クローズアップ現代 なぜ5人は死んだのか 生体肝移植の光と影

放送日 2015年9月30日(水) 19:30~19:56
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
19:30~

生体肝移植手術を受け5人が死亡した。その手術を担当した世界的権威が取材に応じた。いま、その現場では何が起きているのか。

キーワード
田中紘一理事長
生体肝移植

なぜ5人は死んだのか~生体肝移植の光と影~ (バラエティ/情報)
19:31~

キフメックで生体肝移植の手術を受けた9人中、5人が死亡した。国内での1年後の生存率は83%でそれを下回る。9例を執刀した田中理事長は先月の取材で期待に沿わなかったのは重く思うと話した。キフメックは生体肝移植などの医療を国内外の患者に提供し、技術を海外に伝える目的で設立された。日本肝移植研究会は手術の中止を求めた。そして3人の命は救えた可能性があると指摘し、1歳未満の男の子の事例では必須とされる顕微鏡手術が行われなかった。さらに移植を専門とする医師は3人で、循環器内科・放射線科の常勤医師は不在だった。

脳死からの肝臓の提供を待つ人は400人で受けられた人は約1割である。その中患者が拠り所にしているのが生体肝移植で、日本の肝移植の9割を占めている。一方欧米では脳死からの移植がほとんどである。神戸国際フロンティアメディカルセンターでは生体肝移植を受けた患者9人の内、5人が死亡し、肝移植研究会が4月に手術の中止を求める異例の事態となった。病院は先週会見し手術の継続を決めたと発表した。外部から経験豊富の移植外科医のサポートを受けるなど一定の条件を満たすことで手術態勢は備えられたと外部委員会から評価を受けたとしている。

11年前から肝硬変を患い、去年余命半年以内と告げられていた木山さんは、生体肝移植の手術を受けた。

九州大学病院では生体肝移植は患者と提供者の手術を同時に行うため通常の2倍のスタッフで行う。緊急時のための循環器内科・放射線科の医師も控えている。移植後は拒絶反応など起きやすいため手厚い態勢が組まれる。

十分な態勢が取れなくなると移植手術をやめる病院もある。研究会は他にも学会の基準に照らし手術をすべきでなかった事例があるとしている。4歳の男の子は肝臓以外の臓器に進行性のがんがあった。この場合、通常移植しても命が救えないため肝臓移植に適さないとしている。田中医師は基準に縛られると移植を求める患者の希望に応えられなくなると主張している。研究会の幹部は生体肝移植は厳しい基準で行われるべきと指摘している。

生体肝移植を受けられない患者らは臓器提供が少ない現実に直面し続けている。高橋さんは16年前から肝硬変を患い3年前には移植しか助かる方法がないと告げられた。夫が提供する生体肝移植が検討されたが、移植に適さなかった。待機患者として登録し、脳死からの臓器提供を待っている。

ぬで島次郎は生体肝移植はやらないほうがいい特別医療という認識が日本では無さ過ぎたことが問題と話した。他国では臓器移植法に生体肝移植が許される条件を決めている。日本では法律に規定がないという。日本では肝臓移植全体で9割が生きている人に頼り、アメリカ、フランスなどでは脳死からの提供がほとんどである。

今年6月、政府が策定した国の新たな成長戦略で医療産業は大きな柱の1つに据えられた。成長が見込まれるのは、薬・医療機器を開発して海外に輸出する産業、海外からの患者の受け入れである。

医療の産業化に取り組んできたのが神戸である。医療産業都市構想を推し進めてきた。これまでに先端医療を担う研究施設や企業が300以上進出し、経済効果は今年度1615億円にのぼるとされている。中核となるのがキフメックを含む高度医療を行う病院群である。

海外からの患者を受け入れ移植医療を行うことに懸念の声もあがっていた。神戸市医師会の要望書では患者と臓器提供者の関係が十分確認できないおそれがあるとして見直しを求めていた。医師会も海外からの患者に生体肝移植を行うことは問題が多いと主張してきた。

キフメックは海外からの患者の受け入れを進めた。宗教上の理由から脳死からの移植が難しいインドネシア。キフメックはインドネシアの病院と協定を結び交流を進める計画を立てていた。生体肝移植の手術を受けた9人中、4人もインドネシア人だった。去年移植手術を受けたリュウちゃんは、父親から提供されたが、父親は健康上の問題を抱えている。手術の際、胆管に病気が見つかり体内にチューブを埋め込むことになった。3ヶ月に1度チューブの交換を続けなくてはいけなく、地元病院では根本的な治療はできないと言われている。

ぬで島次郎は生体肝移植は例外の医療行為でそれを産業として他国に売るのは違うと話した。他の人からもらうことに頼ると、限りがあり難しいため、貰わないで病気を治せるようになるのが高度医療で、それを目指す姿勢が日本では大事と話した。

明日のクローズアップ現代のテロップ。

NHKオンデマンドで配信します。番組フェイスブック、ツイッターのテロップ。

キーワード
松波英寿
具英成
生体肝移植
吉住朋晴准教授
東区(福岡)
具英成教授
笠松町(岐阜)
芦屋町(福岡)
肝硬変
神戸(兵庫)
神戸市医師会
兵庫県医師会
ジャカルタ(インドネシア)
リュウ・デユニ・マフラニちゃん
クローズアップ現代 Facebook
クローズアップ現代 公式ツイッター
NHKオンデマンド
  1. 前回の放送
  2. 9月30日 放送
  3. 次回の放送