時論公論 「土砂災害危険箇所 指定と対策を急げ」松本浩司解説委員

放送日 2017年6月22日(木) 23:55~ 0:05
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
23:55~

オープニング映像。

土砂災害危険箇所 指定と対策を急げ (ニュース)
23:55~

北海道と沖縄を除いて全国が梅雨入りした。これからの時期頻発する土砂災害の被害を防ぐために国は危険な場所を指定して住民に早めに避難してもらう体制作りを進めてきた。3年前には広島の土砂災害を教訓に対策が強化されたが、それでも指定されたのが全体の4分の3にとどまっている。なぜ進まないのか、対策を進めるにはどうすればいいのかを考える。土砂災害防止法では土石流など危険のある場所を警戒区域、特に危険の大きい所を特別警戒区域に指定する。警戒区域では市町村に対して避難計画などが義務付けられ、高齢者・子どもの施設などにも避難計画を義務付けられる。特別警戒区域では宅地開発など規制される他、新築などは土砂に耐える構造しなければならない。一方、補強したり、移転したりする場合は補助を受けられる。大規模な対策には限界があることから小規模の対策で被害を小さくしようという取り組み。対象が67万カ所あるのに対し、指定済みが49万カ所、取り組みが始まって17年がたつが4分の1が未指定だ。都道府県は土砂災害の危険のある場所を調査し、被害の及ぶ範囲を推定して特定、その上で、上に意見を聞いて住民に説明して区域を説明して指定。時間がかかっているのは調査対象が膨大だということがあり、加えて指定されると地価が下がるなどの反対の声を受けて了解を得られずに指定をためらっているケースが少なくない。そうしている中で広島で大きな土砂災害が起きた。この災害で66人がなくなった安佐南区では災害が起きる前に基礎調査が終わって特別警戒区域などに相当することが分かっていた。しかし、指定がまだだったため、住民に危険が知らされていなかった。知らされていれば住民が早めに批判して命が救えた可能性がある。これを教訓に国は基礎調査が終わった速やかに住民に公表することを義務付けた。区域の指定に時間がかかることから意見聴取や説明などを得ずに前倒しして危険があることだけは伝えることにした。

改正を受けて市の反対を押し切って公表に踏み切った県がある。 新潟県は県内29市町村で調査を行い、危険箇所の公表と指定を進めてきた。しかし、唯一加茂市だけは指定に反対し、基礎調査結果の公表も慎重にするよう県に強く求めて対立してきた。しかし、県は全域で調査が終わり、雨期を迎えることから先月残っていた250か所を公表した。なぜ加茂市は反対しているのか。まず県の調査結果は危険箇所の範囲が広すぎる。地価が下落するなど住民の権利に影響を及ぼす。建て替える場合、山側に大き壁を建てなければならず、料亭などの負担が大きすぎるなどがある。今回、特別警戒区域に指定に相当すると公表された場所にある料亭で裏山が危険だと認定されたが、創業170年の歴史の中で崩れたという記録はない。建て替えをするならば土砂崩壊に耐える構造にしなければならない。経営者は危険があることを教えてもらえば早めの避難など対策は自分たちでできるとして指定を望んではいない。加茂市は県が示した妥当性について独自に再調査を進めている。これまでに21か所指摘見つかり、県が修正をした。市民の声を受けて加茂市の小池市長は危険のある地域が指定しなくても警戒区域に指定しなくても、法律で対策が求められている。市政について 県や・国は柔軟に対応して欲しい と話している。こうした考え方の自治体は加茂市だけではなく、総務省行政評価局は土砂災害防止法の進捗情報について17の都道府県の60市町村を調査し、先月取りまとめた。その結果、地区警戒区域に指定する必要があるのに基礎調査が終わってから2年以上指定されていないところが1万4000か所、10年以上指定されていないのが1200か所あることがわかった。指定が遅れている理由は地価の下落や、住民負担への懸念に加えて支援制度が不十分でない。過疎化に拍車がかかるの声があった。指定に慎重な自治体には理由がある。加茂市の場合も危険箇所を自分で正確に把握しようという取り組みは評価できるし、警戒区域指定なしで対策を進めるという考え方もある。しかし、指定をすることで対策や具体的な取り組みが動き初めて現状指定なしでできる対策には限界があり、大切なのは住民や行政が情報を共有して計画づくりなどに取り組むことでそのためにも指定を急ぐ必要がある。指定を進めるために何が必要か。都道府県は市町村や住民に丁寧な説明を重ねることが求められる。視点をスタートにして行政と住民が協力して取り組むことで地域の安全が高まることを理解してもらう必要がある。説明の仕方にも工夫が必要で、住民を集めて一方的に説明を行うのではなく、会場を設けて都合の良い時間に来てもらって個別に職員が相談などに応じる「オープンハウス方式」という方式で成果を上げる県が増えている。また県独自の支援制度ををしているところもあり、制度を充実させて理容を促すことも検討すべきだ。 土砂災害は10年を平均しても毎年1000件発生している。住民の命を第一に守ることを考えて国や自治体は取り組みを急いでほしい

キーワード
小池清彦
安佐南区(広島)
加茂市(新潟)

エンディング (その他)
00:04~

エンディング映像。解説内容を掲載している解説委員室ホームページのURLと、NHKオンデマンドの告知テロップが表示された。

キーワード
NHK解説委員ホームページ
NHKオンデマンド

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