小さな旅 シリーズ わたしの東京物語(2)「風吹く街〜新宿 松本隆〜」

『小さな旅』(ちいさなたび)は、NHKで放送している紀行番組である。字幕放送実施。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年4月22日(土) 5:15~ 5:40
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
05:15~

今回は、「赤いスイートピー」や「木綿のハンカチーフ」、「ルビーの指輪」など数々のヒットソングを世に送り出してきた作詞家・松本隆さんが、自身の音楽活動の原点となった街・新宿を訪れる。

テーマ音楽:大野雄二

キーワード
赤いスイートピー
木綿のハンカチーフ
ルビーの指輪
新宿(東京)
大野雄二

シリーズ わたしの東京物語(2)「風吹く街〜新宿 松本隆〜」 (バラエティ/情報)
05:16~

ビジネス街や繁華街、歓楽街がひしめき合う東京屈指の盛り場・新宿には、1日360万人が行き交う。これまで2100曲を手掛け、多くのヒットソングを生み出してきた作詞家・松本隆さんもこの街に育てられた1人で、若い頃にはよく散策して1世代上の流行を楽しんだという。稀代のヒットメーカーと呼ばれるようになった現在も、松本さんは新宿を「憧れの街」と捉えている。

松本さんは花園神社を訪れた。歓楽街の脇で建つ花園神社は今でこそひっそりとした佇まいを見せているが、かつては若い前衛芸術家のたまり場として知られ、アングラ劇団「紅テント」を立ち上げた唐十郎や路上パフォーマーたちが競うように芸を磨いていた。松本さんは当初、神社の隣にあるディスコでアメリカンロックの曲調に合わせてドラムを叩く日々を送っていたが、ベトナム戦争に反発し駅前でフォークゲリラを展開する若者の姿や、戦争で傷つき心が荒んだ米兵たちの姿、また花園神社界隈で高まっている前衛的な風潮に触発され、20歳のころ大滝詠一さん、細野晴臣さんらとともに”日本語ロック”を持ち味としたバンド「はっぴいえんど」を立ち上げる。日本語ロックはロックの曲調に日本語の歌詞を載せた新しい表現で、作詞は松本さんが担当した。詞を書く上で大きな影響をもたらしたのが、高度経済成長期で日々目まぐるしく変わりゆく新宿の姿だ。発展とともに身近な風景が刻々と失われてゆく。その切なさを松本さんは儚い風の姿に重ね合わせて描いた。そうして生み出されたのが1971年発表の「風街ろまん」だ。以降”都会に吹く風”は松本さんにとって重要なテーマの1つとなり、車の台頭で姿を消した路面電車へ郷愁、喪失感を風に託して描いた楽曲「風をあつめて」など様々な曲が生み出された。

西新宿みのり商店街は最盛期には100軒以上もの店が立ち並んでいたが、副都心の開発が進んだことから勢いが退き、今は昔懐かしい静かな様相を示している。商店街の突き当りには「柳橋跡」と書かれた案内板が掲げられている。解説文には、かつて商店街の中にあった「ゆでめん 風間商店」が、松本さんらが立ち上げたバンド「はっぴいえんど」のCDジャケットの舞台となったことが記され、傍らには林静一氏の描いたイラストが添えてある。この商店街を訪れた松本さんは、「ゆでめん 風間商店」の隣で生まれ育ったという風間信雄さんに出会った。風間商店は地元の人に愛されながら昭和の終わりに閉店し、現在はその姿をマンションに変えている。その向かいに建つ八百屋は現在も営業していて、戦時中からこの街に住む石井稔さんは、在りし日の商店街の姿を鮮明に覚えている。現在は経営を退いているが、毎日店に顔を出してお客さんを手伝っている。隆盛を過ぎてもなお変わらない暮らしを続けるこの街について、石井稔さんは「終戦後焼け跡で苦労してみんなやってきているので、周りがビル化しても皆さんこの街が好きなんだと思う。ここで生まれてここで死んでいくんだ」と語る。

かつて通っていた喫茶店が36年ぶりに再開するという話を聞き、松本さんは現在の店主・五味美里さんのもとを訪ねた。落ち着いた佇まいの店内には、閉店前の在りし日の姿を伝える写真が飾られている。松本さんはこの店に来て、着想をノートにしたためたり、街の流れを眺めたり、仲間と議論する時間を楽しんだという。松本さんは当時を振り返って「古い町家とか低い屋根の並びとか、スピードについていけない人がたくさんいた。そういう時代に置き忘れられたもののなかに深いものや光るものがある」と語った。

歌手活動の傍らゴールデン街で歌謡曲バーを営むギャランティーク和恵さんは、「煉瓦荘」(作曲:筒美京平)など松本さんの歌詞に、ゲイとしての自覚から逃げるように故郷を出て新宿へ移り住んだ自分の青春期を重ね合わせることがよくあるという。新宿の街について、ギャランティークさんは「自分のことを気にしない、受け入れてくれる懐の深い街」と語った。

新宿の”現在”を知るため、松本さんは新宿歌舞伎町の裏道にある雑居ビルを訪れた。このビルの一室、四畳半ほどの部屋は「新宿歌舞伎町俳句一家『屍派』」の会場として使われ会社員や作家の卵、依存症の人、都会での生活に生きづらさを感じた人などあらゆる人々が年齢、性別を問わず自らの日々の観察や思いの丈を十七文字の歌にたくしている。お題を頼まれた松本さんは「風」を出題、詠む人によって様々に描かれる風の姿に松本さんも刺激を受けた。団体の代表・北大路翼さんから五・七・五について問われた松本さんは「定形のキング」と評した。また北大路さんも、この新宿という町について「この町は良くも悪くもみんなが新人、みんなが平等。いきなり来ても平等というレベルで扱ってもらえる」と語った。会場を後にした松本さんは、屍派の句会を振り返って「言葉がキーワードでああいうふうにつながっているサークルは面白い。青春群像が今でも地下水みたいに流れている気がする」と話した。

はっぴいえんど「風をあつめて」(作曲:細野晴臣)が流れた。

キーワード
新宿(東京)
花園神社
紅テント
唐十郎
フォークゲリラ
アメリカンロック
ベトナム戦争
はっぴいえんど
高度経済成長期
風街ろまん
大滝詠一
春よ来い
風をあつめて
西新宿みのり商店街
林静一
ゆでめん 風間商店
茶房 青蛾
喫茶店
ゴールデン街
ゲイ
煉瓦荘
松本隆
筒美京平
新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」
歌舞伎町(東京)
細野晴臣

エンディング (その他)
05:38~

エンディング映像が流れた。

テーマ音楽:大野雄二

キーワード
大野雄二
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