クローズアップ現代+ “プルトニウム大国”日本〜世界で広がる懸念〜

『クローズアップ現代+』(クローズアップげんだいプラス、英語: Today's Close-up)は、1993年からNHKで放送されているニュース・報道番組。放送開始時の番組名は『クローズアップ現代』。火曜日 - 木曜日の放送でNHK総合テレビジョンとNHKワールドTVおよびNHKワールド・プレミアム(2008年9月29日放送分からノンスクランブル放送)で放送されている。略称は『クロ現』。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年10月30日(月) 22:00~22:25
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
22:00~

先月、厳重な警戒の中、高浜原発にプルトニウムが輸送され、今年再稼働した4号機で使われる計画。今日本のプルトニウムが海外から問題視されている。使用済み核燃料から取り出されたプルトニウム量は47トンで原発6000発分に相当する。これにプルトニウムを取り出す技術を持ちたい国が他にも出るのではないか、アメリカから懸念の声があがっている。

キーワード
高浜原発
プルトニウム
高浜町(福井)
長崎県

“プルトニウム大国”日本~世界に広がる懸念~ (バラエティ/情報)
22:01~

核兵器の材料にもなるプルトニウム、日本は原発の燃料として平和利用することを国策として進めている。前提となるのが日米原子力協定で、日本の原子力政策の根幹となっている。日本はアメリカから燃料や設備をもらい、プルトニウムの再利用も核兵器を持たない国の中でヨーロッパの国々と共に例外的に認められてきた。協定は1988年に改定され、有効期間は来年7月となっている。トランプ政権は協定を延長する方針だが、アメリカでは溜まり続けるプルトニウムに厳しい声があがっている。

先月ワシントンで開かれたシンポジウムで、外交政策に関わった元政府高官から日本に厳しい声が相次いだ。懸念されたのは減らす見通しが立たないまま、プルトニウムが溜まっている現状である。背景に行き詰まりを見せる原子力政策の現状がある。日本はプルトニウム再利用について、柱のもんじゅの廃炉で開発が進んでいない。一方で国は溜まったプルトニウムを普通の原発でも消費しようと考えている。だが福島の原発事故の影響などで進んでいない。結果47トンものプルトニウムを抱えることになった。

プルトニウムが増えかねない事態も進行している。プルトニウムを生み出す青森・六ヶ所村の工場が本格稼働に向け国の審査を受けている。稼働すれば年間最大8トンのプルトニウムが生み出される。日米原子力協定の改定に携わった官僚にとってもこうした事態は想定外だという。文部科学省元事務次官の坂田東一さんはあくまでプルトニウムを適切に利用すると説明していたという。

アメリカでは日本に政策見直しを求める声も出ている。元国防総省のヘンリー・ソコルスキーさんは日本がプルトニウムを大量に持ち続けると、国際社会に軋轢が生じると懸念している。国連総会でも中国の大使が日本が核開発に乗り出す可能性があると主張した。ソコルスキーさんは核武装する意思がなくても、国際社会から疑念を招きかねないと主張している。ソコルスキーさんは連邦議会の議員などに日本の問題を訴える活動を行っている。

日本のプルトニウムが朝鮮半島情勢に影響を与えかねないという。核不拡散に取り組んだウルフソルさんは、韓国も同じことをしたいと考えているという。一昨年韓国はアメリカとの原子力協定を改定し、プルトニウムを取りだす研究が初めて認められた。韓国は日本と同等の技術を持ちたいとの考えあったとみられている。北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける中、韓国が将来核開発につなげるのではないかとアメリカの一部から問題視された。議会では日本の原子力政策が朝鮮半島情勢に影響を与えかねないと表立って指摘されたこともあった。ウルフソルさんは韓国がプルトニウム保有はないとしながらも、日本を前例にプルトニウムを求める動きが強まることに警戒している。

内山デスクによる解説。日本は使用済み核燃料は再処理工場でプルトニウムを取り出している。これを高速炉で再利用することにしていて、もんじゅで使うまでの流れを核燃料サイクルと呼んでいた。しかしもんじゅの廃炉が決まり、一方で電力事業者は原発でプルトニウムを再利用することにしていて、平成27年度までに原発16~18基で使う計画だったが、福島の事故後、現在3基に留まっている。再利用が進まない中、青森・六ヶ所村の再処理工場が本格稼働すれば年間8トンのプルトニウムが出て来る。

トランプ政権高官は日米同盟を重視し、原子力協定を自動延長する考えを示す一方、プルトニウムをどう消費するか説明を求めていくとしている。

鈴木達治郎氏は海外からの懸念について、原子力委員の時に伝えられたのは核テロリズムの危険性、核武装、プルトニウム競争の3つだという。プルトニウム競争は日本が前例になり、使用済み燃料を再処理する権利を他国も主張しだすと、アメリカは認めざるを得ないとし、北東アジアでプルトニウム生産競争が起きる懸念があるという。

原子力政策を所管する経済産業省はプルトニウムの受給バランスをみながら再処理されたプルトニウム量をチェックするとしている。鈴木氏は再処理事業は去年から国の管理事業になり、国が関与する公的な担保ができたことは前進で、消費に合わせ生産を調整する考えを公約するのが大事だが、実際にプルトニウム量が減少しないと米は納得しないとし核燃料サイクルの見直しが必要と話した。

核燃料サイクルは世界で計画を進めてきたが、経済性や安全性の観点からアメリカ・イギリス・ドイツは撤退。一方ロシアや日本などは様々な思惑を抱え推進している。

核燃料サイクルの研究が進むロシア、要となる施設の取材が今回許された。世界最先端高速炉「BN-800」は去年から本格稼働している。ロシアが核燃料サイクル開発を続けるのは将来にわたりエネルギーを確保する狙いがある。ゆくゆくは高速炉から出る使用済み核燃料も再利用し、半永久的にエネルギーを生み出すことを目指している。しかし一世代前の高速炉ではナトリウムや放射性物質が漏れる事故を27回も起こしている。それでも20年で8000億円を投じ研究を進めている。

日本は核燃料サイクルの政策を見直すとしたこともあった。経済産業省元官僚の伊原智人さんは民主党政権の頃、国家戦略室でエネルギー政策の立案に携わっていた。福島第一原発事故を受け、核燃料サイクルの凍結を検討したという。しかし凍結は困難である事情が浮かび上がった。使用済み核燃料は再利用の前提で、青森の再処理工場に保管している。しかしサイクルを止めると、各地の原発に返却せざるを得なく、貯蔵スペースもいっぱいになり原発が運転停止になる。

資源エネルギー庁の日下部聡長官は資源の少ない日本にとってプルトニウムを有効利用することが最適な政策だと説明している。

鈴木氏は日本では法律で使用済み燃料は再処理する必要があり、再処理が必要ない燃料はゴミとして捨てる直接処分の選択肢を日本で作ることが必要だという。また中間貯蔵施設を確保する必要もあるという。内山氏はアメリカや北東アジア情勢にも影響を与えるとし、この問題は専門家だけでなく私たちも将来のエネルギーをどうするか考える必要があるという。

クローズアップ現代+の次回予告テロップ。

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三村知事
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日下部聡長官
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