クローズアップ現代+ ▽シリーズ障害者殺傷事件の真実”ヘイトクライム”新たな衝撃

『クローズアップ現代+』(クローズアップげんだいプラス、英語: Today's Close-up)は、1993年からNHKで放送されているニュース・報道番組。放送開始時の番組名は『クローズアップ現代』。火曜日 - 木曜日の放送でNHK総合テレビジョンとNHKワールドTVおよびNHKワールド・プレミアム(2008年9月29日放送分からノンスクランブル放送)で放送されている。略称は『クロ現』。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年7月26日(水) 22:00~22:25
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
22:00~

1年前の今日、神奈川・相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害されるという戦後最悪の事件が発生。負傷した女性を妹に持つ兄は施設の元職員である被告について、「恨むというか悲しいというか、なんでそういうことになるの」とコメント。今回、ある遺族が亡くなった娘への思いを語った。さらに、取材班は被告とのやり取りを重ねていった中、ネットで歪んだ思想を発信し賛同を求めていたことが分かった。専門家はこの事件について、差別を助長し、社会の分断を招きかねない新たな犯罪と指摘する。

キーワード
相模原障害者施設殺傷事件
津久井やまゆり園
横浜拘置支所

シリーズ 障害者殺傷事件の真実 ”ヘイトクライム” 新たな衝撃 (バラエティ/情報)
22:03~

1年前の今日未明、神奈川・相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の元職員は就寝中の入所先を次々と刃物で刺し、19人が死亡、27人が重軽傷を負った。被告は精神鑑定で責任能力を問えるとされ、今年2月に起訴された。被告はやまゆり園で勤務していた時、トランプ大統領に関するニュースを観て、重度の障害者は不幸の元であると思い至り、極端な差別思想に基づく凶行へと至った。

カリフォルニア州立大学のブライアン・レビン教授は世界各国の重大犯罪を分析していて、相模原障害者施設殺傷事件についてアメリカで相次ぐヘイトクライムと指摘。ヘイトクライムとは人種や宗教など特定のグループに対して、差別意識を持って排斥しようとする犯罪で、ロサンゼルス、ニューヨークなどで増加傾向にある。ヘイトクライムが起きる過程として、基底にある偏見が何らかのきっかけにより言葉や態度として顕在化する差別に変わり、差別相手を排除することは社会にとって有益と正当化することで暴力、殺害行為に訴える。また、ヘイトクライムで懸念されるのは差別思想の拡散で、津久井やまゆり園の入所者の家族はネット上で被告と同じ思想を持つ人がいて、同様の事件が起きないかと不安を吐露している。

東京大学の鳥海不二夫准教授は相模原障害者施設殺傷事件から約2ヶ月間で、事件に関連性のあるキーワードを含む書き込みを分析。事件を起こした被告に賛同する書き込みは約100件だったが、それらを集めたサイトが開設された。教授によると閲覧者は自分と同じような偏見を持つ人がこれだけいると考え、差別的発言が許されるという間違った寛容が生まれるという。東京造形大学の前田朗教授は被告が綴った手紙を分析し、「差別思想の拡散は直接的な被害者をも破壊するし、それを取り囲む社会全体を破壊してしまう」と話す。

映画監督の森達也氏は情報化社会の副産物として不安と恐怖が強まり、同じ考えを持つ共同体が形成され、異質なものとの間で分断が深まると指摘。その結果、排斥、嫌悪、憎悪、悲劇に繋がるという。同氏は相模原障害者施設殺傷事件の被告はトランプ大統領の関連ニュースを観て、自分の内部にあった偏見を正当化し、凶行へと駆り立てられたかもしれないと仮説を展開した。また、NHKでは事件で犠牲となった19人の人となりを伝える「19のいのち」を立ち上げ、サイトに寄せられた方々のメッセージを紹介。東京大学の熊谷晋一郎准教授は今の社会における不寛容のようなものを感じているという。

中尾咲さん(27)は脳性まひで手足に障害があり、相模原障害者施設殺傷事件の後、外を出歩くことに恐怖を感じるようになった。また、「障害者は死ねばいい」などと心無い言葉を浴びせられた小学校時代の経験を思い出し、障害者は生きてはいけないのではないかと考えてしまったという。それでも社会から差別を無くすには教育を変えていくしか無いと筑紫女学園大学 大学院で研究に取り組み、自信の経験を大学の講義で語るようになった。相模原市に暮らす垂水京子さん(60)は重い知的障害を抱える亮太さんを津久井やまゆり園に通わせていた。事件後、垂水さんは被告が衆議院議長に宛てた手紙の一文「保護者の疲れきった表情、居ても立ってもいられなず、行動した」にはっとさせられ、障害者を支える大変さを否定はできないとしつつ、「障害があってもよしとしないと」とコメント。また、亮太さんとの外出を通して、障害のある人が地域でどう生きているのか知ってもらいたいと考えている。垂水さんは「ちゃんと存在しているだけで幸せだと思う。役に立たなくて悪い?」と吐露した。

東京大学の熊谷晋一郎准教授は「役に立つか、立たないかという基準と生存の基準は徹底的に切り離すべきで、ヘイトクライムに屈しないためには必要不可欠な姿勢」と語った。森達也氏は「1人1人の中に差別意識、偏見があり、それをどう中和させるかという意識を持ちながら生きていくしかない」とコメント。相模原障害者施設殺傷事件のような事件を再び起こさぬために、熊谷准教授は「社会を支える1人1人がある意味では加害者であり、責任を追わねばならない問題と捉える」、森氏は「どんな事件にも特異性、普遍性があり、そのことと自分の中にあるネガティブなことも含めて凝視しし、新たな視点を獲得できる」と語った。

キーワード
相模原障害者施設殺傷事件
津久井やまゆり園
横浜拘置支所
ヘイトクライム
ニューヨーク(アメリカ)
ロサンゼルス(アメリカ)
カリフォルニア州立大学
東京大学
東京造形大学
トランプ大統領
19のいのち
筑紫女学園大学
脳性まひ
相模原市(神奈川)
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