明日へ−つなげよう− 「アンスリウム 五輪への夢〜川俣町と近畿大学の8年〜」

放送日 2019年1月6日(日) 15:10~15:58
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
15:10~

南国生まれの鮮やかな観葉植物のアンスリウム、花持ちも良く贈り物としても人気。この花の栽培に驚きの技術をもたらしたのが大阪の近畿大学。土の代わりに使っているのは通気性や保水性に優れた繊維のポリエステル。この魔法の土に惹かれて栽培に名乗りを挙げたのが福島県川俣町の人たち。大学と町の連携は順風満帆だったわけではない。夢は育てたアンスリウムが東京オリンピックの会場で飾られること。花に復興の願いを託した町と大学の8年の話。

キーワード
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アンスリウム

アンスリウム五輪への夢 ~川俣町と近畿大学の8年~ (バラエティ/情報)
15:12~

去年の6月下旬、近畿大学の田中尚道教授は福島の川俣町に向かった。川俣町の一部には原発事故の避難指示が出ていたが2年前に解除された。田中教授が向かったのは近畿大学が作った試験栽培のためのハウス。川俣町でアンスリウムの試験栽培を始めたのは5年前。試したのが土を使わずに合成繊維のポリエステル培地を使う方法。これなら原発事故による風評被害を防げると考えたため。ようやく試験栽培に成功し、商品化の目処が立った。華やかなアンスリウムはフラワーアレンジメントで大人気。国内の生産地が少ないため、田中教授は川俣町にとってチャンスだと考えた。アンスリウムを新たな特産品にしようと町は本格的に動き始めた。復興庁から予算を得て、新たに11棟のハウスを建てることにした。毎月川俣町に通ってる教授、目的はアンスリウム栽培の授業。今日のテーマは花に当たる日照の管理。栽培に挑戦するのは11人、初めて農業をやる人や震災以来久しぶりに花を作る人。アンスリウムを川俣の花にしたいと組合を作って挑んでいる。

川俣町を支援している近畿大学の学部数は14で、西日本最大級の総合大学。マグロ養殖など研究を活かした新たな産業作りに取り組む。農業・工業分野でも各地の町おこしに大きく貢献してきた。

8月、田中先生は「オール近代 川俣町復興支援プロジェクト」の会議に参加していた。近畿大学では全学部が連携して川俣町の支援を行なう。会議のリーダーは原子力が専門の伊藤哲夫教授。伊藤先生は震災直後から川俣町の線量調査を行ってきた。川俣町は福島第一原発から約40km。当時周辺の街に避難指示が相次いだが、川俣町にはすぐに指示がなかった。2011年6月、近畿大学は川俣町の復興アドバイザーを委嘱された。伊藤先生は全学部からアイデアを募り、36件が集まった。町が最も期待を寄せたのは新しい特産品を作ること。ポリエステルで栽培できるなら土壌に影響されないと考えた。しかし住民が大学を受け入れるには長い時間がかかった。試験栽培を手伝う高橋佑吉さんも、最初はどんな大学か全然知らなかったと語った。復興をアピールできる作物としてたどり着いたのがアンスリウム。国内生産の少なさが最大の理由で、住民からの希望も集まった。プロジェクト開始から4年、ようやく開発事業が始まった。

田中尚道が川俣町の試験栽培ハウスの様子を大阪からも確認。ITの中に土壌水分量をセットしているため、水が足りない時は出て、自動で出ない場合、手動で水をやることもできるという。2か月前、川俣町で紹介したプリザーブドフラワーは贈り物に人気。アンスリウムは傷つきやすいため、全てが出荷できるわけではない。出荷できない花をビジネスに繋げることを説明した。組合から未だ連絡はなし。田中尚道は「花の栽培にかかりきりになってしまう。追われると何も考えられなくなる。今植える前に道筋を決めておかないと遅い。」などとコメント。

8月下旬、組合の有志が東京へ。世界中の花が集まる市場へ。毎日2億円が取引されている。川俣町のアンスリウムもここに出荷する。ライバルの花も並び、出荷の厳しさを知る。一箱に入れる本数は数本。傷つかないようにするためだ。アンスリウムで稼ぐのは容易ではない。

期待の若手もいる。31歳の谷口豪樹さん。震災後に埼玉から福島に転勤。川俣町出身ののりこさんと出会い結婚した。これまでに農業の経験はないが、ポリエステルを土の代わりに使うアイディアに惹かれてアンスリウムを栽培しようと思ったとのこと。谷口さんはアンスリウムの栽培を始める前に他の花で経験を積もうと考え、ひまわりを育てたものの出来は今ひとつだった。

9月、川俣町の谷口さんは、水質を改善する方法を調べていた。問題ないという。近畿大学の田中先生と連絡をとる。しかし、思い通りの結果は聞けなかった。田中先生には、谷口さんから頻繁に質問がくるという。子供のために頑張るという谷口さん。必死さが伝わるという田中先生。

すべてアイデアや方法を大学が提供しているため、いい方法ではないと思うこともあるという。田中尚道は組合の人と面会した。高橋佑吉がアンスリウムを枯らし、怒鳴り込みに。田中尚道は組合の消極的な態度に納得がいかない。プリザーブドフラワーを勧めたが、組合はピンときていない様子。高橋佑吉は「自分でまだ作って出してもいないから、興味がない。いいことだと思う。近い将来やらないといけない。言いたいことは言うけど、先生にこれはまだ早いとは言えない。」などとコメント。田中尚道は「次はアンケートを取ってみようと思う。」などとコメント。

組合の新しいハウスに、土の代わりとなるポリエステルが運びこまれた。田中先生も大阪から駆けつけた。しかし今回は心配なことも。川俣町役場でアンスリウム担当者に、谷口豪樹さんのハウスの水が栽培に向いていないと検査で判明したと報告した。田中先生は谷口さんのハウスを訪ねたが、この日はいなかった。

10月、谷口さんは積極的に準備を進めるようになった。心配していた水の数値も、正常になった。ある工夫をしていた。苗が小さい間はポットで育てることにした。暖房費も削減できるという。まだ強い決意が足りないと谷口さんがいう。アンスリウムの苗が到着した。オランダから輸入したものだ。田中先生は全員のハウスをまわることにした。気を付けて植えて欲しいという。田中先生は谷口さんの栽培方法に関心した。田中先生は、なにかあったらいつでも聞いてほしいと言った。もう来なくていいと言われる日を待っているという。

7月、悩める谷口さんは組合の先輩の高橋佑吉さんにアドバイスをもらいに行った。高橋さんは建設会社の元社長。花づくりの経験はなかったが、会社の前に近畿大学のハウスが出来たため、栽培を手伝うようになった。谷口さんはプレッシャーを感じていた。未だに続く福島の厳しい現実も実感している。

12月、川俣町は冬を迎えていた。谷口さんは緊張の連続だったという。アンスリウムの苗の根が伸びている。アリーナというタイプは、花を咲かせていた。今のところ順調だ。谷口さんたちは、東京オリンピックの会場に飾られるよう組織委員会にはたらきかけている。震災から8年。アンスリウムに復興の夢をたくした近畿大学と川俣町。今、花開こうとしている。

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明日へ-つなげよう- (バラエティ/情報)
15:53~

先月都内で「女性や高齢者などから見た災害対策の在り方」をテーマにしたシンポジウムが行われた。堂本暁子が女性目線の災害対策の活動を始めるきっかけになったのは、東日本大震災で避難所を訪れたとき間仕切りがなかったことだという。東日本大震災の経験から、現場で女性が多く活動しているが政策方針の決定過程には女性が少ないという。震災後、政府では復興基本法のなかに女性や障害者などを含めた多様な意見が反映されるべきとの基本理念を掲げた。女性参画には社会の観衆の壁があると指摘。

岩手・陸前高田の被災者の声を紹介。不安や焦りはあるが、希望が見えてきている。各地で災害に合われた方も多いが一緒に頑張りましょう。震災後、止めていた椿油の製造を再開できた、などの声が紹介された。

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高齢社会をよくする女性の会
樋口恵子さん
東日本大震災
池永肇恵さん
常光利惠さん
陸前高田(岩手)
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