目撃!にっぽん 選「記憶と向きあう〜作家・柳美里と高校生〜」

『目撃!にっぽん』(もくげき!にっぽん)は、2017年4月9日からNHK総合テレビジョンで放送されているドキュメンタリー番組。本項目では、前身番組として2010年4月3日から2017年4月1日まで放送された『目撃!日本列島』(もくげき!にっぽんれっとう)についても記載する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2019年3月10日(日) 6:15~ 6:50
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
06:15~

オープニング映像。

福島第一原発から30kmの場所にあるふたば未来学園高校の演劇部。原発事故が起きた7年前、部員たちはまだ幼い小学生だった。家族が離れ離れになった生徒や、避難先でいじめに遭った生徒など、様々な体験を味わう中で過去の思い出に蓋をしてきた。この夏、部員たちは特別な体験をした。作家・柳美里さんとともにひとつの舞台を作ったのだ。柳さんが求めたのはこれまで思い返すこともなかった記憶を掘り起こすことだった。原発事故後、姿を変えたふるさとで思い出をたどった生徒たち。それぞれが出会ったのは知らず知らずのうちに封をしてきた大切な思い出だった。生徒たちはどう自分の記憶と向き合い、何を見つけたのか?舞台づくりにかけたひと夏を追った。

キーワード
ふたば未来学園高校
広野町(福島)
福島第一原発
いじめ
震災
原発事故
ザリガニ

記憶と向き合う ~作家・柳美里と高校生〜 (バラエティ/情報)
06:18~

福島・広野町にあるふたば未来学園高校は原発事故のため休校した5つの高校に代わって3年前開校。放課後には演劇部の練習が始まっていた。部員は28人で、半数以上が原発事故で避難経験がある。演劇部は原発事故後をどう生きるかをテーマに部員たち自ら作った劇を上演してきた。その活動は全国的に注目され、去年は東京公演も成功。7月下旬、芥川賞作家の柳美里さんが学校へ。柳さんは今回は高校生たちと対話しながら脚本を執筆。配役を決めるオーディションも早速始まり、天真爛漫に見える高校生たち。柳さんはその裏にしまわれた気持ちに迫りたいと考えていた。

柳美里さんは在日韓国人二世の作家。複雑な家庭環境・シングルマザーとして生きてきた人生、生きる悲しみや救いをテーマにした作品を発表してきた。柳さんは震災直後から福島県に通い、地域民との交流を重ねてきた。3年前には南相馬市に移住。本屋を営みながら執筆活動を続けている。高校生と舞台を作ることになったのは福島で暮らす中、あることに気付いたから。幼少期に原発事故に遭った子どもたちの多くが過去の思い出に蓋をし、気持ちを吐き出せないまま生きてきたと感じたのだ。

脚本づくりに向けて柳さんと高校生との対話が始まった。最初に聞いたのは震災当日の記憶。原発から10kmの小学校で被災した関根さんは地震直後に慌てて下校した時の記憶を語った。思い出の蓋を開ける第一歩として、一人一人が体験した震災を掘り起こす。

高校のある広野町の3年生だった猪狩敬仁くんは海の方向にあった自宅に向かう途中で地震に遭った。猪狩くんが人前で震災の記録を話したのは初めてだった。広野町で生まれ育った猪狩くんは一日中外で遊ぶ元気な子で、特にふるさとの海が大好きだった。原発事故後3年間他の町に避難。戻ってきた時、ふるさとの姿は大きく変わっていた。町は廃炉作業の拠点となり、新しいビルや作業員の姿が目立つようになった。思い出の風景がどんどん失われていく町。猪狩くんはこれまでふるさとに目を背けてきた。

この日、柳さんは変わった稽古を始めた。一人一人が自分のふるさとの名前を叫ぶことだ。いまだ立ち入ることを許されない生徒は町に届くような大声で叫んだ。一方で猪狩くんは言葉を探るような読み方だった。複雑な思いを持つふるさとに対しどう呼べばいいか悩んでいた。

今回の演劇に参加することに躊躇いを感じている森崎陽くんは震災後の境遇が周りの生徒とは大きく異なる。森崎くんは原発から80km離れた福島市の出身で、避難経験はなし。しかし、学校には原発周辺から避難してきたたくさんの転校生がいて、震災を間近に感じてきた。ところが今年はじめ、森崎くんは大きな挫折を味わう。初めて脚本を手がけた長編劇「クローバー」は将来の夢や友人関係など青春の悩みをテーマとした物語だ。実はこの台本には上演の直前に削られたシーンがあった。津波で亡くなった友人が夢に現れるシーンで、震災の傷がいまも被災地に残っていることを伝えようとしたのだ。

しかし、他部員から思いも寄らぬ反発が。被害の当事者としての記憶がない森崎くんは自分には震災を語る資格がないと考えるようになった。8月上旬、柳さんはセミの抜け殻を持ち出した。この日引き出そうとしたのは夏の記憶。お題に戸惑う部員たち。思い出したのは原発事故以前の幼少期の出来事だった。楽しそうに耳を傾ける柳さんは「生徒の記憶の中の風景は棄損されていない、それを大事にすればきらめきなど、そういういうものが自分の中に残っていくもの」だと語っていた。

一方で自分は震災の当事者ではないと思い悩んでいた森崎くんが思い起こしたのは家の近所の貯水池でたくさんのザリガニを釣ったことだった。実はこの時森崎くんは他の部員とは思い出の重さが違うと感じていた。8月16日には柳さんの脚本が完成。舞台は原発事故から2ヶ月後の福島。登場人物が震災前の様々な記憶を語り、大切なものを失う悲しみの深さを伝えるもので、みんなが話したふるさとの記憶が散りばめられていた。森崎くんのザリガニのエピソードも語られている。自分の思い出は皆に比べて取るに足らないと考えていた森崎くん。今回の舞台に自分はふさわしいのかと、柳さんに思いをぶつけた。

柳さんは森崎くんの悩みに真正面から向き合う。柳さんは森崎くんが福島市に住んでいたので、もしかしたら双葉郡で生まれ育った子よりも知りたいという思いが強いのかもしれない、疎外感を感じる必要はないなどと話す。久しぶりに福島市に帰ってきた森崎くん。柳さんに話したザリガニを釣った貯水池を訪れた。思い出の地に立った森崎くん。震災当時の記憶が蘇ってきた。家の近くの用水路は泣きながらザリガニを逃した場所。森崎くんは大切なものを失う悲しみが自分の記憶の中にもあったことに気付いた。

震災後、姿を変えたふるさとに違和感を抱いてきた猪狩敬仁くんはどんな気持ちで町の名前を叫べばいいのか悩んでいた。この日向かったのは町が見渡せる小高い丘。震災前はよくここで遊んでいたというが、震災が発生してからは一度も来ていなかった。丘からの風景を眺めていた猪狩くんには気付いたことが。町にはホテルやビルなどが建っていたが、海だけは変わらない。猪狩くんはふるさとを大切に思う気持ちを思い出した。

そして迎えた本番の日。チケットは完売。遠くは九州など全国から多くの人々が駆けつけた。演劇序盤は震災前の記憶を語っていく。ふるさとの名前を呼びかけるシーンでは、猪狩くんにもう迷いは無かった。クライマックスでは森崎くんのザリガニのシーンをあの時の気持ちを思い出しながら演じた。演劇が終わると客席からは喝采が起こった。柳さんと舞台に挑戦した福島の高校生たち。それぞれが蓋をしてきた記憶と向き合い、自分の人生を見つめ直した。

キーワード
福島県立ふたば未来学園高校
原発事故
南相馬市(福島)
福島第一原発
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広野町(福島)
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富岡町(福島)
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双葉郡(福島)
大熊町(福島)
下野上(福島)
下北迫(福島)
福島県立ふたば未来学園高等学校
福島市(福島)
クローバー
セミ
ザリガニ
放射線
泉玉露(福島)
山口(福島)
本岡(福島)
アブラゼミ

エンディング (その他)
06:48~

エンディング映像。

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番組宣伝 (その他)
06:49~

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第74回びわ湖毎日マラソンの番組宣伝。

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