日曜討論 南シナ海 仲裁裁判 中国とどう向き合う

『日曜討論』(にちようとうろん、Sunday Debate)は、NHKのテレビおよびラジオで放送される討論番組である。NHKでは戦後初期のころから、毎週日曜日に『国会討論会』『政治座談会』『経済座談会』と題した国会議員、政治関係者、財界・経済専門家をゲストに招いた番組を放送、放送時期とテーマによって題名を変えたが、1994年4月よりこれらの番組名を統合・一つにまとめ、現在のタイトルとした。

出典:goo Wikipedia

放送日 2016年7月24日(日) 9:00~10:00
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
09:00~

中国が南シナ海で軍事演習を重ねる、人工島の造成を進めるなど、海洋進出の動きを続けている。フィリピンは国際的な仲裁裁判を申し立て、裁判所は中国に管轄権を認めないとの判断を示した。中国は激しく反発している。アメリカは「責任ある大国」として中国に判決に従うよう求めている。

キーワード
王毅外相
劉振民次官
中国
フィリピン
カービー報道官

日曜討論 (ニュース)
09:01~

中国の南シナ海進出と仲裁裁判について、きょうから始まるASEAN外相会議でも激しく争われる見込みと紹介した。仲裁裁判の判決について、中国が主張する「九段線」には法的根拠がない、南沙諸島の造成などについても領有権や排他的経済水域などは認められないと判断されたと紹介した。

中国に対する仲裁裁判の判決について聞く。上智大学国際関係研究所代表・藤崎一郎は、拘束力のある判決が鮮やかに示された、裁判を拒否することで中国は難しい状況に立たされたと答えた。東洋学園大学教授・朱建栄は中国の受け止め方について聞かれ、中国にとっては仲裁裁判の制度は2国間の話し合いが行われたことを前提としておりフィリピンの提訴は一方的である、領土に対する最低は仲裁裁判所の管轄外であるとの立場を貫いている、判決を越権行為と受け止めていると答えた。神田外語大学・興梠一郎は、裁判に持ち込まれたこと自体が外交的な失敗だったと答えた。東京理科大学・大庭三枝は東南アジアの受け止め方について聞かれ、中国寄りの国々も慎重な対応をとっていると答えた。慶応義塾大学准教授・神保謙はアメリカの対応を聞かれ、判決を機に平和的解決に向けて各国が対応をリセットするよう求めていると答えた。

南シナ海をめぐる中国とフィリピンの協議について取り上げる。ASEM首脳会議では、中国側が仲裁裁判の判断を棚上げして話し合うよう求め、フィリピンはこれを拒否している。日本の安倍首相は両国に仲裁裁判所の判断に従うよう求めた。興梠一郎は今後の中国の動きについて聞かれ、中国は判決を「紙くず」と発言してフィリピンの反感を買ったと答えた。大庭三枝はフィリピンが政権交代直後であると聞かれ、フィリピンにとっては中国の強硬な立場まで含めて想定内であり、今後も慎重な交渉が続いていくと答えた。朱建栄は、中国の反発などは交渉の一環である、例を挙げれば台湾とも前提の違いを出発点に交渉を続けていると答えた。藤崎一郎は、中国が仲裁裁判を受けなかったのは義務違反であり大国として残念な対応であると答えた上で、日本の動きについて日中関係とは別に毅然とした対応をしていくはずと答えた。神保謙は、中国にとってはフィリピンとの2国間交渉を行っていくことが求められることがジレンマとなったと答えた。

南シナ海をめぐる中国とフィリピンの協議についてトーク。朱建栄は中国の態度について聞かれ、中国は国際法がアメリカなどに有利であるとして反発している、南シナ海などでの軍事演習は中国国内向けであり諸外国とは建設的な外交を進めていると答えた。藤崎一郎は中国の国連海洋法条約の受け止め方について聞かれ、中国は先進国でないと主張しているがすでに大国である、慎重に対応すべきと答えた。

中国は仲裁裁判の判決後、爆撃機などをスカボロー礁に飛行させる、南シナ海の艦隊に補給艦を展開させるなど軍事的動きを強めた。興梠一郎は軍事的行動を強める姿勢について聞かれ、アメリカとの交渉と中国国内へのアピールのための施設建設を今後も継続して進めていくはずと答えた。神保謙はアメリカの動きについて聞かれ、中国は今後も埋め立て活動の継続を表明している、フィリピンの米軍基地を脅かす基地建設に対してはアメリカも緊張することになると答えた。大庭三枝は、中国は主権をめぐる問題については厳しい、投資などについては逆に周辺国を支援しているという二面性があると答えた。シルクロード経済圏の振興を目指す「一帯一路」政策についても言及した。

中国の海洋進出の今後について、朱建栄は実際の軍事活動は施設の最低限の防衛にとどまる、アメリカとの駆け引きの材料として使われていくなどと答えた。藤崎一郎は、南シナ海は世界の貿易船の3分の1が通る場所であると指摘し、ASEANが策定を目指す「COC」(南シナ海に関する行動規範)の策定に中国が協力すべきなどと述べた。神保謙はアメリカも大統領の交代を控えており行動が安定していないと問われ、埋め立て阻止のため海上を封鎖するほどの覚悟はない、航行の自由を確認するための行動にとどまると答えた。興梠一郎は、裁判によって周辺国が行動規範を整理するようになった、注目を集めること自体が中国にとっては打撃になると答えた。

大庭三枝は今後のASEAN外相会合の行方について聞かれ、ASEANは共同声明でCOCを求める姿勢などを表明している、今回も声明の行方が注目されると答えた。朱建栄は中国の動きについて聞かれ、中国は周辺を脅かす意図はない、アメリカがもっと立ち入った態度をとるまで動くことはないと答えた。藤崎一郎は日本の立場について聞かれ、中国当局が冷静な考えを持っているとは思えない、戦前戦後の日本のような軍事増強・環境軽視に陥る懸念があると答えた。

中国の強硬な態度の裏には、中国国内で経済成長が減速していることが挙げられる。興梠一郎は、経済が減速しており当局が強烈な愛国精神の鼓舞に訴えていると答えた。神保謙は、中国は軍事を増強させておりその矛先として南シナ海が重視されている、軍事的な合理性として南シナ海の支配を今後も進めることになると答えた。大庭三枝はASEANの動きについて聞かれ、小国ならではのしたたかな外交を各国が続けている、中立的だったインドネシアが強硬策に転じるなど態度を変えている国もあると答えた。朱建栄は中国経済の見通しについて聞かれ、成長は減速しているが現在も年6.7%の成長を続けている、今後は発展モデルが通用しなくなり国際協調が求められると答えた。藤崎一郎は「中国の夢」の実体は当局の体制維持にある、来年の党大会に向けて波風を立てない外交が続いていくと答えた。

今後の中国をめぐる国際的な動きを紹介。きょうからASEANにおける一連の外相会議がラオスで行われる。9月には中国でG20サミット。11月にはアメリカ大統領選が行われる。日本は年内までに日中韓首脳会議を予定。大庭三枝はASEANの会議の注目点について聞かれ、カンボジアが中国の支持を表明しており周辺国との調整が求められると答えた。神保謙はアメリカの立場について聞かれ、ASEANの団結はアメリカにとってプラスになると考えていると答えた。興梠一郎は、中国は法の支配を認める発言を対外的に行っている、中国国内では弾圧を行っており姿勢が外に表れているとみられると答えた。藤崎一郎は、日本が尖閣諸島に対して防衛行動をとらないようにある程度の自制が求められると答えた。朱建栄は、中国が平和路線を堅持することは変わらない、中国は仲裁裁判について人の住む島も「岩」と判断されたなどの矛盾を指摘していると答えた。

アメリカの中国に対する動きには、アメリカで大統領選挙が行われるまでアメリカの態度が固まらないという事情もある。神保謙は大統領選挙の行方について聞かれ、外交に照らすと民主党のクリントン氏は外交政策が予想できるが共和党のトランプ氏は予想できないという問題があると答えた。大庭三枝はASEANの受け止め方を聞かれ、小国にとってはアメリカに強く出られるのも困るがいなくなってしまうことも困ると答えた。興梠一郎は中国のアメリカに対する考えを聞かれ、民主党のクリントン氏は人権問題を突っ込まれるなどの不安要素がある、共和党のトランプ氏はアメリカ第一主義が中国とぶつかる可能性もあると答えた。藤崎一郎は、政権交代は振り子のようなもので大局観をもってあたる必要があると答えた。

最後に、今後の中国と世界各国がどう向き合うべきかを聞く。大庭三枝は、中国の強硬な立場は日本のみならず各国に不利益を与える、日本は国際外交を主導して粘り強い交渉にあたる必要があると答えた。朱建栄は中国が態度を変える可能性について聞かれ、中国の発展は国際社会から得た利益であるとの認識があるはず、国際法の遵守などを重視し孤立することはないと答えた。また日本に対して経済は失速していると騒ぐべきでないと述べた。神保謙はアメリカの動きについて聞かれ、アメリカに対しては「核心的利益の相互承認」として南シナ海の自国の利益を認めるよう求めたがアメリカは拒否している、中国には自国の問題を管理していくことが求められると答えた。興梠一郎は中国の姿勢について聞かれ、中国は民主化されたとはいえず国際的混乱の原因となっていると答えた。藤崎一郎は、仲裁裁判の決定を風化させないこと、南シナ海に力の空白を作らないことの2つが求められると答えた。

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キーワード
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