NHKスペシャル 東日本大震災「“26兆円” 復興はどこまで進んだか」

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2016年4月12日(火) 2:03~ 3:03
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
02:03~

東日本大震災後、国は集中復興期間として前例のない復興に取り組んできた。総額26兆円の復興予算の内訳の詳細は分かっておらず、財務資料から分析した結果、約1500の事業の全体像を明らかにした。

キーワード
東日本大震災
集中復興期間

東日本大震災「“26兆円” 復興はどこまで進んだか」 (バラエティ/情報)
02:07~

東日本大震災から5年が経った宮城県女川町は昔とは大きく違う姿が見られる。人口も大幅に減少し、女川町では37%が減った。復興予算26兆円の詳細を知ることで将来の巨大災害など日本が抱える問題のヒントが隠されていると伝えた。

東日本大震災の復興予算26兆円の詳細の内、最も割合を閉めるのは公共土木施設等の災害復旧であり防潮堤の復旧などは現在84%、道路は90%以上しており街の人も復旧はしていると話す。しかし、宮城県南三陸町にある折立漁港は2億7349万円を使用し復興したが現在人の姿は殆ど無く地元の漁業組合を訪ねると震災前は47人いたが今は僅かであるという。宮城県142箇所全ての漁港の復興が行われているが漁業就業者数は3分の2まで減っている。南三陸町の佐藤仁町長は住民が他の地に移ってしまうことを懸念していた。昭和22年のカスリーン台風が起きた当時は人口が多くインフラ整備も整っていたために復興は順調に行われていたが震災後はそうはいかなかったという。

東日本大震災の被災者の移住について復興予算の内1兆7756億円が高台移転・災害公営住宅の整備に使用されている。津波で浸水した地域は住宅の再建が制限されており岩手県・宮城県・福島県の3県の723箇所でかさ上げ・高台移転・災害公営住宅の建設などが行われた。計画の進捗状況によると全体では45%であり気仙沼市では23%となっている。市は計画作成まで2年がかかり工事が始まっても順調に行くことはないという。佐藤則文さんは母を介護するため仮設住宅から仮設住宅に移転し5年が経ったという。また1422の空き家も出てきており気仙沼市の菅原市長は計画の遅れについては申し訳ないと思っていると語った。その中、岩手県大船渡市では空き地を使用して宅地にすることでより早い再建が行えたという。

復興構想会議で議長を務め五百籏頭眞さんは安全なまちづくりを勧めるべきだと提言していた。5年たった今では国民が増税を受け入れたのが大きかったと話す。インフラ整備だけでは人口減少を止められないことが改めて現実となり分かったと伝えた。

この後は徹底データ分析・産業は変わったか

続いては「産業の振興・雇用の確保」。国は過去にない手厚い対策を予算に盛り込んだとしているが、取材では課題も見ることができた。5兆円の関連予算のうち「中小企業組合等共同施設等災害復旧事業」、通称「グループ補助金」は民間企業に直接国費を投入する事業と指摘されている。対象のグループは638、支援を受けた企業は1万社あまりにのぼった。

「グループ補助金」の支援を受けた岩手県の建設会社を取材。震災では津波で本社が全壊、建設機材のほとんどが流された。24社でグループを作り、「大船渡・陸前高田地域事業再生プロジェクト」として補助金の交付を受けた。復旧費用の4分の3が交付され、同社では1億5000万円あまりを受け取った。その後は復興関係の工事受注が相次ぎ、売上は震災前の6倍に達したという。

「グループ補助金」の効果をあげた別の企業を取材。あるホテルでは震災前に借金が残っていたが、補助金で建物を復旧し営業を再開。震災関連の宿泊客で1年先まで予約が入ったという。

被災3県の3万社に対するある信用会社の調査では、全体の61%が売り上げ増加・回復となったが、業種別では土木や工事といった復興需要に直結する業種に回復が集中。水産関連などかつての基幹産業は逆に7割で売り上げ減となった。

「グループ補助金」から水産業の事例を紹介。「石巻水産業復興グループ」は199社からなり、グループ最大の356億円の補助金が認められた。わかめなどの加工を行う企業では施設を復旧させたが、半分が稼働していないという。同社の社長は被災直後にも取材に答え、施設さえ回復すれば業績は回復すると期待を語ってくれた。震災では多くの取引先を失ったほか、従業員の流出などの現実にも直面したという。

「グループ補助金」で復興した建設業界でもかげりが見えているといい、復興の工事は5年で打ち切られることから今後は受注が減り、社長は従業員を減らすことも検討しているという。

「産業の振興・雇用の確保」の予算5兆円から、人や技術への支援の予算を紹介。「企業に対するハンズオン支援事業等」は、新たな事業の開拓を目的として2億5400万円が投入された。宮城・気仙沼市の水産加工品企画販売会社は独自のブランド化と販売が認められ補助を受けた。市場調査や経理などの専門家が予算を受け取り、企業は専門家から助言を受けることができる。会社は半年間のアドバイスを受け、商品を絞って開発するなどのアドバイスを受けたという。女性向けのデザインのかまぼこづくりには水産加工会社も関わった。

仙台市では先月、復興予算を受ける団体など360の企業が集まり交流会を開いた。新設される法人の数は震災前の1.5倍に達するなど、被災地で事業を起こす人は増えているという。

復興予算について、復興構想会議の中心メンバーだった飯尾潤さんに効果への評価を聞いた。お金だけでは復興を進めるのは難しいと気づいた、今後5年間はハードからソフトへ支援の対象が移行していくなどと答えた。取材を振り返り、設備の復旧は効果があったと思われるがその後の企業の復活には開きがあった、人やノウハウの支援には一定の効果がみられたとまとめた。

次は「生活を支える予算は?」。背景は岩手・山田町の震災直後と現在の映像。

復興予算ではNPOなど民間団体への資金投入も初めて本格的に行われた。復興予算26兆円のうち「被災者支援」は2兆5000億円、このうちNPOの活用できるものは13事業・592億円にのぼる。

宮城・石巻市のNPO法人「移動支援Rera」を取材。仮設住宅に住む高齢者などを病院に送り届けるボランティアを行っており、利用者は2キロ100円で乗ることができる。復興予算から453万円の支援が行われた。

NPOへの予算投入の背景には、阪神・淡路大震災など過去の震災への教訓があるという。過去の震災では資金難で解散するNPOが多かったことから、国が復興の基本方針にNPOの活用を加えて予算を投入。被災3県では5年間で796のNPOが生まれた。

宮城・南三陸町から、子どもたちへの支援を行うNPO「キッズドア」を紹介。小学校で放課後の学習支援を行っている。自宅が被災した生徒も多く、家で勉強できないことなどから学力の低下が懸念され、学校が支援の受け入れを決めた。ある生徒は仮設住宅に家族7人で暮らしているといい、家ではひとつの机を兄弟3人で使っている、幼い姉妹2人も寄ってくると答えた。NPOでは活動が厳しい状況にあるといい、育成目的の事業は今年度で廃止されることから年間440万円の補助が打ち切られるという。

同様のNPO31団体へのアンケートでは、資金が不足しているとの回答が9割近くにのぼった。「キッズドア」の担当者は、資金を確保しながらの自転車操業が続いていると答えた。取材した生徒はその後高校に合格した。

5年間の復興予算について、国と自治体の責任者に聞いた。宮城・南三陸町の佐藤仁町長は、人口減少に直面しており新たな町の姿を描きながら町づくりを行う必要を感じていると答えた。

復興庁の岡本全勝(まさかつ)事務次官は、復興予算には想定していなかった部分があった、例えば高台移転では想像を超える時間と予算がかかった、南海トラフ地震や津波なども想定した議論も必要になったと答えた。

復興予算は5年間の26兆円に加え、今後5年間で6兆5000億円の投入が予定されている。活用の実態を振り返り、予算は効果に応じた見直しが必要、震災が起きる前から街の再生を想定しておくことも求められるなどとまとめた。

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南海トラフ地震

エンディング (その他)
03:00~

エンディング映像。この放送は「NHKオンデマンド」でも配信。

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