事件の涙 そして、研究棟の一室で〜九州大学 ある研究者の死〜

放送日 2018年12月28日(金) 22:45~23:10
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
22:45~

9月7日に九州大学で火災が発生した。現場は学生たちの研究所だ。焼け跡から遺体で見つかったのはKさんだ。博士課程まで進んで8年前に退学した男性だ。誰もいなくなった研究室に放火して自殺したとみられる。大学はKさんが利用資格を失った後もに研究室を利用していたと説明している。事件は色々な波紋を呼んでいる。

キーワード
NHKニュース
九州大学

そして、研究棟の一室で〜九州大学 ある研究者の死〜 (バラエティ/情報)
22:47~

事件前日、Kが通っている森修一整骨院に誕生日にプレゼントした靴が届いた。整骨院の女性は、いつも頂きものをしていたのでプレゼントしたという。

Kの足取りを取材。そこでKの小学校時代の親友である後藤和也さんに話を聞くことができた。後藤和也さんはKについて「クラス一の秀才で友達思いの男だった」と語った。Kはその後、15歳で陸上自衛隊の工科学校に入学したという。理由は父の会社が倒産したからだという。その7年後にKから手紙が届き、そこには九州大学に合格したという内容が綴られていたという。

九州大学に進んだKは何を目指していたのかを、当時のKを知る鈴木博康さんに話を聞いた。2人は共に研究者の道を歩いたという。Kは研究者から頼りにされており「決して一人ではなかった」と鈴木博康さんは語った。Kは大学院で憲法を学び、日本の憲法学に貢献したいという気持ちがあったという。ただこの時期に大学院生の数が増えて競争が激化するようになり、学費や生活費のためにバイトをする生活をしていたという。ただ忙しさから論文を掛けず、在籍期限の37歳で大学院を退学したという。

Kが退学後によく通っていたラーメン屋がある。ラーメン店の店主の和田寛幸さんはよく話しており、今考えると寂しかったのではないかと語った。ただ自分のことは話さなかったという。Kは退学後も院生長屋で法律に関わろうとしていたという。また非常勤講師として若い学生に法律を教えていたという。

研究者を目指しながら非常勤講師を20年続けている男性に話を聞いた。Kの事件について自分の境遇を重ねていた。男性は「他人事じゃない」と語った。月収は15万円で契約は1年更新だという。

Kが非常勤講師を続けたことについて、Kの先輩である鈴木博康さんは「学生に法律を学ぶ意義に力を注いでいた」と語った。「授業することが最後の生きがいだったのかもしれない」と語った。

九州大学の木佐茂男さんはドイツ語が堪能なKに研究の手伝いをしてもらうなど親交を続けていたという。Kは2年前から自分の窮状を伝えてきたという。雇い止めと奨学金返済で苦労していたという。

この頃、Kの体を心配していたのが整骨院の森美紀さんだ。Kは「学力や能力があっても、先に進むためには経済力が必要になる」と語っていたという。

そして長年利用していた院生長屋の取り壊しが決まり、そうした中で最後の授業に望むことになった。そこで「スペシャリティになること」と語っていたという。鈴木博康さんは「現実の中で自分の能力を生かすことができない人生になってしまった」と語った。また若い学生に自分のような失敗をしないようにというメッセージではないかと語った。

事件2週間前にKは福岡県の島を訪れて、これまでお世話になった人に地元名物の魚を贈っていたという。事件の4日前には馴染みのラーメン屋を訪れて、ゆっくりラーメンを食べたという。そして事件当日に研究人生が詰まったその場所でKは炎に包まれたという。その6時間後に整骨院に手紙と靴が届いたという。

事件後、Kは中学卒業以来離れていた母のもとにいるという。Kの母親は「ゆっくりおやすみなさい」としか言えないと語った。

キーワード
九州大学
陸上自衛隊
志賀島(福岡)

エンディング (その他)
23:09~

エンディング映像。

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