ドキュメント 生命大躍進 第2集 こうして“母の愛”が生まれた

放送日 2015年9月13日(日) 0:50~ 1:45
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
00:50~

今様々な生物のDNAが読み解かれておりその結果、人間の愛情深い子育てが意外なきかっけで始まったことが分かってきた。長い歴史の中で人が人になるための徹底的な鍵となった出来事を描くこのシリーズ第二回は子を思う母の愛に迫る。

キーワード
DNA
子育て

第2集 こうして“母の愛”が生まれた (バラエティ/情報)
00:53~

南アフリカ共和国カルー盆地一体から私達哺乳類の祖先の化石が大量に発見されている。私達の祖先・ゴルゴノプスになぜか突然母の愛に芽生えたことを示す貴重な化石が発見された。ブルームンフォンテーン国立博物館の博士らが発掘したキノドンの化石は、親子が向い合って化石になっておりこの頃すでに親子愛が芽生えていたに違いないという。

キノドンの子育てを現代に伝えるハリモグラを求めオーストラリア・タスマニア島へとやってきた。ハリモグラは原始的哺乳類で、赤ちゃんに皮膚の表面から湧き出す母乳をおよそ200日間与え続ける。キノドンも似たような子育てを行っていたと考えられる。

母乳の進化を研究するスミソニアン環境研究所・オラフ博士は、母乳による子育ての始まりこそ母親の愛を芽生えさせる大事件だったと考えている。母乳はどうやって生まれたのかという手がかりもハリモグラが教えてくれると博士はいう。まだ卵が孵る前から母乳を湧き出し卵を濡らしているハリモグラだが、母乳を分析するとαラクトアルブミン、殺菌物質のリゾチームが検出されハリモグラはこれで卵の雑菌繁殖を防いでいると考えられる。驚くことにこの2つの物質の形がほとんど同じである。

ハリモグラの母乳の成分のαラクトアルブミン、リゾチームの形の一致について博士は、汗の液体のようだった雑菌物質リゾチームがある時変化しαラクトアルブミンを含む栄養豊富な液体に変わったとの考えを述べた。

およそ3億年前哺乳類の遠い親戚であるディメトロドンは卵を産んだ際、リゾチームを含む汗のような液体で卵を濡らし雑菌の繁殖を防いでいた。そんな祖先たちの体内でリゾチームをつくるDNAが変化しその結果、αラクトアルブミンが誕生し偶然起きたこの出来事で母親の汗に甘い栄養分が含まれるようになった。これを赤ちゃんが舐めた時革命が起こり母乳が誕生した。

およそ2億5000万前母乳による子育てへと踏み出した祖先たちは、リストロサウルスやゴルゴノプスなど様々な種類形のものへと種類を増やしていた。中でもディイクトドンは、最も子孫を増やしており家族が巣穴により集まり暮らしていたが、地球内部から溶岩が吹き出し噴火活動が100万年も続いたことにより地球上の生物種の96%が絶滅したと考えられている。

胎盤は赤ちゃんのへその緒の先にある特別な臓器である。これにより赤ちゃんは栄養や酸素を母親から受け取っている。私たちの祖先は元々受精卵を殻で多い外へ産み落としていたが、ある時受精卵の中にある赤ちゃんの尿を貯める袋が発達し母親の身体の一部に密着しこれが胎盤となった。この進化はジュラマイアが生き延びる上で重要な意味を持っていたという。

中国・遼寧省のあたりには巨大噴火からおよそ1億年後の地層が広がっているが中国地質科学院・季強博士が2011年に、ジュラマイアの化石を発見した。巨大噴火後、私達の祖先は体長わずか10センチの姿になっていた。この化石から胎盤を持つ動物であることが分かり胎盤を持つ哺乳類はこのジュラマイアの子孫であると博士が述べた。

地球は恐竜たちが支配する世界へと変貌を遂げていた。まだ卵を生んでいた人間の祖先は親が逃げられても卵は置き去りにしなければいけないこともあった。ジュラマイアは胎盤をもつ人間の祖先で森で暮らしていた。胎盤のおかげで赤ちゃんと一緒に逃げることができた。卵のように置き去りにすることはない。

なぜ人間の祖先は突如胎盤を手に入れることができたのか。石野知子氏は新しい遺伝子の獲得が必要不可欠と考えた。PEG10遺伝子を働かなくしたマウスは胎盤が非常に小さく成長は途中で止まってほしい。石野史敏氏は胎盤をつくるために必須の遺伝子だとしている。この遺伝子は1奥6000万年以上前に突然現れて哺乳類に受け継がれたと分かった。石野さんたちはレトロウィルスに似ていることが分かった。このことからレトロウィルスの感染からPEG10遺伝子を獲得したと結論づけた。胎盤にはウィルスからもらったとかんがえられる「母親の免疫を抑える」という特性がある。レトロウィルスも感染するために免疫からの攻撃を抑える能力を持っている。

今から1億6000万年前には恐竜たちが世界を支配していて、哺乳類たちはその足元で暮らしていた。まだ胎盤はなく卵を生んでいた。その哺乳類の中でレトロウィルスが蔓延し絶滅の危機に追いやれれた。このとき辛うじて生き残った祖先のなかでレトロウィルスが生殖細胞に行き着いた。ウィルスは細胞の中に自らの遺伝子を細胞の中に送った。ウィルス遺伝子が組み込まれた。これがPEG10遺伝子で胎盤を生み出すことになる。異物である子供を体内に収められるようになった。ここから1億6000万年をかけて母と子供の結びつきが強くなってきた。赤ちゃんは母親の胎内でより大きく成長してから生まれてくるようになった。母親は身重の体で生きることを強いられた。その期間はわが子への愛を育もかけがえのない時間となっている。脳内で特別なホルモンが分泌され愛情が一段と強まっていくことがわかっている。

キーワード
カルー盆地(南アフリカ共和国)
ゴルゴノプス
キノドン
ブルームンフォンテーン国立博物館
母乳
タスマニア島(オーストラリア)
ハリモグラ
スミソニアン環境研究所
αラクトアルブミン
リゾチーム
ディメトロドン
リストロサウルス
ディイクトドン
ジュラマイア
胎盤
中国地質科学院
遼寧省(中国)
ヤンチュアノサウルス
ギガントスピノサウルス
アンキオルニス
PEG10遺伝子
レトロウィルス
東京都
マウス
  1. 前回の放送
  2. 9月13日 放送
  3. 次回の放送