プロフェッショナル 仕事の流儀 ▽腰痛治療いまだ進化せり腰痛専門医・西良浩一

『プロフェッショナル 仕事の流儀』(-しごとのりゅうぎ)は、2006年1月10日に放送が開始されたNHK総合テレビジョンの情報・ドキュメンタリー番組である。

出典:goo Wikipedia

放送日 2019年7月16日(火) 0:20~ 1:10
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
00:20~

腰痛も専門医がいる。この日も高松市立みんなの病院に赴いた西良浩一。患者は働き盛りの40代の男性。救急隊員の十河秀樹さんは腰痛がひどくなり、仕事が続けられない恐れもでてきた。痛みは背骨の間の椎間板がすり減って起きていた。手術は全国数人しかできない難易度。西良浩一なら挑める。内視鏡を使った手術が得意で直径7ミリの管で行う。通常の手術は背中の筋肉を切って行う。数ミリ横には大事な神経が走っている。骨を削るためのダイヤモンドで出来たドリルは少しでも神経に触れれば下半身を麻痺する。冷静にドリルで削り、最後にすり減った椎間板の代わりに金属と骨を移植し手術を終えた。その後十河秀樹さんは仕事に復帰した。

キーワード
高松市立みんなの病院

“腰痛”の凄腕ドクター 日本屈指の内視鏡手術の名手 (バラエティ/情報)
00:23~

西良浩一の拠点は徳島県にある。朝7時半に出勤し妻のお手製の弁当片手にひょうひょうとした面持ちで白衣を着用し人懐っこい一面を覗かせた。彼のもとには全国から患者がやってくる。日本人の4人に1人は腰痛に悩んでいる。この日も打つ手が無いと言う患者がやってきたが腰痛の原因は内臓、心理的なものから様々。西良はその中でも脊椎から来る痛みを治療するエキスパート。この分野で西良は高い実績を残しており、プロ野球の巨人でプレーした高橋由伸さんは現役時代に長く原因不明の腰痛に悩まされ、選手生命を危ぶまれた。 当時のことを高橋由伸は自分の精神状態が蝕まれ、混乱していた。藁をもすがる思いで日本全国治せる場所を駆け回った語った。

そんな時出会ったのが西良浩一。これまで誰にもできなかった高橋由伸の腰痛の原因を特定した。その後、先生のおかげで元気にプレーし監督もできて感謝していると述べる。他にもハンドボールの宮崎大輔や女子ハンマー投げの室伏由佳を腰痛の苦しみから開放した。そしてオリックス・バファローズの吉田正尚も感謝を述べ、西良の腕前を讃えた。

プロゴルファーを目指すの寺岡妃奈さんは謎の腰痛に悩まされ、これまで病院を回ったが原因はわからなかった。前の病院では陽性の骨の腫瘍「類骨骨腫」が疑われた。検査では陰性だったもの、可能性はゼロではない。類骨骨腫であれば体にメスを入れる必要もある。西良は前の病院の画像を見つつ、問診を続ける。どんな時に痛みがでるのかを丹念に探り、高度な医療機器などが駆使されるこの世の中で、その最先端にいる西良浩一が大事にしているのは問診を究めること。西良は問診から導き出した推理を語り始めた。西良は痛みの原因は類骨骨腫ではなく、背骨の後ろ側の炎症が起きているためと読んだ。脊椎の中で腰の部分に位置する5つの骨「腰椎」を原因とする痛みは大きく2つのタイプに別れ、前にかがんで痛いタイプは椎間板ヘルニアという椎間板の軟骨とその周辺に原因がある場合ともう一つは後ろにそって痛いタイプがあり、腰椎の後ろの部分に原因があると考えられる。西良は原因が当たっているか患者と確かめ、腰椎の後ろ側に原因があると判断した。さらに触診で確かめ、寺岡さんの腰を使った体の使い方が痛みを招いていると見た。

最後に検査を行い特殊な薬品を入れた注射針で患部と思わしき場所を刺激する。それによりいつもの痛みが生じればそこが患部と確定できる。痛みの出処は腫瘍が疑われた場所ではなく、西良は寺岡さんは椎間関節炎と結論づけた。手術をせずにコルセットとリハビリで治していこうと決めた。寺岡さんはその診断に安心したと述べた。その診察から一ヶ月半後に寺岡さんはスイングの練習を再開した。

西良が評価されるのは内視鏡手術の高いスキル。この日は1人の患者の手術を翌日に控えており、患者に手術内容を説明し、明日の手術に向けてエールを送った。68歳の福島秀子さんは長年腰痛に悩まされてきた。去年末からはしばらく経っていると腰から足にかけて痛みが出て座らざるを得ない。腰が不安で孫も抱っこできない上、さらに趣味のガーデニングも全く出来なくなった。検査を受けると福島さんの腰には4つの異なる症状があった。その全てを治すには大きく切開をする手術が必要だった。長期入院は避けたいと考えており、日常の家事に加え92歳の母の介護が始まろうとしていて、仕事では経理の仕事をしている。西良は長期入院を避けるためにその症状の中の2つに絞り、局所麻酔で内視鏡手術を考えた。しかしその際に難題となるのは脊柱管狭さく症という症状への手術。年をとるにつれ腰の骨は異常に増殖することがある、この骨が神経を圧迫し痛みを引き起こす。これが脊柱管狭さく症の症状。従来は局所麻酔での脊柱管狭さく症の手術は患部が浅い神経の出口付近に限られていた。

しかし、西良は二年前に新たな手術法を編み出した。新たな手術法は今回の福島さんのように患部が奥に位置し、従来は不可能だったケースに有効。それは内視鏡を入れる場所をこれまで常識だった所よりも一つ前の隙間から入れるというもの。理論上は可能だが、最高難易度の技術が求められる。福島さんの神経を圧迫している真犯人をみつけ、そこをドリルで削る。ここからが西良の技の見せ所で、神経を圧迫している分厚い骨を削るために、さらに奥へとドリルをすすめる。ドリルを動かしているすぐ奥には神経がある。ドリルを決して奥におさず手前に引きながら削る繊細な技で、西良はこの手術方法だけでなく、これまでに世界初と言われる手術方法を生み出した。西良は次のステップは我々がつくっていかないと誰も作ってくれない。少しずつ歴史を作っていく使命感があると述べた。削ること20分で神経を圧迫していた骨は完全に取り除かれ、圧迫されていない証拠の拍動が起きた。傷口は8ミリ。

その手術から2時間後に、福島さんのもとへ訪ねた西良。その様態は良好で腰の向きを変えることでも痛がっていた福島さんが普通に歩けるようになった。手術3週間後には孫とともにガーデニングをする福島さんの姿があった。しゃがんだりすることにも苦はなく、自分でも軽くなったと感じると答えた。

東京・代官山に西良はいた。ピラティスという海外生まれのリハビリを積極的に取り入れている診療所で西良はここで診療活動をする傍ら自分もピラティスを学ぶ。自分が知らなかった分野にも中途なく飛び込むという。西良は生まれも育ちも香川育ち。医師に憧れたのはブラックジャックを読んだため。18歳の時に徳島大学医学部に入学。高校時代から体操に打ち込んでいた西良はスポーツ医学をやろうと整形外科を選んだ。大学院を修了した31歳の時に教授から課題をもらい、スポーツなどで子供の骨の一部が折れて腰椎に支障が出る「分離すべり症」という症状がどのように起こるのかアメリカで取り組んできてほしいというものだった。ここで西良は驚くべき成果を上げ、それまでの常識では腰椎と腰椎がずれるのは間にある椎間板が変形してずれると考えられていた。しかし、実際には腰椎と接触面にある成長軟骨がずれることが明らかになり、医学の教科書を書き換える大発見だった。そこに楽しさを見出し、帰国後も研究にのめり込み、39歳の時は腰椎分離症の早期診断法を確立し、海外の医学雑誌に発表され世界的に認められた。次の臨床の分野でも新たなことをしようと、広まり始めた内視鏡手術にチャレンジし、着実に力をつけその腕が評判となった。

46歳の時には神奈川の大学病院に移った。ところがその病院で始めた手術の際に丁寧に手術した西良さんはその出来に満足したが、5時間の手術が終わった時に看護師長は医療事故を疑うかのように詰めより、こんな手術に5時間もかけるはずがないと言われた。その病院の出沢明医師は手術を極小さな傷で行い、短時間で終わらせる名医だった。その違いに西良は自分が情けないと感じたという。再出発を決めた西良は出沢さんの手術に助手として使わせてもらい学んだ。無我夢中で4年を過ごし徳島に戻って今の診察に手術や学会を飛び回るが、家族と過ごすのが唯一の安らぎ。西良は新たな手術法の論文を書いており、徳島でやっている手術が広まればいいと答えた。

この日西良は手術前の検討会を開催していた。この会議を西良は英語で行うことにしている。若い医師たちにも海外の治験を貪欲に吸収して国際的に活動してほしいという考えている。この日の検討会の中で西良がとくに気にかけている患者がおり、83歳の男性は腰の骨に神経を圧迫する重度の脊柱管狭さく症を患っていた。高齢で不正脈もあるために全身麻酔は危険。局所麻酔で慎重に行うことになった。宮井亨さんは現在歩くのもつらい状態で、宮井さんは50年以上歯科医として働いており、2年前に町の人々に惜しまれつつ引退。老後を楽しもうとした矢先の出来事で、治ったら旅行に行きたいと語る。手術前日、西良は宮井さんの手術の準備をしていた。患部は5番目の腰椎のその下の骨が増殖し、神経を圧迫。両足に痛みがあるが右足に影響している部分を手術する。5番目の腰椎の下は他の腰椎に比べて内視鏡を入れる隙間が圧倒的に狭いが西良は研究を進め9件の手術を成功させている。宮井さんの様子を確認した西良は問診した結果、今回は左側の手術をすることにし手術プランを見直した。

翌日、手術が始まり骨盤の直ぐ側の僅かな隙間の侵入点を見極める。ダイヤモンドのドリルで患部の骨を削り、麻酔担当者が宮井さんの不整脈を確認し、神経を圧迫する骨を特定しドリルで削るが、そのカギ状の骨は神経に深く突き刺さっており、西良も初めての深さのものだった。宮井さんの骨は固く、思うようなペースで削れない。別の患部の手術であれば骨の隙間に余裕があり内視鏡を動かせるが、今回は骨盤と増殖した骨に阻まれ動かすことが難しい。手術のたびに動かした手の関節が悲鳴を上げ前に進められているかの難手術となった。そして骨が取り除かれて圧迫から開放された神経が拍動した。宮井さんの左足の親指は力強く動いた。翌日に宮井さんは1人でラクラクと歩けるように。西良はプロフェッショナルに次世代の教科書を作れる人と述べ、常により良いものを考えながら活動している人と述べた。

キーワード
徳島県
サンケイスポーツ
宮崎大輔
室伏由佳
オリックス・バファローズ
類骨骨腫
椎間関節炎
脊柱管狭さく症
ブラックジャック
代官山(東京)
徳島大学医学部
分離すべり症
徳島大学大学院

エンディング (その他)
01:09~

エンディング映像。

プロフェッショナルのホームページ、ツイッターのテロップ。

「NHKオンデマンド」の告知。

プロフェッショナル 仕事の流儀の次回予告。

キーワード
番組ホームページ
番組ツイッター
NHKオンデマンド
徳島大学大学院
  1. 前回の放送
  2. 7月16日 放送
  3. 次回の放送