NHKスペシャル 集団的自衛権 行使容認は何をもたらすのか

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2014年7月17日(木) 0:40~ 1:30
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
00:40~

今月1日、集団的自衛権の行使が容認された。行使容認を目指す自民党、慎重な姿勢を堅持してきた公明党など何が話し合われて何が課題として積み残されたのか当事者たちが証言した。

キーワード
集団的自衛権

集団的自衛権 行使容認は何をもたらすのか (バラエティ/情報)
00:43~

集団的自衛権行使容認をめぐる背景には日本を取り巻く安全保障環境が厳しさが増していて、慎重な姿勢を崩さなかった公明党が最終的に行使容認に転じ、立場が違う両党の間で何があったのかを紹介すると話した。

集団的自衛権の行使を認める閣議決定から3日後の7月4日、安倍晋三首相はカメラの前で今回の決定は日本の安全保障において不可欠だったと語った。安全保障政策の大転換に踏み切った安倍首相は、強いこだわりの原点は祖父・岸信介元首相にあるという。大規模な反対運動の中、日米安保条約の改定を断行。岸信介元首相が目指したのは対等な日米関係で、基地を提供する代わりに日本を防衛する義務をアメリカに課した。

安倍首相の強い意向を受け、自民党と公明党の間で与党協議が行始まった。当初、期限を決めずに話し合うとされていて、自民党を代表して高村正彦副総裁、公明党の責任者は北側一雄副代表。共に弁護士出身の2人は、与党協議に加えて水面下でも10回以上にわたって交渉してきたが、協議は序盤から前に進まなかった。政府が提示した事例について、時間をかけて検討が行われたためだった。安倍首相には結論を迫る理由があり、日本の安全保障の柱となる日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直し作業に集団的自衛権行使容認を反映させたかったという。1964年の結党以来、平和を党是に掲げて憲法9条を擁護する姿勢を打ち出してきた公明党は、自民党と連立を組んでからも憲法に関する考え方は自民党とは一線を画していることを強調してきた。安全保障政策に精通している山口那津男代表は、政権を奪還した2012年の衆院選でも自民党に歯止めをかけることを有権者に約束していた。山口代表は与党協議が始まっても慎重な姿勢は崩さず、6月11日の党首討論で安倍首相は山口代表の前で自分に賛同する野党の名前を挙げ、党の理念と連立与党の代表としての立場の間で山口代表は苦悩を深めていた。与党協議の議論が緊張感を増す中、長くパイプ役を担ってきた公明党の漆原国対委員長と自民党の大島前副総裁が調整に乗り出した。集団的自衛権を巡る駆け引きが今後の選挙にまで悪影響を与えるのではと危機感を抱いていたのが自民党の石破茂幹事長で、選挙協力を続けていく上でも公明党への配慮が重要だと考えていた。

集団的自衛権の行使容認は歴代の自民党政権にとって越えられない一線だった。鈴木善幸首相(当時)は日本には平和憲法があって個別的自衛権であって集団的自衛権はないと表明し、中曽根康弘首相(当時)も我が国の防衛は憲法の範囲内において自衛のために必要最小限度で行っており、個別的自衛権に参加しようということは憲法が許さないとしてきた。1991年の湾岸戦争ではこれまでの見解を見直すよう求めるアメリカの圧力が高まり、当時の海部俊樹元首相は自衛隊の派遣を繰り返し求められたという。海部俊樹元首相は対応を誤れば日米同盟を揺るがしかねないと危惧しながらも、憲法解釈には手を付けるべきではないと考えていたという。

6月13日の第6回 与党協議で事態は大きく動き、公明党の北側一雄副代表が初めて憲法解釈の変更を容認する可能性に含みを持たせた。この4日前の夜に高村正彦副総裁と密かに話し合っていて、その時に北側副代表は従来の政府見解の「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされる」という表現を、閣議決定に盛り込んで欲しいと提示。この言葉を入れることで従来の憲法解釈との整合性をとって歯止めにもなると考えた。

高村副総裁と北側副代表の会談から2週間あまり、公明党の全ての都道府県の代表者たちが党本部に急遽呼び出された。近くには集団的自衛権の行使容認に反対する人たちが集まっていた。非公開で行われた会議で、地方からは多くの反対意見が挙がった。公明党の議員たちは支持者や地元の人々への説明に追われ、おととし初当選した輿水恵一衆院議員は集団的自衛権の行使を容認するつもりなのかと厳しく問われていた。公明党の執行部は連日 党内協議を開き、議員たちに理解を求めていた。なぜ合意を急ぐのかと質問に対し、執行部の一人は「安倍さんがやりたいんだからしょうがない」と話したという。

自民党内では今回の閣議決定に至るまで、政府の方針に反対する意見はほとんど出なかった。反対の声を挙げた村上誠一郎元行政改革相は、集団的自衛権の行使が必要ならば正々堂々と憲法改正を主張し、最終的に国民の判断に委ねるしかないと考えていると述べた。自民党内でほとんど反対意見が出なかったことに、公明党の山口那津男代表は違和感を抱いていたという。

1か月あまりの話し合いの中で、自民・公明両党が着地点を探った集団的自衛権の行使容認。山口代表は今回の閣議決定では、従来の憲法解釈との整合性は維持されたとしている。しかし、実際に自衛隊の活動がどこまで広がるのか両者の認識に隔たりも残されている。その一つが掃海艇によるシーレーンの機雷処理だという。

自民党と公明党は集団的自衛権行使容認では同意したものの、具体的な法整備に関しては議論が再燃することも予想される。今回の閣議決定では新たな要件を満たす場合には集団的自衛権行使が認められるとしている。そして政府は実際に武力の行使に踏み切るかどうかは、内閣が総合的に判断するとしている。このため、自衛隊の活動範囲が広がる懸念が出ている。これに対し安倍総理大臣は、武力行使は自衛のための必要最小限度に限るとし、戦闘行為に参加することはないとしている。

今回の閣議決定に対する野党各党の見解を紹介。民主党・大畠章宏幹事長は、「国民に説明せず、短期間に突然集団的自衛権行使容認する方向に入ったことは立憲主義に反する行為。閣議決定を撤回すべしとしている」とコメント。日本維新の会・小沢鋭仁幹事長は、「平和と安全を守るためには必要」とコメント。次世代の党・山田宏幹事長は、「自分の国を守るために、他の国と協力する体制はなるべく早く整えるべき」とコメント。みんなの党・水野賢一幹事長は、「時代に合わせた憲法解釈は当然ある」とコメント。共産党・山下芳生幹事長は、「憲法破壊のクーデター。断固反対」とコメント。結いの党・小野次郎幹事長は、「手順が非常に拙速だった」とコメント。生活の党・鈴木克昌幹事長は、「世界の評価を受けてきたが、閣議決定でこのようなことになったことは許されない」とコメント。社民党・又市征治幹事長は、「憲法を蔑ろにしている。立憲主義が破壊する行為」とコメント。

オバマ大統領が集団的自衛権を容認する方向へ進む安倍政権を歓迎したように、アメリカは日本に集団的自衛権を行使できることを望んでいる。行使容認がどのような影響をもたらすのかさまざまな角度の有識者から話を聞いた。元アメリカ国防次官補のウォレス氏は日本がより多くの責任を果たす時がついにやってきたと話す。また日本に先だって集団的自衛権の容認を果たしたドイツのマルクス博士は国民への説明がポイントだと話す。また自衛隊の元幕僚長も国民への説得の重要性を示唆していた。

戦後日本の安全保障政策の大転換となる集団的自衛権の行使容認。政府はどのような場合に集団的自衛権を行使することになるのか、具体的に説明を尽くしていく必要がある。

キーワード
集団的自衛権
岸信介元総理大臣
鈴木善幸首相(当時)
中曽根康弘首相(当時)
湾岸戦争
安倍総理大臣
民主党
日本維新の会
次世代の党
みんなの党
共産党
結いの党
生活の党
社民党
オバマ大統領
安全保障政策

エンディング (その他)
01:28~

エンディング映像。

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