NHKスペシャル 黒潮〜世界最大 渦巻く不思議の海〜

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)とは、NHKのドキュメンタリー番組である。略称は、「Nスぺ」単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年9月21日(木) 1:00~ 1:50
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
01:00~

カムチャッカ半島の南1000km、狙うのはカツオ。遥かに赤道付近から黒潮に乗り日本にやってくる。黒潮の子と呼ばれる。黒潮は無数の命を育む。秒速2.5mという激流の中で様々ないきものが生まれ過酷な生存競争を生きぬき旅を続けている。その始まりは赤道付近。運ぶ水の量は南米のアマゾンの240本分。南から運ばれてきた熱が雲を呼び、雨をもたらす。なぜ黒潮は命豊かなのか、その秘密に最新科学が迫る。衛生からのデータとスーパーコンピューターが明らかにした黒潮の真実、それは至る所で大小無数の渦を巻く世界でも例を見ない流れだった。

黒潮 巨大海流の謎 (バラエティ/情報)
01:03~

宮崎県日南市、沖合を黒潮が流れ、カツオ一本釣りの船が一番多い港。カツオ漁の船が出るのは2月、これから冬まで戻れない。3月までは2000km南のフイリピン海、次は初ガツオを狙い、高知沖や銚子沖へ。そして夏から秋は三陸沖へ向かう。18歳から一本釣り一筋の浅野貴浩さん。20人の男を率いる第五清龍丸の船頭。浅野さんは黒潮は友だちみたいな感じと話す。カツオ漁は縄文時代から行われてきたという。黒潮の流れは日によって年によって大きく変わる。水温や風の動き、塩の変化に気の抜けない日々が始まる。

カツオは春、フィリピンを旅立ち日本に向かう。秋三陸沖まで来ると産卵のため南に戻る。10年ほどの一生を黒潮と共に過ごす。船が出港した頃、既にカツオ漁を始めている船があった。沖縄宮古群島伊良部島の漁師たち。沖縄は鰹節の消費量全国一。日本で一番早く1月から創業が始まる。水中に降りてきた疑似餌に我先にと食らいつく。よく見るとカツオたちは普段見慣れた姿と違う。体の縞模様が市場に並んでいるカツオと向きが違う。背中から垂直に降りる縞はカツオがお腹が空かせ極度に興奮している証拠。これほど飢えているのは黒潮は元々エサになるプランクトンが少ない。なぜ黒潮は栄養が乏しいのか。

赤道の少し北、フィリピン東部のカタンドゥアネス島。漁に出ていた船が次々と戻ってくる。水揚げのほとんどがカツオ。島の人達はカツオをマリネにしたりして食べるが、保存食にもする。カツオを保存食にするのは漁に出られない日が1年に3分の2もあるから。その訳は風、ハワイ沖から一年中吹き付ける風が黒潮を巻き起こす。東からの強風に地球の自転の力が加わり、海に流れが出来る。カタンドゥアネス島の沖合でフィリピンの大陸棚にぶつかった流れは北に流れを変える。北太平洋、赤道付近の水を集め、日本へ運ぶ。世界の海流の中でも黒潮は運ぶ水の量や熱の漁が群を抜いて大きい。黒潮が栄養が乏しいのは源流の海域にプランクトンが少ないから。生後3週間のカツオだが、歯が異常に発達している。餌の少ない海で生き残るため、歯で共食いしながら育っていく。

ところが日本列島に近づくと変化が起こる。プランクトンが増えていく。中でもカイアシはカツオの好物で、海のお米と呼ばれる。フィリピン沖から日本列島を北上するにつれプランクトンの量が増えていく。

2月に宮崎を出た第五清龍丸。フィリピン沖の漁を終え、日本近海を転々としていた。漁師は日々疑似餌づくりに工夫を凝らす。長持ちするのはビニール製だが、食い気をそそるのはシイラという魚の皮。疑似餌はカツオの大きさによって変わり、1人200個以上作る。

漁師たちが集まっているので見てみるとそこにはジンベエザメが。その傍には天敵から身を守るためジンベエザメの陰に隠れたカツオの姿が。こうしたカツオを漁師の間ではサメ付きと呼ぶ。それは滅多に見られない大量の印。イワシを巻いておびき寄せる。漁師たちはそれぞれ自慢の疑似餌を握りしめ勝負を挑む。20人の男たちが1時間釣り続けても群れの勢いは止まらなかった。なぜ黒潮は日本に近づくと命豊かな海に変わるのか。

世界の海洋研究の先端を行くJAMSTEC。各国の人工衛星から観測データを収集し、黒潮の研究が行われている。美山透さんは黒潮が巨大な産業に及ぼす影響について調べている。日本列島に近づくと黒潮にどんな変化が起こるのか1年分の変化をスーパーコンピューターで処理する。浮かび上がってきたのは黒潮の流れに沿って様々な渦が成長する姿だった。美山さんは世界の海流の中でもこんなに大きく変化するのは黒潮くらいと話す。渦は深い海の底などから栄養分にとんだものを巻き上げる。大小様々な渦が栄養分を黒潮に巻き込み生き渡せていく。その栄養を使って植物プランクトンは光合成をし、爆発的に増殖。ではなぜ黒潮が日本列島に近づくと渦が成長し数を増していくのか。そのカギは屋久島。北へ向かって流れてきた黒潮は屋久島付近の海底地形に挟まれ東へ吹き出す。そして深さ5000mの琉球海溝に引き込まれた黒潮は回転を早め、渦を成長させる。渦は岬にぶつかるごとに大きく複雑になっていく。入り組んだ地形の連続が渦巻く海流を生み出す。

豊かな海とのつきあいから様々な漁法が生まれた。和歌山県潮岬、この土地の漁師は1人でカツオを釣る。ケンケン漁と呼ばれ、潜行板と呼ばれる板に疑似餌をつけ、海に流し船を走らせると潜行板が左右に動き疑似餌も動く。

梅雨から夏にかけての夜。日本列島の浜辺に現れるアカウミガメ。普段は北太平洋の広い範囲を回遊するが、産卵の時期には黒潮に乗って日本に帰ってくる。一度の産む卵は100個以上だが、生き延びて日本に帰ってくるのは1%に満たない。およそ60日後卵が孵化する。子亀が目指すのは黒潮、たどり着けば流れに身を任せ栄養豊かな海で生きていける。

宮城県気仙沼に日本中から漁師が集まった。宮崎の漁師浅野さんは、11月までここを拠点に出漁を繰り返す。向かうは世界三大漁場の一つ、三陸沖。1回の出漁で300万円のコストがかかる。黒潮は親潮とぶつかり、無数の渦となる。カツオが多いのは渦の淵の辺り。朝、メバチマグロが次々に釣れた。渦の海は東西1000キロ、南北700キロにわたり広がる。森に降った雨が、巡り巡って黒潮をさらに豊かにしている。高知大学の調査によると、森のミネラルの8割以上が海まで届いていた。

黒潮の真っ只中で海洋調査船・白鳳丸が、黒潮が古代に及ぼした影響を探っている。高知大学海洋コア総合研究センターには世界中の海から深海の泥が集められている。その数20万本。コア1mに1万年の歴史が詰まっている。分析の結果、黒潮の水温は過去1万年で上昇と下降を繰り返していた。最も高かったのは弥生時代前期。次に高かったのは縄文時代後期。水温の変化が人々の生活にさまざまな影響を与えていたという。

秋、カムチャツカ半島の南1000キロの海で、第五清龍丸は戻り鰹を追っていた。黒潮の影響で海は荒れている。この20年間に発生した爆弾低気圧の多くは黒潮の上で生まれている。戻り鰹は腹が減っていないので釣るのが難しい。近年、各国が大型の網でカツオを獲り始め、日本近海に来るカツオは激減している。出港して4日間、ほとんど当たりがない。ようやくカツオの群れが見つかったが、10分ほどで当たりがやんだ。経費300万円、8日間かけて釣ったカツオは72万円にしかならなかった。カツオ一本釣り漁船は、ここ10年で半減した。船でカツオをさばくと、黒潮の豊かさの証である脂が乗っていた。

静岡県の田子では、正月を前に潮鰹と呼ばれる干物を作る。家々では軒先や神棚に潮鰹を供える。人々は年の始めに黒潮の恵みを確かめる。

三重県国崎町の浜辺では、正月が明けると海女さんが稲藁の船にお供えを乗せて送り出す。海の恵み、海に生きる幸いを海女たちが歌い継いできた古い歌がある。

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日南市(宮崎)
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気仙沼市(宮城)
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白鳳丸
高知大学海洋コア総合研究センター
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館山市(千葉)
洲崎
鉈切洞窟
爆弾低気圧
イワシ
フクロウ
潮鰹
田子(静岡)
伊豆半島
国崎町(三重)

エンディング (その他)
01:47~

黒潮の母なる流れは、今日も命の物語をつむぎ続けている。エンディング映像。

「NHKスペシャル」の次回予告。

「あなたとともに公共放送」の映像。

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