NHKスペシャル 至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2013年11月3日(日) 21:00~22:00
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
21:00~

アントニオストラディヴァリが作ったヴァイオリン「ストラディバリウス」は名器といわれ、オークションでは12億円の値段がついたこともあった。何故他のヴァイオリンと音が違うのか?今夜はその謎に迫る。

キーワード
ストラディバリウス
アントニオ・ストラディヴァリ

至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎 (バラエティ/情報)
21:01~

ストラディバリウスの秘密に迫るため、五明カレンが作者の五明カレンが作者のストラディバリが活躍した、イタリアのクレモナを訪れる。まず訪れたのは今年9月にオープンしたバイオリン博物館。ここにはストラディバリの足跡をたどるコレクションが集められている。展示の中にはストラディバリがヴァイオリンを作るときに使った道具も展示されていた。ストラディバリのヴァイオリン作りの技術は息子達が相次いでなくなった事などを受けて、継承されず残されたものから推測するしかない状態だった。

ヴァイオリンの史上最高の名器ストラディバリウスの秘密に迫る。今から300年以上前に作られたにもかかわらず、今でも素晴しい音を奏で、メニューインは「ソイル」、オイストラフは「コンテ・デ・フォンターナ」と名付けられたヴァイオリンを愛用。さらにそれらのヴァイオリンは後々のヴァイオリニストにも受け継がれ、ソイルを受け継いだイツァーク・パールマンは「まるで中にマイクが入っているようだ」と音の響きの素晴しさを語り、15歳からロード・ドゥン・ラーヴェンを使い続けているアンネ・ゾフィー・ムターは「これほど素晴しい楽器に出会うと離れられない」と語った。

ストラディバリウスの作者ストラディバリが活躍した、イタリアのクレモナで現在ではどのようにヴァイオリン作りが行なわれているのかを取材。ヴァイオリンは約1か月半をかけて1人で1つを完成させる。

ストラディバリウスはその音色から、多くの人を虜にしてきた。人の手を渡るうちに誕生した様々な伝説の中から、最初のコレクター、サラブーエ伯爵とヴァイオリンハンターのタリシオとのエピソードがアニメーションで紹介。タリシオが愛したストラドは現在イギリス・オックスフォードにあるアシュモリアン博物館に所蔵されている。

ストラディバリウスのどこか特別なのか?今年3月にニューヨークで、現代ヴァイオリンとストラディバリウスの聴き比べ実験が行なわれた。実験にはヴァイオリンの専門家が参加したが、専門家の正解率は2割から5割で、過去の実験でも専門家であっても聞き分けるのが難しいとなっている。しかし演奏家側からは、「音が澄んでいるので、ホールの置くまで届く」「音の粒が揃っている」などの意見が出た。

ヴァイオリンの史上最高の名器ストラディバリウスの秘密に迫る。木材に何か秘密があったのではないかとの思いから、取材班はイタリア北部にあるストラディバリウスの原料となる木材を生産した森を訪れる。この森の木々は、年輪の幅が狭いのが特徴。森の木々はスプルースという木で、ヴァイオリンの表板をつくるのに使われる。

ヴァイオリンの史上最高の名器ストラディバリウスの秘密に迫る。木材以外に昔から注目されてきたのがストラディバリウスに特徴的な、深い赤色のニス。何人もの研究者が生涯をかけてニスの素材の研究を行なったが、同じ音にはならなかった。様々な伝説も起きたが、21世紀に入り一般的なニスが使われていることが判明した。

ヴァイオリンの史上最高の名器ストラディバリウスの秘密に迫る。メトロポリタン美術館を訪れた五明カレンは、グールドとフランチェスカという他の時代のものとは違う、ロング・パターンじだいに作られたヴァイオリンを見せてもらい、「無伴奏 パルティータ第2番 サラバンド」を演奏した。

ヴァイオリンの史上最高の名器ストラディバリウスの秘密に迫る。作り方そのものに秘密があるのではないか…と研究をしたのがヴァイオリン製作者で科学者のカーリーン・ハッチンスだった。1981年にハッチンスは研究結果を発表し、ヴァイオリン製作に大きな影響を与えた。

最新の研究成果により、現代のヴァイオリンは300年間で最もストラディバリウスに近づいているといわれている。今年米国で開催された見本市には世界中からヴァイオリン製作者が集まったが、みなストラディバリウスに迫りたいと考えていた。日本から参加していた窪田博和さんも、板の仕上げ方に注目している人物だった。

今までに無い手法でストラディバリウスを作る人々を取材。待ち合わせ場所に指定されたのは、ミネソタ州にあるファースト・ライト・ヘルス・システム病院。ここではヴァイオリン製作者のジョン・ワドルと、放射線科医のスティーブ・サーの2人が、それぞれの専門知識をいかして、究極のコピーを目指してた。使うのはCTスキャンで、20年前から行なわれていた。

五明カレンが現代最高のストラドコピーを求めて、ワシントンD.C.にあるアメリカ議会図書館を訪れた。ここにはモデルとなった1704年製のベッツも保管されていた。職人達が作ったオーバリン・ベッツは2012年につくられ、木の密度から表面のシミまで全てを再現。

五明カレンも12年前からストラディバリウスを愛用。つかっているのはオーロラとの愛称を持っているヴァイオリン。「楽器自体に独特の声を持っている」とその魅力を語った。

ヴァイオリンの史上最高の名器ストラディバリウスの秘密に迫る。今から300年以上前に作られたにもかかわらず、今でも素晴しい音を奏で、メニューインは「ソイル」、オイストラフは「コンテ・デ・フォンターナ」と名付けられたヴァイオリンを愛用。さらにそれらのヴァイオリンは後々のヴァイオリニストにも受け継がれ、ソイルを受け継いだイツァーク・パールマンは「まるで中にマイクが入っているようだ」と音の響きの素晴しさを語り、15歳からロード・ドゥン・ラーヴェンを使い続けているアンネ・ゾフィー・ムターは「これほど素晴しい楽器に出会うと離れられない」と語った。

ストラディバリの人生そのものも謎に包まれており、分かっている数すくない事実は、クレモナにあるサンタ・アガタ教会で挙式し、当時は23歳だったという事くらい。当時のクレモナは建築家や芸術家の集まる文化的に豊かな街だった。

ヴィヴァルディは「四季」とう曲で、ヴァイオリンを使い自然の様々な音を描き出し、モーツァルトは楽器の女王と呼ばれるようになったヴァイオリンで「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」などの華やかな音楽を数多く残した。ベートーヴェンは交響曲第5番「運命」で心の変化をヴァイオリンの音色に託している。ヴァイオリンはその音色から、作曲家達にヒラメキをあたえ、音楽の無限の可能性を切り開いていった。

ヴァイオリンの仕組みは300年間基本的に変化はしておらず、木の箱の構造は脈々と受け継がれている。しかしヴァイオリンの全ての部分は音に関係し、職人達もストラディバリウスを参考に、必死に真似て作ろうとしているが、なかなか上手くはいかない。五明カレンは職人のビソロッティさんの作ったヴァイオリンで「バイオリン協奏曲」を奏でたが、このヴァイオリンも素晴しいとしつつも「ストラドにはより音色の豊かさと、表現力の可能性を感じる」と述べた。

演奏家達が感じている音の違いは何かに迫るため、NHK放送技術研究所の音の反射しない音響無響室で、諏訪内晶子・徳永二男・渡辺玲子の3名のヴァイオリニストに協力してもらい、愛知淑徳大学の牧勝弘准教授監修の元、実験検証が行なわれた。するとストラディバリウスには、特定の方向に音が飛ぶある種の指向性があることが判明した。

さらにストラディバリウスには、16~17世紀の小氷河期のころに育ったより木目の細かい木材を使っていると指摘する研究者も存在している。自身もストラディヴァリウスを愛用している五明カレンは、森の中で「ヴァイオリン協奏曲 第3番」を奏でた。

窪田さんは、古いヴァイオリンの修理を手がけてきたが、その修理の過程で良いヴァイオリンの板はどこを叩いても音の高さが合っていることに気付き、寸法をコピーするのではなく、板が出す音を手がかりにヴァイオリン作りを行なった。そして現在、窪田さんのヴァイオリンは欧米の演奏家からも高い評価を受けるようになっている。

今回は五明カレンが所有する「オーロラ」を分析し、その結果を見せてもらうことに。データから3D映像をつくりだし、表板の重さが二分されている事や、裏板も魂柱で重さが二分され、さらに魂柱部分で内部の容積が二等分されている事が判明した。このような発見をもとに、完璧な再現を目指している。

こうして再現されたなかで、やっと満足いくコピーが出来たのは最近のこと。五明カレンはそのコピーで「バイオリン協奏曲」を演奏してみたが、その音色にスティーブ・サーさんは思わず涙してしまった。

オハイオ州のオーバリン大学では、毎年各国からトップクラスの職人があつまり、お互いの技術を共有する取り組みが行なわれていた。2人も3年前から参加しCTスキャンから分かったデータなどを公開。このような取り組みで近年のヴァイオリン技術は飛躍的に向上している。

今までに無い手法でストラディバリウスを作る人々を取材。

今回2つのヴァイオリンを引き比べさせてもらう事となり五明カレンは「タイスの瞑想曲」を演奏。弾き比べを終えた五明カレンは「オーバリン・ベッツも期待した以上に素晴しかった」と語った。

キーワード
バイオリン博物館
ストラディバリウス
アントニオ・ストラディバリ
コジオ・デ・サラブーエ伯爵
ルイージ・タリシオ
アシュモリアン博物館
メトロポリタン美術館
ユーディ・メニューイン
ダヴィッド・オイストラフ
クレモナ(イタリア)
サンタ・アガタ教会
アントニオ・ヴィヴァルディ
四季
アマデウス・モーツァルト
アイネ・クライネ・ナハトムジーク
ベートーベン
交響曲第5番「運命」
ヴァイオリン
バイオリン協奏曲
オックスフォード(イギリス)
ニューヨーク(アメリカ)
NHK放送技術研究所
スプルース
ヴァイオリン協奏曲 第3番
無伴奏 パルティータ第2番 サラバンド
ミネソタ州(アメリカ)
ファースト・ライト・ヘルス・システム病院
オハイオ州(アメリカ)
オーバリン大学
アメリカ議会図書館
ワシントンD.C.(アメリカ)
タイスの瞑想曲

エンディング (その他)
21:56~

エンディング映像。

  1. 前回の放送
  2. 11月3日 放送
  3. 次回の放送