趣味どきっ!  国宝に会いに行く 第7回「高山寺・明恵上人と“鳥獣人物戯画”」

放送日 2017年11月15日(水) 10:15~10:40
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
10:15~

国宝を軽やかな視点で身近にしてくれる、いま注目のライター、橋本麻里。国宝ブーム立役者の1人だ。「国宝に会いに行く 橋本麻里と旅する日本美術ガイド」第7回は高山寺 明恵上人と「鳥獣人物戯画」。

キーワード
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橋本麻里

国宝に会いに行く 橋本麻里と旅する日本美術ガイド 第7回 高山寺 明恵上人と「鳥獣人物戯画」 (バラエティ/情報)
10:16~

これから見に行く国宝の主役が動物であるため、リアルな動物を見てから行こうということで、マキタスポーツさんと橋本麻里さんが東京・上野動物園で動物を観察した。

2人がやってきたのは東京国立博物館。特別展「鳥獣戯画 -京都高山寺の至宝-」が開かれていて、国宝の「鳥獣人物戯画」が展示されていた。「鳥獣人物戯画」はウサギや猿など11種類の生き物が人間のように描かれた絵巻。水遊びの場面ではウサギと猿が川で楽しそうに泳いでいる。賭弓はカエルとウサギが弓を射って賭け事に興じる様子だ。逃げる猿をウサギとカエルが追いかける場面は、賑やかな声が聞こえてきそうだ。そして、ウサギとカエルの相撲では、ウサギが投げ飛ばされている。法会の場面では、僧侶姿の猿がお経を唱えている。鳥獣人物戯画は甲、乙、丙、丁の4巻からなる絵巻物で、描かれた時代もそれぞれの巻で異なる。おなじみのシーンが登場するのは甲巻で、全長約12メートル。平安時代、12世紀後半に描かれたといわれている。乙巻は麒麟などの空想上の霊獣と牛や馬などの実在する動物がリアルに描かれた、いわば動物図鑑のようなもの。甲巻を参考にしたとされる丙巻は作者も制作時期も違うと言われており、甲巻よりもどこかグロテスクだ。丁巻はさらに絵のタッチが異なり、登場するのは人。鎌倉時代の作品とされ、老若男女が遊ぶ姿が笑いを誘う。中でも有名な甲巻。その人気ぶりは日本美術の中でもアイドル的な存在だ。しかし、その背景については謎だらけ。ストーリーさえも分かっていない。多くの絵巻物には詞書と呼ばれる説明の文章があるのだが、「鳥獣人物戯画」にはどこにも文字がない。そのため、きょうのキーワードは「妄想力」だと橋本さんは話した。マキタさんに映画監督や俳優になった気持ちでストーリーを想像しながら絵を見てほしいのだという。

「鳥獣人物戯画」1つ目の謎は、誰が描いたのか。その作者について、有力な説は2つある。まずは宮廷絵師説。平安時代の宮中行事や遊戯を記録した「年中行事絵巻」。後白河法皇の命で当時の宮廷絵師が描いたこの絵巻の一部を見てみると、「鳥獣人物戯画」とよく似たシーンがある。平安時代にはやった芸能「田楽」の場面では、踊りに使う小道具が一致している。また、「賭弓」という弓を使った賭け事の場面もよく似ている。もう1つは僧侶説。その根拠となる資料の1つが、京都・仁和寺に伝わる「薬師十二神将像」。白描図像という墨1色で描かれた仏教絵画だ。鳥獣人物戯画に登場する動物の姿もある。東京国立博物館の土屋さんは、「お寺に専属で絵を描いていたお坊さん、絵仏師の1人が鳥獣戯画を描いたのではないか」と話した。

鳥獣人物戯画が伝わった寺、高山寺。世界文化遺産にも登録されており、鎌倉時代に建てられ当時最先端の学問寺として書物や美術品などがこの寺に集まった。明恵上人が鳥獣人物戯画と高山寺をつなぐ重要なキーパーソン。国宝石水院からの景色は素晴らしく、ここで明恵上人は修行をしていたという。寺には明恵上人の肖像画があり、全面に描かれた松に対し本人が小さい事が特徴。寺のお堂の中で偉そうに座っていない、常識にとらわれない人だと話した。明恵上人は人と動物を隔たりなく慈しみ、寺に匿ったという。明恵上人、あるいは高山寺に鳥獣戯画は一番相応しいとした。

2つ目の謎はストーリー。「鳥獣人物戯画」にはどの場面にも物語の説明がない。通常、絵巻物は右から左へと物語が展開する。シーンのつながりからストーリーを読み解くこともできるはずだが、甲巻には一部あれっと感じる部分が。例えば、すごろく盤を担ぐ猿たち。遊びが始まるのかと思いきや、次に始まるのは法会のシーンだ。土屋さんによると、甲巻は23枚の紙をつないで作られていて、そのつなぎ目が剥がれ、元とは違う形で修復されたため、本来の順番ではなくなっているという。また、抜けた絵を掛け軸にした作品・断簡もいくつか確認されているという。その一部が展示されていた。カエルや猿がユニークな格好で行進する断簡をよく見ると、黒い点々があった。これを甲巻に描かれている花びらと重ねてみると、ぴったりとつながり、不自然な絵のつなぎが解消される。しかし、順番が分かっているのはほんの一部。シーンのつながりをどう読み解くのかは見る人の妄想力に委ねられる。甲巻の中から抜けた断簡は全部で4点確認されているというが、3つはいまの絵の中に入らないといい、謎が深まっている。

妄想力をフルに使って鳥獣人物戯画をアフレコした。「ユートピア」というテーマで、お背中流しましょうかなどお湯とユートピアをかけた駄洒落を交えたりした。

「鳥獣人物戯画断簡」は東京国立博物館にて2018年1月~2月 展示予定

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上野動物園
国宝
東京国立博物館 平成館
特別展「鳥獣戯画 -京都高山寺の至宝-」
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薬師十二神将像
世界文化遺産
仁和寺
東京国立博物館
明恵上人
石水院
帝塚山大学
明恵上人像
京都市(京都)
鳥獣人物戯画断簡

エンディング (その他)
10:38~

「NHKテキスト 趣味どきっ!」の告知。

EテレのPR映像。

身構えずに自由に発想してもいい、ユーモラスさを感じる、あの絵巻に入りたいなどマキタスポーツは話した。

鳥獣人物戯画は謎だらけで、自由に妄想力を掻き立ててくれる魅力あふれる国宝。エンディング映像が流れた。

次回の趣味どきっ!の番組宣伝。

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