これでわかった!世界のいま ▽民主化へ模索続くタイ “ほほ笑みの国”は今

放送日 2017年8月27日(日) 18:05~18:42
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
18:05~

今回は“ほほえみの国”として知られるタイの裏側を徹底的に読み解く。

今週のゲストとしてサヘル・ローズを紹介した。千里子はタイはトランジットでしか訪れたことがないが、タイ料理は大好きだとコメント。

これでわかった!世界のいま (バラエティ/情報)
18:06~

タイは人口約6500万人の東南アジアの国。首都バンコクは勿論、王朝の遺跡がある古都アユタヤやリゾート島プーケットなども人気がある。工業化も進んでおり経済規模は東南アジア第2位。タイに進出している日本企業は1700社を超え、自動車メーカーや電機メーカーの輸出の拠点にもなっている。6年前に発生した大洪水では工業団地が浸水し、東京株式市場にも影響を及ぼした。スタジオでは国際部の小林デスクがタイの解説を行った。ほほえみの国と呼ばれるタイだが、政治の話になるとエキサイトする人もいるという。タイの正式名称は「タイ王国」。絶対的存在としての国王が一つの特徴だと話した。

タクシン派に反発する反タクシン派は富裕層が多く政策はバラマキだと批判。反タクシン派は黄シャツとも呼ばれ国を2分した。軍は2006年にクーデターを起こし、タクシン元首相は国外追放となった。軍と黄シャツは既得権を奪われたという利害が一致していた。その後の選挙で勝ったのはタクシン派で妹のインラックさんが首相となった。再びタクシン派と反タクシン派の対立が起き、2014年に再びクーデターを起こした。軍が主導する暫定政権はタクシン派の弱体化を進めている。

現在はワチラロンコン国王が治めているタイ王国。前国王のプミポンさんは18歳で即位し、70年もの間王座に君臨し続けた。自ら全国各地に赴き王室プロジェクトという事業を行ったプミポン前国王は、農村部の開発や教育の普及、医療の発展などにも力を注ぎ国民の精神的支柱となっていた。

おととい予定されていた最高裁判所の判決で被告人はインラック前首相。在任中に米を市場価格より高く買取る政策で国に巨額の損失を与えた職務怠慢の罪に問われた。タクシン派に打撃を与える意味合いもあった。しかし裁判を前にインラック前首相は国外に逃亡。タクシン元首相の拠点ドバイにいるのではないかと言われている。タクシン派の拠り所がいなくなり軍にとっては当初の目的以上に好都合な結果となった。 暫定政権がインラック前首相の逃亡に関与しているとの噂もある。

タイでは2014年に軍がクーデターを起こし、政治の実権を握った。クーデターを率いた陸軍司令官のプラユット氏は現在も暫定首相として政権を主導している。国民の声を聞くと、生活がこれまで通りなので軍主導の政権でも構わないという意見が多くあがった。タイのGDPは軍のクーデター後も高い水準を維持しており、経済への影響はほとんどないという。実はタイではクーデターが日常茶飯事。政治家が不祥事などを起こすと国民が暴動を起こし、町の治安が悪化する。そこで軍が出動し政権を奪い、落ち着いた頃に政治家へ政権を戻す、という流れが何度も繰り返されている。

今後タクシン派の活動がこのまま低調になるのか、活動が再燃するか見通せない状況。亡くなったプミポン前国王に代わって、ワチラロンコン国王が絶対的存在となり、今年10月に葬儀が行われ喪が開けるとタイの新しい時代が始まる。ワチラロンコン国王がどう国を導こうとしているのかまだ見えてこないが、日本と関係が深いだけに目が離せない状況。ここまでの解説は小林潤デスクが行った。

先週、スペイン・バルセロナで15人が死亡するテロ事件が起きた。犯行声明を出したISが拠点とするシリア・ラッカでは今も掃討作戦と内戦が続いている。ラッカ市内の半分は解放されたが戦闘は続いている。混乱のきっかけは2011年に始まった民主化運動。国の混乱にISがつけこんで6年の内戦となった。化学兵器を使った無差別攻撃も行われこれまでの死者は32万人を超える。国民の半数あまりの1200万人超が国内外へ避難。

国民がクーデターを受け入れている背景には、絶対的存在である国王の権威が影響している。国王は軍のクーデターに対して、正当な理由があると判断すれば追認を行う。またプミポン前国王は数多くの政治的混乱に際して自ら仲裁を行うことで事態の収拾にあたった。国王の絶大な権力の下ではクーデターを実行した軍と言えども、国王の意向を感じながら行動し、これまでは政治への関与を最小限にしてなるべく早い段階で政治を退いてきた。今回のように暫定政権が長引くのは異例の事態だという。これには暫定政権のとある思惑があった。

シリア内戦を首都ダマスカスで見つめ、内戦や暴力をテーマに作品を描き続けているシリア人画家ユセフ・アブデルキさんの思いに迫った。アブデルキさんの「花とくぎ」という作品は花がくぎによって傷つけられていた。アブデルキさんは2011年に始まった混乱が作品を描く動機になったと話した。2011年の民主化運動デモはアブデルキさんも参加し1か月余り拘束された。アブデルキさんは政権側の弾圧も反政府勢力の武力闘争も市民を苦しめる暴力だと主張し作品を描いた。

暫定政権が長引いている理由の一つが、タクシン派の存在。タクシン派とは貧困層を中心とし、2001年に首相に就任したタクシン元首相を支持する勢力。タクシン元首相は農村部への手厚い政策を行い貧困層からの絶大な支持を集めていた。タクシン派は当時赤いシャツを身に纏って支持を表明していたことから「赤シャツ」とも呼ばれている。赤はタイの国旗で国民を象徴する色。

ダマスカスは内戦でアサド政権が優位に立ったことで落ち着きを取り戻しつつある。しかし当初求めていた民主化への道筋は見えず複雑な思いを抱えている。アブデルキさんは「みんな独裁のままでいいから以前に戻りたいと答えるだろう。死ぬよりはマシ程度の選択肢にすぎない」と話した。平和と民主化の両立を求め、アブデルキさんは新たな作品「貝殻」を描いてる。アブデルキさんは「戦争が終わったら残りの人生は美しい花だけを描きたい」と話した。スタジオのサヘル・ローズは一人ひとりの関心が薄れたときが危険だと思うと話した。

クロアチアからの映像を紹介。飼い主と犬がペアで競うレースで、15組が参加。海を100m泳いだ先のゴールには特製の犬用ケーキが用意されていた。

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