NHKスペシャル 巨大災害 第4集▽“連続大地震”〜見えてきた日本列島の大変動

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2016年4月3日(日) 21:00~21:50
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
21:00~

宮城県石巻市の鮎川漁港では、5年前の巨大地震で沈んだ港の岸壁がいま隆起し続けるという不思議な現象が起きている。同じような異変はさらに広い範囲に及ぶことが宇宙からの観測で見えてきた。その原因は地球内部のマントルにあることがわかった。今何が起きているのか最新の研究で迫っていく。

キーワード
石巻市(宮城)
マントル
隆起

巨大災害 日本に迫る脅威 地震列島 見えてきた新たなリスク (バラエティ/情報)
21:04~

岩手・宮古から大型の調査船が出港した。いま東北では巨大地震のあといったん沈んだ地盤が急激に隆起するという変化が起きている。日野亮太教授は巨大地震前から東北沖の海底に地震計や水圧計を設置し地盤の動きや地震の揺れを観測してきた。2011年3.11後に観測装置を回収すると、そこには巨大地震の2日前から海底の地盤が数センチ隆起し地震の前兆だということがわかっていた。だが事前にデータを活かすことが出来なかった。また、東北の沖合では予想外の海底のプレートの動きがあることがわかった。

奇妙な地盤の隆起、予想外の海底の動き、こうした現象は次の地震の兆候なのか。巨大地震が起きた時、ロシアや中国でも地盤が動いていたという。そして今も地盤は動き続けている。地球の中心にあるマントル。マントルはゆっくり対流しており、地表の近くではプレートとともに年間数センチの速さで動き続けている。マントルには粘弾性があり、地震で動いたプレートに合わせようとする動きが今も続いていると日野は見ている。日野は「粘弾性に起因する変形はふだんなかなか観測できない。そんな大きい量ではない。今回の地震はあまりに大きかったからそれが顕在化して観測に引っかかっている。マントルの粘弾性の効果を含めると説明がつくのかもしれない 」と語った。日野たちはマントルの影響で地震の危険性が高まるところとして、隆起している陸側のプレートと、引き伸ばされている海側のプレートだという。懸念されるのは本州の内陸の地震と沖合の海底で起きる地震で、高い津波を伴う恐れがある。日野は「(巨大地震の)規模が非常に大きい、それが何を起こしたかということ。その顛末は地球に対してかなり大きなインパクトを及ぼしている。そこで継続して観測を続けるデータを取り続けることが、もうひとつ我々に課せられている重要な使命だと思っています」と語った。

今日本で次の巨大地震が一番警戒されているのが南海トラフ。国は最大マグニチュード9の巨大地震が起こると想定している。最悪の場合、死者は最大33万人にのぼるとされている。歴史に残る被害の記録から南海トラフでは昔から地震が起きてきたことがわかる。その間隔は約100年~150年。最後に起きたのは1946年の昭和南海地震で、20~30年のうちにも次の巨大地震が起きるとされている。

過去、繰り返し大きな地震に襲われてきた日本。1995年の阪神・淡路大震災では活断層が表れた。これをきっかけとして活断層を手がかりに次の地震を探る研究が本格化する。全国で確認された活断層はおよそ2000にのぼる。ところが活断層が確認されていない地域で地震が相次ぐ。2004年の新潟県中越地震、2008年の岩手・宮城内陸地震がそれにあたる。そしてGPS観測によってあらたなリスクが浮かび上がっている。

去年10月、山陰地方で不気味な地震が相次いだ。鳥取県で三日間で震度4の揺れが3回観測され、身体に感じないものもを含めると400回を超える地震が発生したという。地震が起きたのは活断層が確認されていない地域だった。この地震に注目している京都大学の西村准教授はGPSで地盤の動きを確認し「山陰地方でかなり東向きに動いている」と語った。西村は「GPSのデータはまさに今我々が生きているこの瞬間の動きを表している。そこで地震がどれだけ起こりやすいか一つの目安ができると思います」と語った。西村が16年前に発表した論文で宮城県沖で発生する地震が想定よりも大きくなる可能性があるとしている。しかしマグニチュード9に及ぶ巨大地震を予測することはできなかった。あれから5年各地に新たなGPS観測点を設置してきた。去年相次いだ地震の震源付近では少し前から地盤が少しずつ動いていたが、その動きの差などのデータから地盤が大きく割れているところがあるのではないかと西村は推測した。西村は「そういう場所では回りに比べて内陸地震のリスクであったり大きい地震が起こる可能性が高いと言えるのではないか」と語った。

西日本はこれまで同じ一枚のプレートに載っていると考えられてきた。そのプレートは海側から北西の方向に押され続けている。ところが同じプレートでも地盤の動きは様々で、過去に起こった地震の震源のデータを重ねると、複数のプレートに分断されている可能性が浮かび上がってきた。1891年の濃尾地震では長さ80kmの活断層が最大8メートルずれ動いた。そこはプレートのブロックのさかい目と考えられる。ブロックのさかい目はこれからどこで大きな地震が起こるか見極めるのに新たな手がかりになる可能性がある。西村は「活断層が無いから安全だと思っていた場所でもこういう地殻変動を通して見るとブロックの境界が引かれる場所もあります。そういうところには注目してほしい、注意してほしい」と語った。

プレートがいくつものブロックに分かれているという説は世界でも研究が進められている。ハーバード大学のブレンダン・ミード教授は「従来のプレートの考え方はデータが乏しい時代に作られた。見直しが必要です」と語った。アメリカの西海岸も陸側のプレートが細かいプレートに分かれていると考えられる。アジアのプレートも細かいブロックに分かれており、2008年の四川大地震もブロックのさかい目で起きたとされている。ブレンダン・ミード教授は「ブロックのさかい目は関東を横切り日本列島を複雑に分断しています」「GPSデータによってプレートの本当の姿がようやく見えてきました。日本の地盤は特に複雑でブロックのさかい目ではどこでも大地震が起きるおそれがあるのです」と語った。

この5年間科学者たちは次の次の南海トラフの巨大地震を予測するため研究を急いできた。人工的に大きな振動を発生させる装置「エアガン」を用いて、海底から反射してくる振動をとらえることで巨大地震が起きるプレートの詳細な姿を明らかにしてきた。こうしたデータを元に南海トラフの巨大地震を研究している海洋研究開発機構の堀高峰グループリーダーは2011年3月9日に岩手で起こった地震について「マグニチュード7の地震がこちらで起きたので、そのあと南側や周りにどのような影響を及ぼすか気にしていました。事前に何も発言できなかったことがいちばん大きなショックだった。事前にどれだけどういうことが起こりうるかを検討しておけるかが大事だと、大きく学んだことの一つ」と語った。

堀は南海トラフでも周辺で起きた地震に誘発されて、巨大地震が発生するのではないかと日向灘に注目した。1968年には日向灘地震が起きており、数十年ごとに大きな地震が起きている。そしてスーパーコンピューターでシミュレーションを行うと日向灘の地震に誘発されると地震の発生間隔が半分程度になるという結果が出た。堀は「今まで南海トラフの地震は規則的に起きてきたと思われていた。シミュレーションから過去に起きたものではないパターンも見えてきている。そういう多様性をしっかり検討していく必要がある」と語った。東京大学の古村孝志教授は「東日本大震災が起きる前と後で研究や努力をすればはっきり分かる面、しかしどうしても自然界の複雑さで分からない面、この両方があることがわかってきた。これをはっきりさせてそのうえで事前の準備をしておく。対策をとることは重要だと思います」と語った。

アメリカシアトルに降り立った東北大学の日野亮太教授は東北の震災の津波で流されてしまった地震の観測装置を回収した。そこに収められた水圧データにより津波の高さなどが分析できる。

西村教授は徳島県の伊島を訪れ、新たに観測スポットを設営した。 この島は西村が考えるブロックのさかい目のすぐ傍にある。西村は「どんどん次の地震に向かって時計の針が進んでいる。そういう状況を我々は今観測している。こういう観測は長く続けていけば地震の本質に迫れるのではないか」と語った。堀高峰は「非常に貴重なデータがいま蓄積されていくところなのでこういったものをきちんと生かしていく必要がある。社会の対策につながるように結びつけていきたい」と語った。

キーワード
宮古市(岩手)
ウラジオストク(ロシア)
東日本大震災
隆起
南海トラフ
マントル
阪神・淡路大震災
新潟県中越地震
岩手・宮城内陸地震
GPS
濃尾地震
ハーバード大学
四川大地震
海洋研究開発機構
かいれい
東京大学
日向灘地震
日向灘
シアトル(アメリカ)
伊島

エンディング (その他)
21:48~

エンディング映像。

NHKオンデマンドの案内テロップ。

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