京都迎賓館 極める!京都の技とおもてなし

京都迎賓館(きょうとげいひんかん、英: the Kyoto State Guest House)は、京都府京都市に位置する日本の迎賓館。

出典:goo Wikipedia

放送日 2014年1月3日(金) 7:20~ 8:19
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
07:20~

日本の良きものがそこかしこに息づく街、京都。この街に世界のVIPを迎える究極の宿「京都迎賓館」がある。京都迎賓館は海外から訪れる国王や大統領など大切なお客様に日本最高のおもてなしをと2005年に開館した。玄関を入り右手に進むと華やかな部屋、フジ、ボタン、菊など39種類の日本の花々が迎える。金とプラチナの扉の装飾にお客様は驚かれる。食事は畳の部屋で世界が認める無形文化遺産「和食」を堪能していただく。お客様の目の前には季節ごとの美しさを極める庭園が広がっている。華道、茶道、能や舞の家元たちも協力する。ここには本物の日本がある。アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領は「ここに泊まれて光栄だ」、ブータンのワンチュク国王は「忘れられない1日になった」と言葉を残した。京都迎賓館ができるまで日本の迎賓館は東京・赤坂にしかなかった。建物は華麗なネオバロック様式、晩餐会はフランス料理。

キーワード
京都府
赤坂(東京)
アメリカ
ブータン
ジョージ・W・ブッシュ大統領
ワンチュク国王

京都迎賓館 極める!京都の技とおもてなし (バラエティ/情報)
07:24~

障子越しの淡い光り、敷き詰められた黒い陶板の路地を歩くうち世界が変わり畳敷きの広い部屋へ出る。目を惹くのは12メートルもある大きな座卓、表面は漆を塗って仕上げられている。中村昌生さんは「これだけの長さの漆塗りの座卓は、今までに例のない」と説明している。

12メートルの座卓を作ったのは京都の島博行さんの漆塗り工房。漆塗りは膨大な手間がかかるため制作は8ヶ月、最後の磨き粉をつけて素手で磨く作業には丸3日もかかった。完成した時には手がやけどのように腫れたという。座卓の塗りを担当した職人の一人、50年間漆塗り一筋の名人細畑保さんが、12メートルの座卓の場合、一気に塗ることができないため継ぎ目がでないようにした、と実際に漆塗りの作業しながら説明した。

障子を開けると庭が一面に広がる。中村昌生先生は「座敷から庭を見るということが、和風の座敷の一番大事な魅力」だと語る。迎賓館の障子は高さが2メートル、大柄な外国の方でも鴨居に頭をぶつけないように高くしてある。迎賓館の場合は従来の鴨居よりも高くなるが日本間らしさを損なわないよう長い庇を設けた。こうすることによって風景の一部が隠れ日本間らしい眺めを実現した。中村昌生先生は「ここから見る庭の景色が昔ながらの座敷と同じであると、日本人が自然を愛する心がこういう構造に現れている。それを賓客の人たちに見ていただくということが、ここでのおもてなし」などと語っている。

寺島しのぶと富司純子が京都迎賓館を訪れ魅力を伝える。京都御苑にはかつて京都御所を中心に公家屋敷が建ち並んでいた。京都迎賓館は京都御苑の北東、京都御所のすぐ隣にある。京都迎賓館実現の立役者である建築史家・中村昌生さんが2人を迎えた。中に入ると、木の床が印象的なシンプルな空間が広がっていた。

京都迎賓館は平屋建ての建物がいくつも連なって出来ている。設計を担当した佐藤義信さんは平屋にこだわった理由を、訪れるお客さまへの配慮だと語る。京都迎賓館の中心には庭を据え、その庭を取り囲むように玄関のある棟、会議室の棟、歓迎セレモニーを行う富士の間の棟が作られている。そして奥には畳敷きの和室があり、どの部屋からも庭が見え寛ぎを感じられるように設計されている。

障子の縁の木目がきれいにそろっているなど、小さなところに驚くような技が使われている。中村先生は「きわめて自然に見える、そういうところにまで心配りをする。そういう心配りは建物、しつらい、飾り、すべてにわたって配られ、注がれているところがこの迎賓館のおもてなしの特色」と語る。

十六代佐野藤右衛門のもと京都の庭師が作りあげた庭は、四季折々の美でお客様を迎える。

10月上旬、この秋はじめてお客様、赤道直下の国アフリカのウガンダ共和国国民議会議長レベッカ・カダガさんの訪問が決定した。晩餐会の料理は高橋英一さんが受け持つことになった。高橋英一さんは「それぞれの国によって好みが違う、生ものがダメなど好き嫌いもあるし宗教的なこともあるため、いろんなことで指示がくる」など、お客様によって制約はさまざま、そのなかでどのような料理が作れるのか考える。

8年間京都迎賓館のお客様のために工夫を重ねてきた高橋さん。その高橋さんが表現する「晩秋」のおもてなしの料理を富司純子と寺島しのぶが味わう。通常は食事の中盤に出される八寸は、迎賓館では華やかさで惹きつけるため最初に出されるという。高橋さんは料理を通して本物の日本に触れていただきたいと、迎賓館の献立を考えるときにいつも思うと語っている。

ウガンダからのお客様を迎える2日前、北野治男「丹頂」、六代目清水六兵衛「銹泑錦秋花瓶」の作品が迎賓館に運び込まれた。京都の美術館の収蔵庫は迎賓館の収蔵庫でもある。

京都迎賓館の厨房は、専属の料理人がいない。床の間も空っぽだという。しかし、お客様の予定が決まると京都のおもてなしの達人が集まる。たとえば、晩餐会は京都の名立たる料亭が回り持ちで担当する。京都迎賓館の実現を求めてきた一人でもある取りまとめ役の高橋英一さんは「日本で開かれる晩餐会ではフランス料理が出されることが多い。それが残念だと若い頃から思っていた。それが京都迎賓館が出来て、京料理でやらせていただけることを喜んでいる」などと語った。

寺島しのぶと富司純子が京都迎賓館を訪れ魅力を伝える。藤の間には花を描いた大きな壁画「麗花」には桜、ボタン、フジの花が描かれていた。藤の間の奥には舞台があり、能や日本舞踊などが披露される。舞台の扉が閉まる時「響流光韻」が描かれている。人間国宝の江里佐代子が截金という技法で3年を掛けて作った。

お客様を迎える前日は台風が接近し荒れ模様となった。そんななかピンセットで一つ一つ石の間に落ちた葉をとっていく庭の掃除は進められ、館内では美術館から借りてきた作品が飾られていた。お客様の国ウガンダの国はホオジロカンムリツル、そこで日本の代表的なツルの丹頂鶴の絵でお出迎えをすることに決めた。作品は季節とお客様に合わせて選ばれるという。

お客さまの日本滞在の最後の日、迎賓館のスタッフは庭を楽しんでいただこうと考え、ウガンダはアフリカ最大のビクトリア湖がある国ということで平安貴族以来の雅な伝統舟遊びでもてなした。そして9時15分、迎賓館のスタッフが玄関前に整列し、レベッカ・カダガさんを見送った。「豊かな歴史・文化・建築といった日本の真髄に満たされた記念碑である京都迎賓館に滞在させていただいたことは大きな喜びでした」など、レベッカさんからお礼の言葉が贈られた。

桐の間の天井を託されたのは数奇屋大工の棟梁 山本隆章さんは、材料を集めるのが大変だったと語る。杉の板で幅が50センチで長さが12メートルのものは一般にはないため、立っている木を1本買い取るしかなかったという。山本さんの依頼を受けた 奈良県吉野郡川上村のベテラン製材商たちが何日も探し回り、ようやく見つけた木は40メートル近くまっすぐ伸びた一本だった。1年乾燥させ製材、現れたのは美しいピンク色の木目で心配していた節はどこを切っても現れなかった。そして、自然な木目の美しさを出すため手でカンナをかけることにした。12メートルという長さは現代最高峰の棟梁にとっても初めてのことだったという。

お客様が到着する10月26日の朝、華道の家元たちのいけばなから、この日の作業ははじまった。華道家元の中野恭心さんは「京都のおもてなしは控え目にお客様を迎え入れるというのが京都らしい」と話す。家元たちが迎え花を生けている頃、一輪挿しを担当する花屋の藤井一男さんがやって来た。一輪挿しで主に使うのは和花。和花は一日しかもたないため、その日のお客様だけにだけのもの。 目につかないかもしれいないところにまで一期一会の花が置かれる。

午後になると雨もあがり、夕方には高橋さんの料亭の料理人がやってきて厨房に食材や食器などを運び込む。京都の料亭には店の外に出張して料理をする手仕事という伝統があり、その伝統が迎賓館を支えている。そして午後7時30分、ウガンダ共和国国民議会議長レベッカ・カダガさんが到着した。晩餐会で琴の演奏がされる一方、厨房の作業はあわただしくなる。高橋さんは、一行のなかで魚が苦手な方がいるが、出汁のおいしさは伝わるはずだと長い経験に裏付けられた日本料理の料理人の矜持で臨んだ。お客様の反応は良く、高橋さんの緊張の一日は終わった。

お客様のおもてなしが一段落した秋の日、京都迎賓館に山本隆章ら「京都迎賓館を見守る会」の人々が集まってきた。迎賓館の建設に携わり生涯最高の仕事をしたと自負する人たちの京都迎賓館を見守る会は、毎年1回、担当した部分が変わらず保たれているか点検している。仏師の江里康慧さんは「人の命は早いか遅いかありましても限りがあります。しかし、その人間が生み出す作品は永遠の命を持つ、物を作る人間はそれが喜びであり励みでもある」などと語る。京都迎賓館には作り手としておもてなしに関わる人たちの思いが隅々にまで宿っている。

キーワード
截金
漆塗り工房
十六代佐野藤右衛門
レベッカ・カダガ
江里佐代子さん
響流光韻
麗花
川上村(奈良)
北野治男
六代目清水六兵衛
丹頂
銹泑錦秋花瓶
ウガンダ
レベッカ・カダガさん

エンディング (その他)
08:17~

富司純子と寺島しのぶが「日本の心というか匠の方たちの命が本当に伝わってきた。匠の技を伝えていくというのが伝統であって受け継いでいく。日本人でよかったとあらためて思った」など、感想を述べた。

京都迎賓館の映像が流れた。

  1. 1月3日 放送