明日へ−つなげよう− 選「“奇跡”の子どもたちはいま〜津波を生きのびた中学生〜」

放送日 2017年7月23日(日) 10:05~10:53
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
10:05~

オープニング。狐鼻若菜さんは体験した東日本大震災を絵本を通して描いている。奇跡の中学生と呼ばれていたが通っていた中学校は津波に飲み込まれたが通っていた生徒は全員が無事だった。釜石の奇跡と呼ばれる。2017年、当時の生徒たちは成人式を迎えた。岡道一平さんは地元に戻るべきか迷っている。華波さんは地元で介護師として働いている。「他の道でも楽しいのは一瞬。満たされればそこで捨てちゃうかもしれないけど」と話す。津波を生き延びた子どもたちの今を見つめる。

キーワード
東日本大震災
釜石市立釜石東中学校
釜石市(岩手)

“奇跡”の子どもたちはいま〜津波を生きのびた中学生 (バラエティ/情報)
10:08~

5年ぶりに釜石東中学校中学校の同級生は二十歳になって集まった。これから故郷とどう向き合っていくか決めようとしている。岡道一平さんは地元に残るべきか決めかねている。

岡道一平さんは岩手大学工学部の2年生。入学当時は復興に役立つ仕事をしたいと考えていた。今は自由に自分の将来を選びたいという気持ちと揺れている。中学校の部活動の集合写真を今も大事に持っている。

釜石東中学校の生徒は震災当時、小学校の子どもたちの手をひいて高台を目指して走った。避難した子どもたち全員が助かり釜石の奇跡と呼ばれた。しかし暮らしていた町では多くの人が命を落とした。

岡道さんは間もなく大学で専攻する分野を決めなくてはいけない。人も物も失ったので後ろめたさは感じている。

津波を生き延びた中学生の中には故郷を離れて苦しんできた人たちもいる。狐鼻若菜さんは長崎で大学に通い、絵画教室でアルバイトをしている。狐鼻さんの生活は震災で大きく変わった。中学卒業後、母親の実家である九州に引っ越した。友達を置いて普通の生活に戻ることに罪悪感を感じていた。狐鼻さんたちは中学校の学芸会で津波に関する劇を行うなど防災教育が盛んだった。「釜石では多くの人が亡くなったし奇跡と賞賛されるのは違和感がある」と話し、いつのまにか友達にも震災のことを離せなくなってしまった。釜石に住んでいた自分を忘れている感覚があると話す。

岡道一平さんの親友が冬休みに盛岡を尋ねてきた。阿部祐弥さんは青森大学に通う。2人は小学校からの幼馴染である。岡道さんは思い切って将来のことを聞いた。阿部さんは甲子園に出るために釜石を出て野球の強い高校に進学した。「ひとつだけ曲げられないのはやりたいことをやること。どんな形であっても貢献はできる」と話す。

岡道さんは半年ぶりに故郷に戻ってきた。津波で流された町にはようやく家が建ち始めていた。野球の練習をしていた防波堤を見てなつかしんだ。岡道さんの自宅も津波で流されてしまった。両親は自宅を建て直してもとの場所で暮らすことを始めていた。「やりたいことをやろうと思っていたが、こういうものを見ると後ろ髪を引かれるような思いがある」と語る。

狐鼻若菜さんは地元を離れて震災のことを話せなくなってしまったがそれを変えてくれたのが友人だった。大学一年生のときに出会った友人たちが誕生日を祝ってくれた。関西の学生たちが東北の学生のために開いた交流会で出会った。そこで学生たちは自分たちの思いや経験を共有していた。狐鼻さんは「今まではどう周りに心配をかけないようにするか考えていたが、なんで話してこなかったのかと後悔した」と語る。

狐鼻さんは子供の頃から得意だった絵を通じて体験を伝えることにした。震災で町をなくした白鳥の物語を作っている。絵本を発表するのは2ヶ月後の朗読会。

BGM:はぐれ雲/斉藤和義

佐々華波さんは地元で生きることを決めている。佐々さんは釜石市内の介護施設で働いている。認知症の祖父を家族が苦労して看取った姿をみて介護師になった。震災後若者は減り続けて3人に1人は高齢者となっている。佐々さんは施設の人気者である。震災で親友を失った。学校を休んでいたため、釜石東中学校で亡くなった唯一の生徒だった。佐々さんは介護の国家試験に挑戦をしようとしていた。佐々さんは「震災がなかったら別の人生だったとは思う。他の道を選んでも楽しいのは一瞬。満たされればそこで捨ててしまうかもしれない。つらいことに向き合わないとずっと逃げていく人生になるのかなと思う。忘れたくはない」と語る。

狐鼻若菜さんは絵本の朗読会当日を迎えた。同級生や後輩だけでなく演出家の宇井孝司さんや声優の山田栄子さんも協力を申し出てくれた。絵本の題名は「フォックスという名の白鳥の物語」。会場には40人近くの観客が見つかった。狐鼻さんは主人公の白鳥の声を務める。物語はフォックスが災害で故郷の湖を失くす場面から始まる。物語の中盤でフォックスは白鳥の青年に出会う。狐鼻さんは孤独なフォックスの姿を描いた。物語はフォックスがもう一歩前に踏み出す場面で終わる。狐鼻さんの思いは聞いていた人に届いたようだった。県外でも同じようなイベントを開きたいと話す。

岡道一平さんは中学校の担任だった佐々木俊先生と話すために学校に向かった。佐々木先生は「釜石のことが気になってしょうがない」と話す。先生もしばらく転勤で釜石を離れていた。先生は岡道さんお卒業文集を持ってきてくれた。先生は「まだ若いのだし、絞りすぎずに自分がやりたいことをやってほしい」と話した。岡道さんは「後ろめたさはずっとあるとは思う。そういうのを頭に入れながら、どんな道であれ復興に貢献できたら」と述べた。

2017年1月、佐々華波さんは試験会場に向かっていた。「人の痛みとか心の痛みとか、だんだん自分のの中で人の気持ちを考えられるようになってきた。やりたいことは最後まで貫き通す」と話した。

キーワード
釜石東中学校
津波
東日本大震災
同窓会
釜石市(岩手)
岩手大学
復興
盛岡(岩手)
避難所
毎日新聞
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防災教育
長崎市(長崎)
箱崎地区(岩手)
神戸(兵庫)
震災
斉藤和義
はぐれ雲
長崎大学
フォックスという名の白鳥の物語
南海トラフ
高知県
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