明日へ -支えあおう- 復興サポート「放射能汚染からの漁業再生〜福島・いわき市」

放送日 2014年6月22日(日) 10:05~10:53
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
10:05~

オープニング映像。

復興サポート「放射能汚染からの漁業再生〜福島・いわき市」 (バラエティ/情報)
10:05~

福島 いわき市は福島第一原発の事故により海の放射能汚染がされた。漁業は全面自粛。事故から1カ月後、漁師の要望で県はモニタリング調査を始める。100種類以上の魚介類について測り続けた。去年からは試験操業が始まり、国の食品基準を下回った魚種のみについて漁獲している。試験操業の魚は小名浜港に集められ抜き取り検査を実施し、国の基準よりも厳しい50ベクレル以上は出荷しないと決めている。検査の結果は95%が未満。しかしそれでも福島産の魚のイメージは回復していない。漁業を本格的に再開させることが出来るのか。漁師たちは先行きが見えない不安を抱えている。6月いわき市 水産会館に関係者が集まり未来について話し合った。

福島・いわき市の水産会館に漁業者、仲買人・小売り、市の職員などが集まり徳永アナウンサー進行の元、福島の漁業の未来について話し合った。まずは今思っていることを語ってまらった。漁業者からは事故から3年たっても先が見えない、本格的な操業が見えない苦しみがあるなど意見が語られた。また小売りからは福島産ということだけで嫌がられている現状を語った。

復興サポーターとして東京海洋大学教授の神田穰太さんを招いて語り合う。神田はなぜ今でも時折福島沖から数値の高い魚が獲れるのかそのメカニズムを研究している。そしてまずセシウム137から見た見解を語った。世界の核実験などによる海の汚染を紹介し、多くの学者の中で福島では放射性物質が流れたか一致しないとしながら、比較した。

次に放射性物質が海の中でどのように動いていったか、福島第一原発から放射性物質が海に流れるシミュレーション画面で説明。汚染水は3.5~27ペタベクレルとされている。そして現在どのようになっているかについて、原発からの汚染水漏れは少し出ていて、0.019~0.047ペタベクレルで非常に少ない数値と説明。川からの流入も0.014~0.052と非常に少ないと説明した。事故直後では500~600の数値で現在は0.005~0.01超で海水は綺麗になっている。ではなぜ一部の魚から基準値を超える魚が穫れるのか研究していると語った。

なぜ一部の魚から基準値を超える魚が穫れるのか、実はそのほとんどがヒラメなど海底に住む魚であることがわかっている。現在東京大学生産技術研究所のブレア・ソートンさんは福島沖の研究で、放射能検出器を福島の海に沈め海底の放射性セシウムの分布を調査した。これでわかったのが数値の高いところは岩陰や窪地になる。こうした泥地のセシウムを何らかの形で魚に取り込まれた可能性が指摘されている。

金沢大学の長尾誠也教授はセシウムが泥から海水に溶け出すかについて研究している。フラスコの中で福島の海の中を再現。それを撹拌し調査。その結果、泥から海水へ放射性セシウムがほとんど溶け出さないことがわかった。魚への移行についてはゴカイなどのエサから、またはマリンスノーからの移行が仮説だてられているが、まだわかっていない。ではなぜ基準値の魚がとれるか、その理由の究明が急がれている。

福島県水産試験場の水野拓治さんが魚の種類ごとに汚染の違いについて説明。沖合を海遊している魚は基準値を超えたことがない。沖合の深い魚も出ていない。沿岸の水面を泳ぐ魚は事故直後は高い数値が出たが、この2年間は出ていない。そして高い数値が出ている魚は生息しているのが浅い場所で動かないものが多いを紹介した。

福島の試験操業は沖合の海域から初められた。そして試験操業では新たな取り組みが始まっている。型の良いものだけ出荷し、鮮度をあげるため以前は1泊2日で行われていたが、今は日帰りで行っている。いわき市中央卸売市場では試験操業の魚が競り落とされている。こうした漁業関係者の努力をどのように消費者の理解につなげていくのかが課題となる。

復興サポーターの筑波大学の五十嵐泰正さんを招いて消費者の信頼を取り戻すためにどうすればいいか話合う。五十嵐は千葉柏市に住む。柏市でも原発事故後、動揺が広がった。そこで消費者と農家が共に話し合う中で安心できる野菜だけを流通させる仕組みを地域の中に作ってきた。まず農家やシェフ、消費者も加わり円卓会議を行いそれぞれの立場から率直な意見をぶつけた。そして畑に消費者を連れて行く測定会を開き、消費者自身が放射能を測り一緒に実態を学んでいったのだ。こうした活動の結果、柏では20ベクレルという独自の基準をつくり野菜の地産地消を復活させた。五十嵐さんたちの活動により消費者と生産者の関係は震災前より深いものとなった。

五十嵐は不審に思う消費者は、かつてない地域の農業への注目でありチャンスでもあると語った。そのやり方として消費者が農家の土壌に行く。このことでコミュニケーションの場になった。これにより生産者の自信になった。そして価値を共有しファン作りにもなったと説明した。これはいわきの水産業にも応用できるとし、消費者に生態の特徴・美味しい食べ方の発信・学びという「楽しさ」を伝えていけると説明。さらにいま買ってくれているお客様はつながっていくべきコアないわきの魚のファンであり、本格創業後も大切な存在になっていくと語った。

小売りの人や仲買人からは「だいぶ自信が持てました」としたうえで、震災前よりも良いものを出そうと頑張っているが情報発信が弱いため、皆さんに知られていないという問題点があるのかもしれないと語った。

復興サポーターの東京海洋大学の馬場治さんが高齢化と後継者不足について語る。馬場さんは漁業者達がが共同して船を出しとれた魚を共同して分配する共同操業を提案してきた。これにより高齢化と後継者不足に悩む漁村が再生する姿を見てきたという。

秋田・金浦漁港。名産はハタハタ。ここでは資源を保護するため漁獲量を制限されている。そのために漁師同士の競争が激しくなり危険な夜の漁を行い死傷する人が増えた。高齢化も進み、競争に敗れた高齢者は収入がなくなった。この時、ハタハタの水揚げで1、2を争っていた2人の漁師、佐々木鉄也さんと池田大さんが立ち上がり、共同操業を提案。利益は平等に分配しようとしたのだ。2人の収入は半分以下に落ち込んだが、漁業へのやる気が港全体に広がった。さらにお金を出しあい魚に傷がつかない機会を購入。魚の値段があがり高収入を得るようになった。さらにこれが成功したことで若い漁師が入ってきて漁港に未来が見えてきたのだ。

佐々木鉄也さんが訪れ共同操業にいたるまでの経緯と、その後の体験談を語った。馬場は共同操業をやることで若い人たも入る。そのことで地域の産業として残していけると語った。

いわきの漁業をどのように再生させるか、漁業者、仲買、小売り、県や市の職員などが地域つくりに取り組む若者が手助けし、それぞれグループごとに分かれ話し合う。漁師の中から「震災前おいらの業界はどん底だった」「地元の魚の回覧板を回せばいい」「若者を増やすために土日休みにする。そうすれば資源保護にもなる」など意見が飛び交った。またいわき市の職員からは「地元の漁師や仲買の取り組みが知られていない。どんどん見せていって応援ムードを高めていければ」と語った。また売り方については「ブランディング化」や「無料で試食」など広めていきたいと話しあわれた。

話し合いの結果を班ごとに発表。漁業者は高齢者対策や共同操業は底びきは難しいなどが発表され、市県などは後継者に対する対策や土日休みなどの提案、漁協では1年に1回歌手を呼べなど笑いを交えた意見や、仲買・小売りでは流通のプロセスの透明化をするためチームを作るなど班ごとに、発表された。

本日参加した人たちから感想が語られた。漁業者からは「本格操業になるまで足腰を鍛えていきたい」や「最後みんな笑顔に戻ってやっていけるなと自信を持ちました」という感想。小売りからは「思いの詰まった魚の魅力をしっかり伝えて消費者の方にお魚を売っていきたいと思いました」など語られた。馬場はこうした話し合いは全国で初めてで、復活が実現すれば全国の漁業のモデルになると思うと語った。

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いわき市(福島)
放射性物質
東京海洋大学
セシウム137
ブレア・ソートン
長尾誠也教授
金沢大学
マリンスノー
試験操業
ハタハタ
秋田県
共同操業

明日へ-支えあおう- (バラエティ/情報)
10:48~

綾瀬はるかが福島・いわき市を訪れる。高校生が企画したバスツアーに参加。いわき名産のかまぼこ工場を見学し体験。高校生と一緒に竹ちくわを食べた。また津波の被害があった地域も訪れる。古民家にも訪れ螺鈿細工などの装飾を拝見した。豊田さんはこの古民家を「残したい」と語る。

綾瀬が参加したバスツアーの感想を振り返り、ふくしまに恋してのホームページを紹介した。

宮城 南三陸町志津川から被災地の人々の声を届けた。渡辺さん「震災に負けるな」、小野さん「めんこいトマト作ってます」村岡さん「南三陸「自然」味わってください」などそれぞれ思いを語った。

キーワード
竹ちくわ
いわき市(福島)
螺鈿
ふくしまに恋して
志津川(宮城)
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