プロフェッショナル 仕事の流儀 医療事故なくせ、信念の歩み〜医師・長尾能雅

『プロフェッショナル 仕事の流儀』(-しごとのりゅうぎ)は、2006年1月10日に放送が開始されたNHK総合テレビジョンの情報・ドキュメンタリー番組である。

出典:goo Wikipedia

放送日 2019年3月3日(日) 13:05~13:50
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
13:05~

なくならない医療事故。医療行為が原因でなくなる患者は推計年間数万人とも言われる。そんな中、安全な医療を実現したいと格闘を続けるのが長尾能雅医師。医療事故の原因を解明し再発防止策を講じる長尾の改革に反発する医師もいた。しかし長尾医師は安全や倫理を獲得したチームが先進的な医療に着手する資格を得る、許されると話す。手術器具を取り出し忘れる医療ミスが頻発、マニュアルに弱点はないか、医師と看護師の連携は十分か、すべては患者の為に道なき道を切り開く長尾医師の日々に密着。

キーワード
医療事故

医療事故をなくせ、信念の歩み (バラエティ/情報)
13:07~

名古屋大学医学部附属病院に長尾能雅が出勤。まず外来患者の予約数をチェック。人数により職員の忙しさを推測する。リーダーを務める医療の質・安全管理部は専従の医師や看護師らが揃っている。長尾医師はもともと呼吸器内科医で今は患者を診察しないが毎朝白衣に着替える。この日、幹部を招集し先週の死亡が医療事故か検討した。医師の判断は適切だったのかなどを確認していく。長尾医師は患者に何が起きていたのかを徹底的に追及、こうした会議を公開する病院は少ない。長尾医師たちが培ってきた信念は「逃げない隠さないごまかさない」。人間はミスをする、だからこそ逃げない隠さないごまかさない。そのために現場で起きたミスを報告するシステムがある。ミスの数は年間1万件に及ぶ。長尾医師は早期の報告により患者を救えた成功例を積極的に周知した。さらに報告により評価が下がることがないようにした。

ある医師からの報告を受け医療管理部のメンバーが集中治療室に急行した。呼吸器治療で使用する器具について注意喚起を行った。報告をあげたのは脳神経内科の医師。その夜、長尾医師はメーカーの担当者を呼び情報を共有した。病院のひとりひとりがトラブルに素早く対応し被害拡大を防ぐ。医療安全の活動は免疫に似ていると長尾医師は言う。

インシデントを減らすため長尾医師はさまざまな対策を導入している。患者誤認を防ぐため氏名だけでなく生年月日も確認、見落としを防ぐため放射線科医からの報告を主治医が読んだか一目で分かるシステムを導入した。

去年11月、ある患者が自分が受けた治療に疑問をもち長尾の元を訪れた。大屋浩幸さんは17年前、脳腫瘍が見つかり名大病院で放射線治療を受けた。その後も治療を続け4年前にA病院に転院、去年再発し再び放射線治療を受けた。大屋さんはA病院に転院する際の引き継ぎに問題があったと相談した。大屋さんは名大病院で手術を受ける前に30グレイ、手術後に20グレイ、転院後に23.4グレイの放射線治療を受けており、合計すると脳細胞が壊死するリスクが出る60グレイを超えることになる。名大病院がA病院に提出した紹介状には手術後に受けた放射線についての記述がなく、長尾は当時の主治医に聞き取りを行うことにした。

長尾は聞き取りを行ったが主治医の記憶が曖昧で原因の解明には至らなかった。病院に戻った長尾は当時の記録を調べ直し、脳神経外科のカルテと放射線科のカルテを見比べ、放射線科のカルテに手術後に受けた20グレイの記録があったことを見つけ出した。長尾たちはA病院の担当者と協議し、今後協力してミスの原因を究明することを確認した。大屋さんは名大病院で認知機能などの変化をチェックし最善の治療を行うことになった。長尾は院内での再発防止策を探り始めた。

長尾さんが生まれた岐阜県土岐市は焼物が盛んで、粉塵を吸い込み肺を悪くする職人たちが多かった。そうした人たちを助けたいと大学卒業後に名大病院の呼吸器内科へと進んだ。現場で患者を治療し始めた頃、全国では患者を取り違えて死亡させる事故が報道され、長尾さんが勤める名大でも重大な医療事故が起きた。名大では医療安全管理部という新たな部署ができ、長尾さんは異動を希望したが呼吸器内科の反対で移ることができなかった。

2年後、京大病院から連絡が入り長尾さんは医療安全専門の道へ進むことを決意した。着任して間もなく、京大病院で肺移植手術を受けた患者が亡くなった。事故調査を進める中、長尾さんはある異常に気づいた。詳しい聞き取りの結果、思い込みによる人的ミスだと突き止めた長尾さんはカンファレンスを実施し科を超えたコミュニケーションができるよう意識改革に取り組んだ。事故から2年後、肺移植手術が再開された。手術は5時間に及ぶ手術だったが無事成功した。

最近、院内では器具を体内に残すインシデントが相次いでいた。長尾は手術室の看護師が中心となって作成されたマニュアルを見直し文言に問題があることに気づいた。マニュアルには看護師がすべきことは書かれていたが、医師がとるべき行動が書かれておらず、長尾は医師も含めた新しいマニュアルを作るためのワーキンググループを立ち上げた。看護師側からは澤井さん、医師側からは深見さんが参加することになり、2人は看護師・医師にヒアリングを行った。科を超えての調整は難しく、医師の視点を加えてのマニュアルづくりは難航していた。新しいリーダーは中山吾郎氏が引き受け、深見さんは医師の視点を加えたマニュアルづくりの草案を依頼した。

2週間後、中山さんの草案が出来上がり、看護師を含めた意見交換が行われた。長尾は草案を承認、「みんなでこれを問題視して知恵を出し合って形にしてきたプロセスが大事」などと語った。

長尾は責任の重さから逃げない、プロとしての弱さや危うさを自覚して辛くても真摯に向き合って本当の強さに変えていこうと努力できる人がプロフェッショナルと語った。

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キーワード
医療事故
放射線治療
土岐市(岐阜)
一山智さん
番組ホームページ
番組Twitter

エンディング (その他)
13:49~

プロフェッショナル 仕事の流儀の次回予告。

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