ひとモノガタリ それでも彼らが戦うワケは〜京大・タテカン攻防の若者たち〜

放送日 2018年9月17日(月) 5:15~ 5:45
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
05:15~

京都大学では名物となっていた立て看板、通称”タテカン”をめぐって、大学と学生の攻防が起きていた。撤去しては学生たちはまた設置するといういたちごっこが続いている。停学というリスクもあるなかで何故、学生たちはタテカンにこだわるのか。

キーワード
京都大学

ひとモノガタリ (バラエティ/情報)
05:17~

京都大学では異なる学部の授業も受けることができ、出席をとらない授業も多くある。卒業式の衣装は学生たちの自主性に任されている。同大学の自由の象徴と言われてきたのが立て看板”タテカン”で、当初は政治的主張を訴えるものが多かった。次第にサークルやイベントの宣伝物となり、これを目当てに足を運ぶ人も見受けられるようになった。寮生活を送る文学部の井上彼方さん(23)はベニヤ板とペンキ(費用にして約3000円)を使い、タテカンを仕上げる。自信作はしいたけが大嫌いという思いをポップに描いたもので、SNSで話題を集めた。井上さんは中学時代から服装や髪型など厳しく管理されて辟易していたとあって、京大のタテカンづくりは自らの意思で伝えたいことを社会に発信できる場だった。だからこそ、今回のタテカン規制に憤りを感じていた。

大学が規制に乗り出した背景には京都市による強い要請があり、屋外広告物を規制する条例を設けていた。昨年10月には文書で大学側に是正を求め、大学側はキャンパスの周囲に設置された看板を撤去する措置を講じることにした。撤去された看板は学生たちが”タテカン墓場”と呼ぶ一角へと運び込まれる。その後、学生たちは立てるのがダメなら寝看板、景観に配慮した石垣タテカン、スマホをかざすと現れる仮想現実のタテカンなどユーモアで対抗した。その火付け役となったのが総合人間科学部の油田昇太さんで、落語研究会の部員として寄せの告知にタテカンを描いていた。今回の措置に真っ向から反発してはどのような処分がくだされるかは不安だったため、坂本龍馬の名言をもじった「今一度、京大を洗濯致し候」という一文をTシャツに描いて、洗濯物のように設置。SNSでは称賛の声が集まっていた。

撤去が始まって2ヶ月、キャンパスの前で座り込みをしていた八木智大さん(25)を取材。京大のOBで、吃音の障害を抱えていた。八木さんは自らをタテカンとし、抗議の意思を示している。そこには高校時代の苦い経験があり、友人が教師に理不尽な怒られ方をしていたのに何もできなかったことを悔いていた。後輩たちが処分のリスクを抱えながらもタテカン規制に反対している姿を見て、立ち上がらずにはいられなかったという。待ちゆく人たちからは奇怪な行為として見られ、警察の事情聴取を受けようとも座り込みを続けていた。

7月13日未明、京大の周辺で火災が発生。現場には井上彼方さんの姿があり、タテカンが放火された疑いがあるのを知ると、「誰かを攻撃しているわけでもない、誰かを傷つけている表現活動でもないのに」と述懐した。一方、油田昇太さんは地域住民にタテカンがどう見られているのか、行きつけの居酒屋で尋ねてみた。ある男性は「同じことが書かれたタテカンと張り紙の違いは?」と述べ、油田さんは答えに窮していた。7月下旬、キャンパスではタテカンの数が目に見えて減っていたなか、ただ文字だけが綴られた看板が設置された。「まがりなりにも自由になにかをできる場所、意見を言える場所が立て看板」などと記され、足を止める人の姿があった。その頃、井上さんは条例の見直しを求める署名活動を始動させ、「好きなものにこだわりぬく先にしか納得のいく人生はないと思う」などと語った。

そして、油田昇太さんは「世の中、不条理なこといっぱいある。なにか1つでも自分の力で解決してみたい気持ちがある。何かやろうという時にいい経験として残っていくような気がする」と取材スタッフに語り、その場を辞去した。

キーワード
京都大学
しいたけ
タテカン
山極壽一総長
京都市(京都)
朝日新聞社

番組宣伝 (その他)
05:44~

ひとモノガタリの番組宣伝。

「BS1スペシャル ヒロイン誕生! 大坂なおみ 全米優勝の軌跡」番組宣伝。

「NHKオンデマンド」の紹介。6000本以上の作品をスマホ・PC・テレビなどで見られる。一部の番組では4K画質の配信サービスも行っている。会員数は約210万人。詳しくはHPで。

キーワード
NHKオンデマンド
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