NHKスペシャル 老人漂流社会「親子共倒れを防げ」

『NHKスペシャル』(エヌエイチケイスペシャル)は、NHKのドキュメンタリー番組。略称は「Nスペ」。単発のドキュメンタリーを制作・放送していたNHK特集に代わり、1989年4月2日放送開始。原則、毎週日曜日の21:00 - 21:50に放送するが時間枠を拡大したり他の曜日・時間に放送することもある。再放送は、火曜・水曜深夜。多くはハイビジョン放送である。本項では前身である『NHK特集』(エヌエイチケイとくしゅう)についても記述する。

出典:goo Wikipedia

放送日 2015年8月30日(日) 21:00~21:49
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
21:00~

今年1月、岩手県の農村で親子2人が自宅で遺体で見つかった。介護のために仕事をやめた息子と母親の収入月8万円が頼りの厳しい暮らしをしていた。今働き盛りの世代が高齢の親の収入を頼って同居するケースが増えている。総務省は危機感をかかえていると話す。

老人漂流社会 親子共倒れを防げ (バラエティ/情報)
21:03~

年金だけでは暮らしていけず医療や介護の費用を切り詰めるなど、ぎりぎりの生活を送っている高齢者の実態を老後破産とよび取材を続けていると話した。取材を続けると支えてくれるはずの家族がいる高齢者が老後破産に陥るケースが増えていることが分かった。背景にあるのは働く世代の所得が減り続けているという事。

北海道札幌市はバブル崩壊以降、就職難が続き若者が仕事を求めて東京や大阪などに流出してきた。急速に高齢化が進んでいる古い団地が立ち並ぶ厚別区では、仕事を失った中高年が、親を頼って戻り始めている。80歳の安田義昭さんは45歳の息子が戻ってきたため、生活が厳しくなった。昭男さんは高校卒業後、親元を離れ職を転々としていたが、勤め先をリストラされ去年12月に親元に戻ってきた。今昭男さんは荷物を運搬する日払いの仕事をしているが、不定期で収入は安定しない。この仕事も打ち切りが決まり、父親に頼らざるをえない。息子と同居する前、義昭さんは月9万の年金だけでは余裕がなく、生活保護で家賃や医療費の免除を受けていたが、息子の昭男さんが戻ってきたことで、息子さんの収入があるとみなされ生活保護が廃止され、生活が苦しくなった。

義昭さんは定年までタクシー運転手をしていた。妻と離婚し男手一つで息子を育て上げた。老後は息子がいれば心配ないと考えていた。義昭さんは4年前脳梗塞を患い、血圧を抑える薬だけでも毎日飲まなければならないが、月3000円の医療費すら払うお金がないという。昭男さんは失業だけでなく、父親の体調を心配したため同居を決めた。しかし、父親の生活を支えられず、最低限の生活をするだけで精一杯だという。義昭さんはいつ倒れるか分からないため、昭男さんと同居したいと考えているが、同居を続けると生活が追い詰められていく現状がある。

厚別地区の団地でアンケートを行った所、高齢者がいる世帯にこれまでに無い変化が起こっていることが分かった。高齢世帯の内子どもと暮らす世帯が20%おり、さらにその40%の生活資金は年金だった。

アンケートに答えた家族、4人で過ごす掛川さん一家を取材。共働きで子どもを育て上げた夫婦は穏やかな老後が待っていると思っていたが、30代後半になった子どもたちは結婚をせず非正規の仕事をしている。こうしたことから70歳を過ぎた掛川善治さんは仕事を辞められない。「悲しながらも生きていかなければならない、生きている以上は」とコメントした。母の掛川幸子は「どうなるんだろう、夢に見ることがある。お金が全然なくなる夢。希望なんてない」と胸中を語った。

放送大学教授・宮本みち子さんは「約20年の日本の景気低迷の総決算みたいな光景」だとコメント。共倒れの状態を放置すると老後の生計が成り立たない、老後の負担を行政が負うことになる。税金で親子をサポートする時代をわかっていながら放置している。と説明した。

青山学院大学・榊原英資さんは正社員と非正規で働く人の所得の格差を問題視している。「日本の平均賃金は20年下がり続けている、最大の原因は非正規雇用の増加、国が非正規雇用の人達を救済することは可能」と説明した。

胆江日日新聞の記事を紹介。2015年1月14日の胆江日日新聞の記事を紹介。高齢の母を介護していた無職の息子と母親が遺体で発見された。体調が悪くても病院に行く暇がなかった息子は突然倒れそのまま亡くなった。その後、寝たきりの母親も助けを呼ぶことが出来ず凍死した。

義弟の佐藤稔さんは親子が暮らしていた家を案内し、当時の状況を語った。東京に住む佐藤豊さんは自分の生活に精一杯で離れて暮らす2人を心配をする余裕はなかった。経済的な事で相談はありましたか?と質問されると「それはなかったです、いつも元気よく頑張れよと言っていた」と説明した。

取材を進めると周囲に助けを求めていなかったこともわかった。幼なじみの佐藤邦憲さんは当時の写真を見せながら「お互い知っている間柄だから自分のことをさらけ出したくない、我々には介護の愚痴は全然なし」と語った。

母親が自力で歩くことができなくなり、武さんが50代で仕事を辞めたのをきっかけに生活が苦しくなった。介護にかかる費用を支払う余裕がなく、おむつの交換やシーツの取替えはすべて武さんが担っていた。武さんは亡くなって初めて、重い肝炎を患っていたことがわかった。

社会福祉協会は息子が母親の介護をしていることは把握していたが、深刻なケースだとは思っていなかった。佐藤豊さんは「もっと話をしておけばよかった、実際に帰っておけばよかった」と、今も悔やみ続けている。

鎌田靖は「介護のために仕事を辞めたり、転職したりする人は毎年、およそ10万人に登る。親の側にいたいと思い仕事を辞めて介護に専念したことが結果的に2人を死に追いやったとすれば家族というのはいったいなんなんだろう、と考えてしまいます」とコメントした。

国は今年4月“生活困窮者自立支援制度”をスタートさせた。これまで行き届かなかった就労支援などを進めている。

東京・大田区にある地域包括支援センターで行っている世帯分離について紹介。親には生活保護を、子どもには就労支援をして自立を促している。職員は世帯分離を進めるため鈴木隆のもとを訪れた。後日、職員が訪れると目眩を起こし倒れ寝込んでいた。高齢者施設への移転が決まった鈴木さん、区では生活保護の手続きも進める方針。

世帯分離による支援は生活保護の制動上やむを得ずとっている策である、と説明。放送大学・宮本みち子さんは「生活保護制度の欠陥」と説明し、生活困窮の場合は生活保護を受給し子どもと同居することを推進した。

鎌田靖は「自立出来ず親と同居せざるを得ない子どもが増えている。老後破産は高齢者だけの問題ではない」と説明した。

キーワード
老後破産
札幌市(北海道)
放送大学
青山学院大学
胆江日日新聞
水沢区(岩手)
生活困窮者自立支援制度
地域包括支援センター
大田区(東京)
世帯分離
鈴木隆
生活保護

エンディング (その他)
21:48~

エンディング映像。

スポット

この番組で紹介されたアイテムは登録されていません。
  1. 前回の放送
  2. 8月30日 放送
  3. 次回の放送