NHKスペシャル 平成史 第7回「自衛隊 変貌の30年〜幹部たちの告白〜」

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2019年4月20日(土) 21:00~21:50
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
21:00~

オープニング映像。

平成の30年で、その姿を大きく変えた自衛隊。今回は、その内幕を語る膨大な証言と記録を入手。自衛隊変貌の分岐点に何があったのか。30年の知られざる歩みから未来を読み解く。

テーマ音楽:千住明、演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

キーワード
自衛隊
海上自衛隊
陸上自衛隊
かが
テポドン1号
能登半島沖不審船事件
千住明
東京フィルハーモニー交響楽団

自衛隊 変貌の30年 (ニュース)
21:04~

社会部防衛担当デスク・吉田好克記者は、取材を始めた20年前は海外派遣や米軍支援など自衛隊は任務を拡大していった時期と重なると振り返る。集団的自衛権の行使が可能になるなど自衛隊の活動を広げるための法整備も進んだという。今月1日に退任した自衛隊トップの統合幕僚長のスピーチを紹介した。

連戦が集結した1989年に始まった平成。日本が初めて国際情勢の変化に直面したのは、いわゆる朝鮮半島危機だった。北朝鮮が密かに核やミサイルを開発していたことが表面化し、朝鮮半島で米軍が軍事行動を起こす可能性が高まった。98年には、弾道ミサイルを発射した北朝鮮に対する警戒が急速に強まった。それは、自衛隊にとって抑止力として存在すればよかった時代から、実際に武器を使用する時代への転換を意味していた。

今回、海上自衛隊が初めて武器の使用を命じられた「能登半島沖不審船事件」の記録を入手。事件は、2隻の北朝鮮の不審船が日本の領海内に侵入したことから始まった。船には武装した工作員が乗っていることが疑われた。海上保安庁は威嚇射撃を行ったが、不審船は猛スピードで逃走し、海上保安庁の船を引き離したことから、対応できるのは共に追尾していた自衛隊の護衛艦だけとなった。記録を残した当時の海上幕僚長・山本安正氏は、防衛庁長官室で指揮にあたった緊迫の舞台裏を書き留めていた。不審船を停止させるため、史上初の海上警備行動が発令。初めての武器使用は不審船の周囲への警告射撃だった。山本氏は、自衛隊に対する国民の視線を強く意識していたという。警告射撃は12回行われたが、山本氏は最後まで船体に向けた実弾射撃を最後まで許可しなかった。

記録には、積極的な対応を求める防衛庁長官の発言も残されていた。当時、立入検査実施を強く主張したのは当時の防衛庁長官・野呂田芳成氏だった。野呂田氏は、海上警備行動が戦争につながるという世論がある一方、自衛隊が威嚇のみを行っているのを見た国民が「やっぱり国は守れない」と思うと、当時の判断について語った。この時、現場の指揮官として不審船の追跡にあたったのが、吉川榮治氏。当時、海上自衛隊は立入検査を具体的な任務として想定しておらず、防弾チョッキも用意していない中、立入検査に備えて集めた隊員の顔が忘れられないという。結局、不審船は北朝鮮へ逃走。立入検査も実施されることはなかった。事件後、海上自衛隊には一部の国民から厳しい声が届いた。自衛隊に強行な対応を求める声があることに、山本氏は戸惑ったという。

安全保障環境によって、その姿を変えた自衛隊。その背後で、常に大きく影響していたのは同盟国アメリカとの関係だった。91年の湾岸戦争で日本はトラウマを抱えた。部隊派遣を見送ったことで、アメリカから激しい非難を浴びたのだ。アメリカ軍は朝鮮半島で有事が発生した場合、直接支援するよう日本に強く求めるようになった。自衛隊とアメリカ軍との間で極秘の交渉も行われていた。その窓口になった陸上自衛隊の元幹部・山口昇氏が、取材に応じた。1999年には、アメリカの求めに応じ、同盟国への支援の方法を根本から変える周辺事態法が成立。日本が直接攻撃されていない場合でも、自衛隊はアメリカ軍の作戦に協力することが可能とされた。

同盟国の中枢が攻撃された2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ。自衛隊は、テロとの戦いに乗り出すため、横須賀を緊急出港した空母キティホークの護衛を行った。キティホークが攻撃された場合、自衛隊が対処すれば集団的自衛権の行使にあたるとして、批判の声が挙がった。しかし、政府は警戒・監視活動だとしてあくまで護衛ではないと説明した。今回、作戦を中心になって進めた香田洋二氏が取材に応じた。香田氏は、アメリカ軍から直接依頼され、事実上の護衛を決断していた。この時、自衛隊幹部が最悪の事態として想定していたのは、9.11と同様のケースだった。当時の防衛事務次官・佐藤謙氏も、すぐに同意していたことを明かした。しかし、現場の自衛官にとって護衛は、武器使用も含む任務を意味し、かつては想定しなかった判断を迫られていた。一方、自衛官に支援を依頼したアメリカ軍の幹部のロバート・チャプリン氏が取材に応じた。自衛隊の行動が憲法で制約されることを知っていた元司令官は、海上自衛隊の行動を高く評価していた。それから14年後の2015年、安全保障関連法が成立し、アメリカ軍の艦艇などの防護は平時から可能とされた。

イラクが大量破壊兵器を保有しているとして戦争に踏み切ったアメリカ。日本は再び率先してアメリカへの支持を表明した。開戦から4か月後には特別に法律が作られ、復興支援のため自衛隊のイラク派遣が決まった。当時の官房長官・福田康夫氏は、他の主要国が協力的でない中で、アメリカの日本に対する期待が非常に高まっていたことを明かした。しかし、大規模戦闘が集結したとされたイラクではテロが頻発。戦闘地域への派遣は憲法に抵触するおそれがあるため、政府は自衛隊が行くのは非戦闘地域だと説明した。

部隊の派遣が正式に決まる前に準備のためにイラクに入った自衛隊員の日記を紹介。隊員はそこで、日本人が襲撃される事件に遭遇し、非戦闘地域という言葉とは裏腹に戦死への備えを迫られていく過程が記されていた。自衛隊は今後、非戦闘地域とされた場所で犠牲者が出ることに備えなければならないという矛盾に直面していた。今回、この隊員の報告の後に自衛隊内部でまとめられていた“R”と呼ばれる計画の内部資料を入手。自衛隊史上初めて、戦死を想定した詳細な計画を立てていたことが明らかになった。当時の陸上幕僚長の先崎一氏は、“R”の存在を初めて認めた。2004年7月からイラクで部隊を率いた田浦正人氏が当時の活動を記したメモには、宿営地への迫撃砲の弾着など現地の生々しい実態が残されていた。国が法律で非戦闘地域と定めた場所での任務。その説明と矛盾しない結果が求められると強く感じていたという。当時のイラク多国籍軍司令官のジョージ・ケーシー氏は、イラクで目にした自衛隊は紛れもなく軍事作戦を行う組織だったと語った。一人の犠牲も出さずに活動を終えた自衛隊だったが、田浦氏は危険な任務の内実が共有されていないのではないかと複雑な思いを抱き続けてきたという。

2012年から派遣された南スーダンPKOでは、宿営地近くで大規模な武力衝突が起き、遺書を認めた隊員もいたほど、自衛隊は苛烈な任務を経験した。しかし、政府は法的な意味での戦闘行為はなかったと説明。さらに、現地の実態を記録した日報が隠蔽され、国民は意図的にその内実から遠ざけられた。この4月まで統合幕僚長を務めた。

この4月まで統合幕僚長を務めた吉田好克氏は、日報の隠蔽について「国民のみなさまにお詫びするしかない」、「隠蔽は根本的なダメージなる。このことは自衛隊員、自衛官は認識を新たにしてもらいたい」と語る。そして、「国民に顔の見える自衛隊であってほしい。国民の信頼を得るためには常に謙虚な姿勢、慢心しない」とも語った。

福田康夫氏は、“非戦闘地域”という表現について「かなり苦しい表現。法律として国会で議論するにはふさわしくない条項だったと思う」と振り返る。そして、法律が国会を通過した頃、皮肉にもテロ活動が活発になる状況になったという。福田氏は「我々の見通しが甘かったと言えばそうだったかもしれない」と語り、「憲法の枠は崩せるものではない」、「憲法を犯さないで、そしてどこまでできるかという、ぎりぎりの所をやってきた。そういう思い」と述べた。

時代の変化にいち早く直面した海上自衛隊の広報室。海上自衛隊は去年末、公式ツイッターに韓国軍にレーダー照射されたP-1哨戒機の写真を投稿した。日本と韓国の対立が深まる中での投稿に対し、煽るようなコメントも少なくなかった。陸上自衛隊は各地で新たな任務に向けた訓練に取り組んでいる。その指揮にあたっているのは、田浦正人氏。専守防衛の原則は変わらぬ一方で、装備の拡充は続けられている。

テーマ音楽:千住明、演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

キーワード
自衛隊
集団的自衛権
防衛省
河野克俊前統合幕僚長
海上自衛隊
能登半島沖不審船事件
野中広務官房長官(当時)
湾岸戦争
周辺事態法
アメリカ同時多発テロ
小泉純一郎首相(当時)
キティホーク
中谷元防衛庁長官(当時)
ケンタッキー州(アメリカ)
安全保障関連法
PKO
イラク支援法
バグダッド(イラク)
国連
岡田克也
民主党
小泉純一郎
外務省
かが
P-1哨戒機
滝川駐屯地
千住明
東京フィルハーモニー交響楽団

番組宣伝 (その他)
21:49~

「NHKスペシャル」の番組宣伝。

大河ドラマ「いだてん 東京オリンピック噺」の番組宣伝。

MLB・アメリカ大リーグ ロイヤルズvs.ヤンキースの番組宣伝。

BS1スペシャル「北島康介がみた日本水泳」の番組宣伝。

  1. 前回の放送
  2. 4月20日 放送
  3. 次回の放送