日曜討論 2014年5月11日放送回

『日曜討論』(にちようとうろん、Sunday Debate)は、NHKのテレビおよびラジオで放送される討論番組である。NHKでは戦後初期のころから、毎週日曜日に『国会討論会』『政治座談会』『経済座談会』と題した国会議員、政治関係者、財界・経済専門家をゲストに招いた番組を放送、放送時期とテーマによって題名を変えたが、1994年4月よりこれらの番組名を統合・一つにまとめ、現在のタイトルとした。

出典:goo Wikipedia

放送日 2014年5月11日(日) 9:00~10:00
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
09:00~

きょうのテーマは私たちの年金。普通に生活できるだけの年金を保障してもらいたい、老後が不安でたまらないなどの視聴者の意見を紹介。田村憲久厚生労働大臣がこれらの意見を聞いてコメントした。

消費税率の引き上げは年金などの社会保障費の財源を確保することが目的。その年金制度だが、今年は5年に1度の財政状況を検証する年にあたり、政府は年金支給額の抑制や国民年金の保険料の支払期間の延長を検討するとしている。私たちの年金はどうなるのか、田村厚生労働大臣と討論を行うのは国際基督教大学客員教授の八代尚宏、慶応義塾大学教授の駒村康平、淑徳大学の結城康博。

キーワード
年金
田村厚生労働大臣
八代尚宏
駒村康平
結城康博
消費増税

徹底討論 私たちの年金 (ニュース)
09:03~

国民年金と高齢者の貧困の問題。公的年金のうち、自営業者などが加入する国民年金は現在、現役世代2.23人で65歳以上のお年寄り1人を支える形で、納める保険料は月に1万5250円、支給額(満額)は月に6万4400円。65歳以上の人で生活保護を受けている人の数はこの10年あまりで倍以上の78万人で、高齢者全体の2.6%にあたる。視聴者の意見を紹介し、この意見を聞いて結城康博は、国民年金のみで生活している人は給付を上げないと生活できないと指摘。

国民年金の納付率は平成24年度は59%にまで落ち込んだが、25年度は60%台まで回復する見通し。その一方で保険料を支払えない人 もおり、全額免除の人の割合は平成24年度には32%まで増えている。その背景には国民年金加入者の就業の割合があり、平成8年には自営業者や家族従業者が40%近くいたのが、平成23年には自営業者らの割合が半分に減った。その一方で非正規雇用や無職の人の割合が増え、制度を支える構図が大きく様変わりした。こうした中、政府内では国民年金の制度を見直す議論も出ており、保険料の支払い期間を現在の20~60歳のところを延長することが検討課題となっている。視聴者の意見を紹介した。

サラリーマンなどが加入する厚生年金の納める保険料は月収の17%あまりで、これを加入者と会社が折半で負担。支給される年金の額は、夫40年就業(年収は平均)で妻が専業主婦の世帯で月22万6925円あまり。こうした公的年金の支給額を抑えることも検討課題となっており、これはマクロ経済スライドで物価や賃金の伸びよりも年金額の伸びを抑えるもの。公的年金の給付を抑えることについて、視聴者の意見を紹介した。給付抑制という方向性について、八代尚宏は年金給付額をある程度減額してでも保険を確実に持たせることが一番安心。年金の支給開始年齢を引き上げないと年金はもたない段階にきているなどと語った。

公的年金の抜本改革が必要かという議論でいくと、消費税の問題は避けて通れない。駒村康平は消費税10%で医療・介護年金・子どもの部分の基礎的な部分を確保できるが、一方で財政赤字が毎年40兆前後出ているので、余裕があるわけではなく、今後難しい調整をやらなければならない。この意見を受けて田村憲久厚生労働大臣は、消費税10%の中で景気を良くし、税収も良くしながら運営できる政策を進めていきたいと語った。

結城康博は消費税10%引き上げについて、充実部分が1%というのは少し足りない。年金生活者は物価が上がっていくと家計に大きな影響があるので、軽減税率も考えていかないといけないと語った。また、八代尚宏は今の社会制度の最大の問題点は、給付は増え続けるが年金保険料は横ばいでギャップがどんどん広がっていること。これは一般会計から補填されているが、赤字国債で全部まかなっているので、給付の抑制をもっと議論して頂かなければならないと語り、田村憲久厚生労働大臣は、軽減すれば税収が減る。税収が減る部分は厚生労働大臣としては頭の痛い問題。このような問題を抱えながら、低所得者の方々への対応なども検討していきたいなどと語った。

年金積立金の運用実績が発表され平成24年度は11.2兆円の黒字となっている。内訳は国内債券を中心にこれからは株式などの割合を増やすことを求める報告書がまとめられている。田村憲久はポートフォリオを見直すということでこれから議論をするが年金自体、リスクを取ってリターンをとるものではなく有権者のために効率よく長期的に運用するものだと説明した。また、目標の利回りがあれば確実にとってリスクの最小限化をしていく運用をしていくと述べた。八代尚宏は既に厚生労働省は高度な運用利回りを元に試算され1%から4.1%と打ち出されたがこういう状態を正面から受け止めないと運用改革がごまかしになってはいけないと指摘した。

高齢者が働く社会を作るため2013年に高年齢者雇用安定法が改正され現在は61歳まで11年後には65歳まで希望者には雇用するよう企業に義務付けた。就業率は60~64歳は60%弱で65歳以上は20%だ。結城康博は65歳まで現役に近く働くことに賛成だが65歳以上の労働力には個人差があるので補完的な労働者として考えたほうが良いとコメントした。八代尚宏は逆に年令間を問わず仕事能力で判断するべきで定年制を廃止する方が良いと主張した。駒村康平はこれから労働力が不足する社会となるので働ける人は働き、年金支給開始年齢引き上げのフォローと若い人に重要ポストが当たらないなどないよう人事制度を工夫しないといけないと話した。結城康博は政府が年金開始年齢を引き上げると高齢者になっても現役で働かなければいけない社会になってしまうと心配した。田村憲久は日本の定年制廃止はまだ難しく介護者がいない中で高齢者が担い手になってほしいと考えていると明かした。年金の議論スケジュールを述べた。

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この指摘に田村憲久厚生労働大臣は、国民年金は立ち上がりは自営業者中心だったので、働きながら老後も暮らすという設計だったが、今は全体で自営業者は2割強なので、いろいろな声があるのは事実。今の指摘は大きな課題だと認識していると語った。また、八代尚宏は高齢者は所得格差が大きく、低所得者は月6万円では生活できないが、一方で豊かな人も同じように年金をもらっている。そこで、年金制度で大事なのは高齢者の中の所得再分配を強化することだと語り、駒村康平は下支えの制度も考えなければいけないと語った。

視聴者の意見に対し駒村康平は、昔は国民年金は自営業者の年金だったが、現在は非正規雇用者と無職の方が殆ど入っている年金に変わってきた。そのことを考えると、時代の変化に合わせて見直すべき時にきているのではと語った。また、結城康博は生活保護か国民年金の制度か2つの制度しか現在ないので、例えば年金だけではなく医療や介護の自己負担を軽減するという意味で低所得者の対策が必要だと語った。また、無年金の人が増える危険性について八代尚宏は、今の生活保護を受けている65歳以上の人の半分は無年金者だと指摘。年金保険料を強制する仕組みが不十分なので、国民年金の保険料、基礎年金の保険料をやめて消費税で賄えば将来未納付者をストップできるなどと語った。

田村憲久厚生労働大臣は、非正規雇用で働いている方に厚生年金の方に移ってもらうということを一昨年スタートさせた。これを一定程度広げていくことをこれから検討していかなければいけない。また、国民年金の納付の延長については、強制的だと強制徴収を60歳以上もしなければならず、こちらも検討が必要。そして年金を増やせないのであれば、高齢者の医療や介護の自己負担を減らすべきだという意見に対しては、低所得者に関していは軽減策を考えているなどと語った。

雇用保険料のデータベースを厚生年金の方に使えないのかという八代尚宏の意見について、田村憲久厚生労働大臣は、財務省にお願いして今は法人企業にデータベースをもらうようにしていると語った。また、保険料の支払期間を延長すると給付がもっと後になるが、制度設計としては望ましい姿なのか?という意見に対し駒村康平は、厚生年金加入者は69歳まで入るので、自営業者や国民年金1号の人のための仕組み。今後年金がじわじわ下がっていくので、それを取り返すためには5年位追加で入ってもらえばいいと思うが、効果としては限定的だと思うと語った。

結城康博は、介護保険料と医療保険料セットで考えなければいけない。今の年金制度の年金は、給付額に介護保険料や医療保険料など伸びていくものも加味されているかどうかという議論からそもそも始めなければいけないなどと語った。また、駒村康平は2038年まで毎年1%弱くらい下げると、厚生年金の報酬指令部分だけでも9%、基礎年金だと27%くらい水準が下がっていくことになる。基礎年金だけの人をそのまま下げていいのか、そして財政との両立をはかるなら支給開始年齢にも手をつけて余裕を取らないと下げ続けることになるなどと語った。

田村憲久厚生労働大臣は、年金の金額が下がっているという話があったが、マクロ経済スライドというのは今の制度では実額は下がらず、水準としては下がっている。解決策は難しいが、支給開始年齢の引き上げは現在も70歳まで選択で引き上げられる。八代尚宏は、今の年金制度は保険料が決まっていて、それに応じた給付をもらうようになっているが、給付期間は寿命が伸びれば自動的に伸びる。今の年金制度の大きな問題は少子化もあるが、高齢者の平均寿命が伸びているのに公的年金なので民間保険のように調整されていないこと。スウェーデンなども年金開始年齢を寿命に合わせて自動で上がっていくようになっているので、そういうことをすべきだと語った。

駒村康平は八代と見解が違い4.1%の運用利回りは名目で賃金上昇率から1.6なので賃金上昇率が1や0に近ければ1%前後でも十分に稼げていると主張した。結城康博は安全なローリスクローリターンの運用が前提だとコメントした。駒村康平は積立の主目標は年金財政維持のためなので成長戦略の道具になると困ると述べ、国債だけだと負けるリスクがあるので株式の方にウエイトはのせていくべきだと話した。田村憲久は年金と賃金はパラレルに動いており名目賃金上昇率からどれから稼ぐかが勝負だと説明した。問題は上昇率以上に利回りがないといけないのでローリスクローリターンだと年金は破綻するので分散投資を行いリスクを抑えると話した。

八代尚宏の意見に対し田村憲久厚生労働大臣は、寿命の伸びも入れて年金の均衡推量を作っているが、その予想よりも平均寿命が伸びている。支給開始年齢は今でも選択制で選択できるので、その選択の幅を延ばすのが1つの方向性だと語った。結城康博は、支給開始年齢を66、67、68歳にするのはまだ時期尚早。65歳を過ぎると体力的に難しいし、若者の雇用の問題の調整もしなくてはいけない。それより先に高額所得者の基礎年金国庫負担分の停止などを先に議論した方がいいと語った。また、田村憲久厚生労働大臣は、改正・高年齢者雇用安定法などをやりながらというのはあるが、自分の働ける環境を見ながら選択的に選んでいくなどと語った。

駒村康平は働き方は選択的ということもあるが、財政的にはおそらくニュートラル。これからは寿命の伸びをどう吸収するか考えると、支給開始年齢と高齢者雇用セットの議論をしなければならない。八代尚宏は、日本の高齢者は寿命に対して支給開始年齢が65歳でも低すぎ、日本ほど長くもらえる国はない。また、高齢者の雇用が増えると若年者の雇用を奪うことはなく、高齢者に働いてもらって企業や個人の保険料を減らすことが全体の雇用を増やすために重要だと語った。

キーワード
国民年金
生活保護
厚生年金
マクロ経済スライド
消費増
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年金
消費増税
改正・高年齢者雇用安定法
日曜討論
基礎年金
雇用保険
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