時論公論 「このまま再稼働に進むのか 東海第二原発」水野倫之解説委員

放送日 2018年7月11日(水) 23:40~23:50
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
23:40~

オープニング映像。

このまま再稼働に進むのか 東海第二原発 (ニュース)
23:40~

東海第二原発は出力110万キロワットの大型の原発。今年11月に運転期限の40年を迎えるために原電は20年間延長しての再稼働を規制委員会に申請した。電源の強化や、20メートルの防潮堤の建設。総延長320キロの電気ケーブルを燃えにくいものに交換するなどの安全対策を示した。これに対して規制は先週、規制を満たし安全は保たれているとして事実上の合格をし、山場を超えた。原電は安全対策工事を2021年までに終え、それ意向の再稼働を目指す。これまでの多くの課題を残し、思惑通りに行きそうにはない。

まず地元の事前了解が得られるかどうかが課題。原電は地元の了解を受け、全国で始めて事前了解の対象を避難計画が義務付けられた30キロ圏内の5つの市にも拡大する協定を締結。協定書には各自治体が意見を述べたり安全対策要求することで実質的に事前了解を得る仕組みとする文言が取り込まれている。これまで再稼働した原発は全てリッチ自治体と県の了解だけ得ていたが、原電はさらに5つの市からも了解を得る手続きを行うことになり再稼働のハードルが一気に増えた。地元はなぜ了解を得るようにしたのか?30キロ圏内には96万人が移住しており、大勢での避難への危機感を抱いている。他にも課題が山積しており、不安の声が根強い。

原電が再稼働にこだわるのは大手電力会社とは異なる事情がある。原電は戦後日本が国策として原発を導入するのを受けたが技術を蓄積するために大手電力会社などが株式となって設立した民営の国策会社。茨城県の東海と東海第二、福井県の敦賀の二機を稼働し大手電力会社の原発導入へとつなげるパイオニアの役割をしていた。東海原発は廃炉となったが、残る三機で電力が大手会社に販売して利益を得ていた。しかし福島の事故を経て全ての原発が止まり売電収入も絶たれる。再稼働しようにも40年を超えていた敦賀原発1号機は廃炉に。2号機も活断層があるとして廃炉の可能性が出ている。頼みの綱は東海第二だけとなり厳しい状況に。しかし今年3月期の決算では黒字になり、大手5社が支援を続けており基本料金だけで黒字になる。このお金は消費者の電気料金で賄っており、さらに安全対策費が1740億円かかり、自ら調達できない原電は東海第二の電気を買ってもらっていた東電と東北電力に支援を求め了承した。東京電力は福島の廃炉や被災者の賠償をやり抜くために会社の存続が許され、今後事故対策費16兆円を負担しなければならず、税金も投入される。支援を受けている会社が他社の支援に回るということが許されるのか?東電は安くて安定した電気を届けることは自分たちの任務だからだと説明している。しかしテロ対策施設も建設しなければならず安全対策費が膨らむのは確実で本当に安い電気となるのか、福島の廃炉作業は滞ることはないのか東電はもっと具体的に説明しなければいけない。原電の役割を見通し、経営形態の見直しをしなければいけない。

その際期待されるのは廃炉ビジネス。原電は他社に先駆けで原電の廃炉作業を始め、新技術を改札したり、廃炉で発生する低レベルの放射性廃棄物の処分についても敷地内で行うべく地元と調整を続けるなどノウハウを蓄積している。国内の18機にくわえ福島第二原発の4機の廃炉の方針が明らかにされるなど大量廃炉時代を迎えている。1機あたりの解体は数百億円。これを各社個別にやるよりは原電が管理業務を請け負うなど中心的に進める方法を検討する必要がある。その際には政府も責任を果たさなければいけない。原発を導入し、その拡大を推し進めてきたのは政府。原電は政府のこうした政策に沿って設立された原発のための国策会社。政府が前に出て業界に働きかけ原電のありかたを協議、議論を主導していくことが求められると水野倫之解説委員は解説した。

キーワード
東京電力
東北電力
敦賀原発1号機

エンディング (その他)
23:49~

エンディング映像。

解説内容を掲載している解説委員室ホームページのURL。NHKオンデマンドの告知テロップ。

解説スタジアムのテロップ。

キーワード
NHKオンデマンド
解説委員室ホームページ

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