長崎平和祈念式典 平成28年

放送日 2016年8月9日(火) 10:30~11:50
放送局 NHK総合大阪

番組概要

平成28年 長崎平和祈念式典 (ニュース)
10:30~

長崎市・平和公園の映像。式典会場は満席となっている。昭和20年の今日、この場所へ原爆が投下された。

長崎原爆資料館の映像。絶えず見学客が訪れている。外国人の姿も多い様子。

放射線医療に関する施設が集まる、長崎大学。この場所も当時被害を受けた。そのため毎年慰霊祭を行なっている。

式典会場にで、「ひまわり」による合唱が行われていた。参加しているのはみんな被爆者である。うち1人の西崎さん。目の前で亡くなっていった人々を、今でも忘れられないという。去年はドイツ公演も行った。

式典の進行は高校生、鐘の音に合わせて挨拶。長崎市長らによって、新たな原爆死没者の名前が奉安された。これで亡くなった人の数は17万2230人に。

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館には原爆死没者名簿が納められていて、亡くなった方に思いをはせ、祈りを捧げる場となっている。原爆投下後に撮られた長崎の写真展示会が開かれている。去年調査部会はアメリカの国立公文書館で新たな写真を見つけた。被爆直後の人々の暮らしが写しだされている。今年写真を調査する中で、爆心地付近で焼死した少年の身元が初めて分かった。少年は70年間行方不明だったが、少年の妹が兄だと申告をしてきたため科学的な鑑定を行い判別に至ったという。

長崎大学のキャンパス一角には原爆の被害を物語る被爆遺構「旧長崎医科大学門柱」が残されている。爆風を受けずれて傾いたままになっている。この門柱は今年国の史跡に指定されることになった。他にも山王神社二の鳥居などが史跡に指定される。爆風で片方の柱が吹き飛ばされたため、1本足鳥居とも呼ばれている。モノ言わぬ語り部として戦争の悲惨さを今に伝える被爆遺構。被爆体験を語ることのできる被爆者が高齢化する中でその重要さが増している。

このあと平和公園では献水が行われる。原爆の熱線にさらされ水を求めて亡くなっていった人を慰めるために水が捧げられる。遺族代表や高校生代表が献水を行なった。被爆者代表、長崎市長ら参列者による献花が行なわれた後、安倍総理大臣による献花が行われた。集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が施行された。これに対し長崎の被爆者らは渾身の怒りを込めて抗議すると強く非難する抗議声明を総理大臣官邸にあてて送った。今年の平和記念式典には53の国と地域の代表が出席している。今年5月アメリカのオバマ大統領が現職大統領として初めて被爆地広島を訪問し、核兵器廃絶への決意を表明した。オバマ大統領が就任当初に核兵器なき世界を目指すことを表明してから7年。被爆者たちの願いは実現されるのか。

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館、手記閲覧室の本棚には原爆の被害について書かれた資料や体験記が並んでいる。原爆の恐ろしさを世界に伝えるため、記念館では資料の翻訳を進めてきた。今年「長崎原爆戦災誌」の英訳版が完成した。この英訳版は国内の学校や図書館に届けられた。追悼平和祈念館では市民による外国語ボランティアの育成に力を注いできた。これまでに排出した外国語ガイドは英語、中国語、韓国語でのべ187人。今年新たに13人のガイドが生まれた。前川さんは英語でのガイドを30年続けていて、長崎で生まれ育った者として英語を勉強してきたこともあり、英語を使って外国の人たちに被爆体験などを伝えてもう原爆は絶対に嫌だという気持ちを世界に発信したいという思いでやっているという。

長崎大学入り口付近名盤には原爆で犠牲となった学生・教職員の名が刻まれている。生存した学生らは被爆者の治療・調査にあたった。大学では放射線医療の研究を進め、原発事故が発生したチェルノブイリ・福島の復興に協力している。4年前発足の長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)は国際会議に参加し核なき世界を実現する政策の研究や現存する核兵器データなどウェブサイトなど使用して発信してきた。核兵器廃絶について話し合う「パグウォッシュ会議」にも尽力。会議では35ヶ国・約200人が被爆者の思いに触れ核兵器を無くすよう求める「長崎宣言」を発表。RECNAは「北東アジアの非核化」のための組織を設立する方針。

長崎市平和公園では現在献花が続いている。被爆者の平均年齢は80を超えている。ことし亡くなった全国被爆者は9400人余りで過去最大。平和公園では原爆が投下された11時2分から犠牲者に哀悼の意を表紙て黙祷が捧げられる。

長崎平和祈念式典の児童合唱。爆心地に近かった山里小学校の6年生50人が「あの子」を合唱した。

安倍総理大臣の挨拶が行われた。安倍総理は「今から71年前の今日投下された原子爆弾によって当時7万とも言われる命が一瞬にして失われた。一命をとりとめた方にも言葉にならない苦しみをもたらしたが、市民の努力によって長崎は国際文化都市として発展を遂げた。今年5月オバマ大統領が米国大統領として初めて広島を訪問した。核兵器を使用した唯一の国の大統領が被爆の実相にふれ、被爆者の前で核兵器のない世界を追求し、各保有する国々にその勇気を持とうと呼びかけた。広島宣言と共に世界中に大きな希望を与えたと確信している。71年前に広島、長崎で起こった悲惨な経験を二度と起こしてはならないという努力を積み重ねていくことは私達の責任。非核三原則を堅持しつつ、核兵器不拡散条約の維持・強化の重要性を訴えていく」などと伝えた。

長崎平和祈念式典では田上富久長崎市長が平和宣言を行う。市長はオバマ大統領がことし5月に被爆地・広島を訪問したことについて触れ、核兵器保有国の首脳らに被爆地広島・長崎訪問を促す発言、ジュネーブの国連欧州本部で核軍縮を前進させる会議に核兵器保有国の参加を促す発言などした。

9歳の時に被爆した井原東洋一さんによる平和への誓い。「被爆地は国際的に支援されたが、被爆者は71年間苦労であった」「オバマ大統領が最後の被爆地である長崎を訪問することを歓迎する」「核も戦争もない平和な世界を子どもたちにという歴史的使命を達成するために前進し諦めないことを誓う」などと平和への誓いを述べた。

パン・ギムン国連事務総長の挨拶をキム・ウォンス氏が代読する。「みなさまの集いはこのような悲劇を二度と起こさないようあらゆる努力を惜しまないことを国際社会に強く印象づける機会でもある。長崎は昔から活気と多様性に満ちた街だった。2010年にこの地を訪れた際、街と人々の活力によって勇気づけられ、核兵器のない世界を作ろうという市民の決意に感銘を受けた。この取組の先頭に立っているのが被爆者の方々で、声を一つにして”NO WAR””NEVER AGAIN”という言葉を世界に伝えてきた。このメッセージは核兵器の廃絶という私達の目標を達成するまで伝えていかなければならない。被爆者が高齢化する中新たな世代がピースメッセンジャーの役割を担わなければならない。若者の皆さんに核兵器によっての苦難が忘れ去られることがないよう課題に取り組んでくださいと呼びかける。核兵器を廃絶できるのはみなさんの世代です。国連はみなさんと共に核兵器のない世界の実現に取り組んでいく」などと述べた。

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館では訪れた人たちに平和を訴えようと、被爆体験の朗読が行われている。読んでいるのは被爆者の体験を国がまとめた証言集。被爆者が直筆で記したもの。読み聞かせをしているのは、原爆を語り継ぐ市民団体のメンバー。被爆者が高齢化していく中、次の世代に伝えようと活動を続けている。 

長崎大学の学生たちは全国の学生に声をかけ原爆資料館や被爆遺構を案内している。普段平和について考える機会の少ない若者に長崎の特別な一日にふれてもらい、身近な平和について一緒に考えたいという思いが込められている。参加した学生らは、「長崎の大学生と話すことによって、私達京都の当たり前と長崎の方たちが過ごす当たり前は違うと感じた」などとコメントした。

爆心地公園には誓いの火があり、オリンピックの聖火から分けてもらった火には長崎を最後の被爆地にする決意が込められている。去年11月にはブラジルの居住地に送られた。

平和公園の一角にある平和の泉には、千羽鶴が飾られており今日訪れた人が奉納したとのこと。毎年この時には千羽鶴が全国から送られ、「後世にも平和な世の中が続きますように」などのメッセージも添えられている。

長崎平和祈念式典での中村法道長崎県知事の挨拶の一部と、各方面からの電報・メッセージは式典会場入り口右側に掲示してあるとの旨を伝えた。

純心女子高校の生徒による「千羽鶴」の合唱がおこなわれた。

結びの言葉として、「あの日から71年が過ぎアメリカ大統領の被爆地訪問で核兵器なき世界の決意を新たにした年となった」などと話す。

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