、ビジネスがチャンスと投資の機会を見つけているという。これらを国際的ルール、政策で支えていくことが重要だという。日本がどう政策を進めていくか問われているという。

クローズアップ現代+の次回予告テロップ。

キーワード
COP23
パリ協定
温室効果ガス
トランプ大統領
ボン(ドイツ)
温暖化
CO2
天然ガス
ペンシルベニア州(アメリカ)
マレーエナジー
石炭
ドゥダ大統領
EU
再生可能エネルギー
クラクフ(ポーランド)
COP24
共和党
民主党
TPP
クリーンコール
ティラーソン国務長官
イヴァンカ補佐官
カリフォルニア州(アメリカ)
オレゴン州(アメリカ)
ワシントン州(アメリカ)
ハワイ州(アメリカ)
ロードアイランド州(アメリカ)
コネチカット州(アメリカ)
ニューヨーク州(アメリカ)
バージニア州(アメリカ)
ノースカロライナ州(アメリカ)
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電気自動車
シリコンバレー
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習近平国家主席
北京(中国)
グアテマラ
大統領選挙

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