NHKスペシャル 足元の小宇宙II 絵本作家と見つける“雑草”生命のドラマ

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年6月29日(木) 1:00~ 1:50
放送局 NHK総合

番組概要

オープニング (その他)
01:00~

誰も見向きもしない雑草に目を止め、絵を描き出したのが御年86歳の絵本作家である甲斐信枝さん。身近な雑草が見せる一瞬の表情を徹底的に観察し、描き続けている。甲斐さんにとって足元の世界は毎日が驚きのある発見の連続で、その1年に密着した。

キーワード
たねがとぶ
のげしとおひさま

足元の小宇宙II 絵本作家と見つける“雑草”生命のドラマ (バラエティ/情報)
01:02~

京都・嵯峨野に訪れた春、大きなバッグを抱え、麦わら帽子を被った甲斐信枝さんは植物を「コイツ」、「このヒト」などと呼び、すくすくと育つ様子に思わず破顔した。今日のお目当ては「ノゲシ」で、タンポポのように陽気ではなく、哀愁を感じることから好きだという。卑下たのげしを主人公にした絵本「のげしとおひさま」も上梓していて、昨中でのげしはどこへでも行けるカエルやアリを憧憬している。そんなのげしも綿毛となり、春風に乗ってどこまでも飛んでいくハッピーエンドで幕を閉じる。甲斐さんは気に入ったノゲシを見つけ、道具を取り出した。気に入った角度を決め、繊細な線描を描いていった。甲斐さん曰く、のげしが発する言葉を心で感じることが楽しいという。

ほとんど座りっぱなしで5時間が経過し、植物を具に観察しながらスケッチを描いていった。製作中に綿毛が風で飛ぶ瞬間に出くわし、他の植物に当たった風は渦となり、被写体の綿毛が多方向に飛ぶ様子を見ることができたという。当番組ではハイスピードカメラを使ってその瞬間を捉えることに挑戦し、渦を巻いて飛んでいく綿毛を確認。甲斐さんはこの様子を「舞い舞い」と呼称し、朝から晩まで同じ場所に通っていることで巡り会えるお宝だという。

甲斐さんが描く絵本は科学絵本と呼ばれ、観察や科学に基づいて作られている。これまでの作品は30冊以上にのぼり、テーマの多くが路傍の雑草。カラスノエンドウなど書き溜めたスケッチを組み合わせて1枚の絵を描いていて、正確さを期すためにタネの大きさまでこだわる。「ぼくはたね」、「たねがとぶ」といった作品では子孫繁栄のために様々な工夫が凝らされたタネを臨場感たっぷりに描いていて、

ある日、甲斐さんはアメリカフウロを発見した。棒の部分が裂ける際にタネを投げる仕組みとなっている。カラスノエンドウは力を加えるとさやが2つに割れる。人の力が加わらなくとも、さやが乾燥して縮むと真ん中の繋ぎ目が弾け、タネが勢い良く多方向に飛び出す。甲斐さんはカラスノエンドウを描いている時、飛び出してきたタネが頬を直撃し、思わず手を止め、「いいものを見たわ」と満足していた。植物がタネを放出するのは人間にとっての出産と同じだという。

植物の営みを人間と重ねて見つめる甲斐信枝さんは少女時代から学校よりも野山が好きで、草笛を吹いたり、タネを飛ばしたりしていた。大人になってからは草花の美しさに惹かれ、仕事やアルバイトの傍ら、スケッチを続けた。書き溜めたスケッチをもとに、40歳で絵本作家としてデビュー。だが、その後に隣家の火事が自宅に延焼し、火の手が広がり、避難するのがやっとで書き溜めた70冊のスケッチブックはほとんどが焼失した。だが、植物を観察するうちに「細かなことでガタガタ思うな。安住せよ。ちゃんと時間が解決する」という薫陶を賜った。植物を毎日観察した代表作「雑草のくらし 」は発行部数5万部を超え、30年以上のロングセラーとなっている。更地となった場所でどのような植物がどんな営みを繰り広げるのか観察したところ、1年目はメヒシバが王者として君臨。だが、翌年はオオアレチノギクが簒奪し、3年目はカラスノエンドウが蔓を伸ばして入り込むも、クズとヤブガラシが上から覆い尽くして天下を制覇。雑草の世界は諸行無常、戦国時代さながらの熾烈な戦いが繰り広げられていた。

夏、甲斐信枝さんはタネと戯れた草むらを訪れたところ、草は刈り取られていたことに愕然。だが、「雑草のくらし」を製作中、観察の最後にあたる5年目に草を取り除いたところ、メヒシバを発見。土中のタネがチャンスを虎視眈々と狙っていたという。この時の経験から甲斐さんは今回も新たな植物を発見し、「どう勢力図を拡大しようか、彼らは体で知っている」と考えた。その後、路傍を散策していた甲斐さんは下水道の溝で特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオを発見し、驚嘆。道を通りかかった人にもこの感動を伝えていた。結局、農家の人が連絡し、水族館が保護した。

実りの秋、畦道などではヒガンバナが咲き誇った。魔法のように突如として姿を見せて数日で輝きを失う、佳人薄命な花。子どもの頃から甲斐さんは何十枚と描いていたが、会心の出来となった作品は無いという。今回、甲斐さんは納得のいく一輪を発見し、6時間に渡って描き続けた。だが、立派な一輪には及ばないと筆を置き、申し訳無さからヒガンバナに手を合わせた。

甲斐さんは農家の方に協力を得ながら観察やスケッチを続けていて、お世話になっている方々に感謝して回った。北川勝治さんは野菜を栽培していて、甲斐さんはキャベツ畑を見せて頂いた。農薬をほとんど使っていないことから、キャベツはモンシロチョウの幼虫で虫食いだらけ。甲斐さんはそんな北川さんの畑を舞台にした絵本「きゃべつばたけの ぴょこり」を描いた。主人公はぴょこりという名前のモンシロチョウのサナギ。製作時には葉先についた夜露が朝の光を浴び、虹色の宝石のように煌めいた場面に遭遇することができたという。早朝、甲斐さんは北川さんのキャベツ畑を再訪し、虹色に輝く夜露に感激した。光は水玉を通る際、色によって屈折する角度が異なり、色が変わって見えるという。

再び春が訪れ、甲斐信枝さんは昨年に見つけたノゲシの場所を訪れた。今年もノゲシは生えていて、カラスノエンドウもわずかながら無事に芽を出していた。甲斐さんは「思いもかけない草に会うときも嬉しいけど、私は見つけるにはかなりしつこい。嬉しいですよ、見つけると」と語った。

キーワード
嵯峨野(京都)
ホトケノザ
ノゲシ
タンポポ
のげしとおひさま
カラスノエンドウ
ぼくはたね
たねがとぶ
ナズナ
アメリカフウロ
雑草のくらし
メヒシバ
オオアレチノギク
クズ
ヤブガラシ
セイタカアワダチソウ
オオサンショウウオ
ヒガンバナ
キャベツ
モンシロチョウ
きゃべつばたけの ぴょこり

エンディング (その他)
01:48~

エンディング映像。

スポット

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