耳をすませば 第3回「宇沢弘文・菅原文太」

『耳をすませば』(みみをすませば、英題:Whisper of the Heart)は、柊あおいの漫画作品、およびそれを原作とした近藤喜文監督、スタジオジブリ製作の劇場アニメ作品。

出典:goo Wikipedia

放送日 2014年12月31日(水) 7:20~ 7:45
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
07:20~

オープニング映像。

信じる道を歩んで 未来へ伝えたい言葉 宇沢弘文・菅原文太 (バラエティ/情報)
07:20~

2014年秋、信じる道を歩み続けた2人の方が亡くなった。1人は世界的な経済学者の宇沢弘文さん。現場からの視点ですべての人が幸せに生きられる社会を提言し、“行動する経済学者”と呼ばれた。そして、俳優の菅原文太さん。昭和を代表する映画スターとして、多くの人に愛され、晩年は農業に取り組みながら、命や平和の大切さを訴える活動にも力を入れた。

宇沢弘文さんは数理経済学の権威。緻密な理論で経済学に大きな影響を与える一方で、現実の経済に目を向けて、地方と中央の格差や環境破壊、貧困について熱く語る熱血漢だった。「“豊かさ” というのは本来は心が豊かに、一人一人の人間が人間らしく、生き生きと生きていくことが出来る状態。20世紀を通じて追求してきている豊かさは、まやかしの豊かさだったと思う」と語る。

菅原さんは昭和8年、宮城県仙台市に生まれた。父親は新聞記者。戦争がはじまると招集され、菅原さんは農村へ疎開。その後、仙台第一高等学校へ進学。戦争で苦労した父親の軍服をいつも着ていたという。そして、早稲田大学へ入学したが、ファッションモデルへ転身し、23歳のときに映画俳優として本格的に仕事をはじめた。

昭和3年、鳥取県米子に生まれた。数学の好きな子供だったという。終戦間際、旧制第一高等学校へ進学。その後、東京大学数学科へと進むが、戦後の混乱を見て、社会の病を治す医者になりたいと経済学へ転身した。その経済学に興味を持ったきっかけは河上肇を読んだことだったと話す。

昭和31年、スタンフォード大学の招きで渡米。経済成長の理論において、革新的な考えを次々と発表し、多くの経済学者に影響を与えた。その後、36歳の若さでシカゴ大学の教授に就任。研究者として将来が期待されるなかで、追求してきた経済学への疑念が湧き、アメリカでの研究を断念。昭和43年に帰国した。

帰国した宇沢さんは豊かになった日本の姿に驚いたという。交通事故や大気汚染、自動車がもたらす負の部分を含めて計算すると、社会全体で負担する費用は莫大なものになる。昭和49年、著書「自動車の社会的費用」でそれを明らかにし、大きな反響を呼んだ。そして、水俣病。「自然の汚染はどういうふうに計ったらいいかという問題がある。それをどういう風に評価したらいいのか、これまでの経済学では充分に議論されなかった。一番重要な盲点」などと語っている。

その後も成田空港問題の調停役を務めるなど、各地を奔走しながら新しい経済学について考え続けた。そして生み出したのが資本主義でもなく社会主義でもない新しい思想、「社会的共通資本」という理論。環境・医療・福祉の分野や伝統的な農村の社会は、市場委ねてはならない、権力に奪われてもならないと考えた。宇沢さんの思想はローマ法王が全世界に発する通達にも盛り込まれ、大きな影響を与えた。

「経済学は人々を幸福にできるか」、考え続けた宇沢弘文さん。東日本大震災の後、病に倒れた宇沢さんのパソコンには、「東日本巨大地震」と記された空のフォルダが残されていた。 妻の宇沢浩子さんは「みんなで、地域で一緒に暮らすことが、楽しいというようなところまで、“みんなで助けていきたい” と思ったと思います」と、話している。

自らの生き方を通し、信念を貫き続けた菅原文太さん。菅原さんの妻・文子さんは、「“落下は枝に還らず” と申しますが、小さな種を蒔いて去りました。今も生者とともにあって、これらを願い続けているだろうと思います」と、語っている。

情熱を傾ける役と出会えたのは40歳のとき。「仁義なき戦い」では、組織のなかにあっても、自分のルールで信念を貫く男を演じきった。この主演作は大ヒット。俳優・菅原文太は一躍有名になった。続いて主演を務めた「トラック野郎 御意見無用」もヒットし、映画スターとして成功する。

60歳を過ぎた頃から菅原さんは、人々の声を直接聞こうと各地を訪ね歩き、地域で伝統的な農業・漁業を支えている人々に共感を深めていった。俳優の仕事を徐々に減らし、自分自身も農業に力を入れていき、平成21年には農業生産法人を立ち上げ、完全無農薬の有機農業を始めた。

東日本大震災は、さらに菅原さんの心を突き動かした。俳優引退を決めた上で、脱原発や平和を訴える活動に力を入れていく。「命というものが、羽毛のように軽んじられていることを黙って黙視することは出来ない。国とか行政にも、これからそういうことを語りかけることも、やらなきゃいけないのかなと思ったりしている」などと話す。そして、地方からの声をあげようと亡くなる直前まで各地でその思いを語った。

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