クローズアップ現代+ 「プルトニウム被ばく事故 ずさんな管理はなぜ?」

『クローズアップ現代+』(クローズアップげんだいプラス、英語: Today's Close-up)は、1993年からNHKで放送されているニュース・報道番組。放送開始時の番組名は『クローズアップ現代』。火曜日 - 木曜日の放送でNHK総合テレビジョンとNHKワールドTVおよびNHKワールド・プレミアム(2008年9月29日放送分からノンスクランブル放送)で放送されている。略称は『クロ現』。

出典:goo Wikipedia

放送日 2017年6月20日(火) 22:00~22:25
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
22:00~

今月起きたプルトニウム被ばく事故から衝撃の事実が分かってきた。事故はリスクを把握しながら安全対策に生かせなかった危機管理の甘さがあった。他の施設でも長期間核物質が保管されるなどずさんな管理が相次いで明らかになっている。

キーワード
勝田忠広准教授
プルトニウム
日本原子力開発機構

プルトニウム被ばく事故~ずさんな管理はなぜ?~ (バラエティ/情報)
22:01~

体内に取り込むと人体に健康被害を及ぼすおそれのあるプルトニウムは、核兵器の材料にもなり国際的に厳重な管理が求められている核物質である。日本は原発の燃料としてプルトニウムを利用する政策を進め、10.8トンを保有し世界的にも多い量である。原発意外にも81の事業所が保有している。

半世紀に渡り日本の原子力開発を担ってきた大洗研究開発センター、プルトニウムを使用した新しい原子炉の研究を進めてきた。実験用のプルトニウム200キロ以上が保管されている。今月6日、作業を担う5人がプルトニウムを入れた容器の中身を確認する作業を行い、フードという設備でガラス扉を開け、下から手を入れ容器を開ける。この作業は2月に原子力規制委員会からの指摘を踏まえ行われた。国の検査でプルトニウムなどが実験装置の内部などに長期間置き去りにされていたことがわかっていた。5つ目の容器でボルトを緩めた際、内部から圧力が抜け作業員は蓋周辺を調べ汚染は確認されなかった。しかしボルトを外し終えると内部の袋が破裂した。容器の中にはポリエチレンの筒があり、収納し樹脂製の袋で密閉し二重に保管し、26年間一度も開けられずにいた。専門家は長期間放置が原因で破裂が起きたと指摘している。燃料から出る放射線で周りの高分子が分解しガスが発生したという。

袋が膨らむ事態は原子力機構の別施設でも発生していた。大洗の施設でも事前に報告がされていて、作業前のチェックリストでは破裂のおそれはないとしていた膨らむケースを把握しながら破裂まで至らないと考えていた。作業員5人はプルトニウムが衣服に付着したことがわかった。しかしそこにとどまり続けた。その判断のもとになったマニュアルがある、被ばく線量が15ミリシーベルトを超えるおそれがある場合は、その区域から退避するとある。手元の線量計では基準に達していなかった。しかし実際には床表面はとどまれないレベルとなっていた。室内のプルトニウム濃度を把握するモニターも備えられていたが、深刻な汚染を検知できず退避に繋げることができなかった。作業員は扉のカギを閉め、扉の隙間をテープで塞ぐよう以来した。部屋を出るにはグリーンハウスの設置が必要だった。しかし作業前にはこれも必要ないとしていた。テント設置が完了した時、事故発生から3時間以上が経過していた。部屋から出た後の計測で内部被ばくが確認された。

作業員5人について、医療機関からの報告では体内に放射性核種が入っていることは事実で、内部被ばくはあったとした。翌時の検査では肺の中のプルトニウム量は検査装置が捉えられないレベルだった。その後、全員の尿から微量のプルトニウムを検出し内部被ばくが確認された。

旧ソビエト時代から行われてきた1万4000人以上を対象としたプルトニウムの内部被ばく調査で、肺がん・肝臓がん・骨がんの増加が確認された。被ばく量20シーベルト以上で肺がんは8倍などとリスクが高まっている。現在5人の作業員に体調の変化はないが、排出を促す治療を継続している。医療機関では正しい線量を出し、副作用のでない範囲で治療をしていくのが役目と話している。

作家・真山仁さんは今回の事故について、大事故と思ったが、思ったより大きくならないことが分かってからニュースも世間のリアクションをフェードアウトしていて、社会のリアクションが心配だと話した。安心感のようなものが蔓延している気がすると話した。内山氏は危機意識は甘く、今回の保管は問題がなかったが、中身を確認する作業の前の備えが十分でなく、情報共有が不十分で、被ばく対策でもグリーンハウス設置は遅れ、訓練も不十分だったという。

放射性物質を体内に取り込むと体内被ばくが起き、プルトニウムではアルファ線を出し、肺・骨・肝臓などに長時間とどまりガンなど引き起こすリスクを高める。

平成7年のもんじゅナトリウム漏れ事故、11年の東海村JCO臨海事故では作業員2人が死亡、23年の福島第一原発事故がある。真山氏は危機意識はありながらも、対策が緩いずれが繰り返されると話した。

新潟県放射線監視センター新潟分室では分析用にわずかプルトニウムを保有している。事故翌日、県は施設に管理徹底を指示した。全国81の事業所の内、茨城と青森の7ヵ所で不適切な管理をしていたと指摘されていた。

問題が指摘された現場の写真では保管用容器が実験スペースに置かれたままだった。37年間放置のものもあるという。本来、貯蔵・使用する 場所を明確に定め、規制委員会から許可を得ることになっている。しかし使う予定でないものを、使用スペースに放置していた。原子力機構の現役職員によると、中身について正確な情報がないものも多いという。元職員は研究優先で、後始末が先送りされる傾向が現場にあったと話している。

真山氏は子どもの後片付けを例に、危ないものを扱っている人が後片付けが大変という理由でやらないのは、研究しないほうがいいと話した。内山氏は国はプルトニウムは資源と位置づけ、実験で使用したものも再利用することにしていて、再利用には手間がかかり、処理されないプルトニウムが保管され続けているという。現場では再利用ができないや、処分したいとの声もあるが、処分する場所もなく、原発のゴミ問題と同じで、日本の原子力が抱える構造的な問題だと話した。

真山氏は日本がプルトニウム大国なら、プルトニウムのことを自分たちのことだと思い考え、今回の事故は甚大になる前に他人事でなく自覚を持たないと次は取り返しがつかなくなるかもしれないと話した。

クローズアップ現代+の次回予告テロップ。

キーワード
プルトニウム
日本原子力開発機構
大洗研究開発センター
原子力規制委員会
核燃料サイクル工学研究所
原子力機構
原子力規制庁
東海村(茨城)
放射線医学総合研究所
稲毛区(千葉)
真山仁
マヤーク(ロシア)
肺がん
肝臓がん
骨がん
アルファ線
東海村JCO臨界事故
もんじゅナトリウム漏れ事故
福島第一原発事故
新潟県放射線監視センター 新潟分室
新潟県庁
規制委員会
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