クローズアップ現代 2015年1月13日放送回

放送日 2015年1月13日(火) 19:30~19:56
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
19:30~

ヘイトスピーチについてのオープニング映像が流れた。

キーワード
ヘイトスピーチ

ヘイトスピーチを問う~戦後70年 いま何が~ (バラエティ/情報)
19:31~

国連は世界各地に広がるヘイトスピーチに警戒感を強めている。去年8月に、日本政府に対し、国連が法律で規制するよう勧告した。人種差別的な団体による暴力の扇動が広がっていると指摘した。国連がヘイトスピーチに厳しい姿勢で臨む背景には、歴史の教訓があると言う。600万人ともされるナチスによるユダヤ人の虐殺は、言葉による攻撃から始まった。ユダヤ人が金融業を支配し、富を奪っているとして被害者意識を煽った。ヒトラーの主張はドイツ社会に浸透し、虐殺へと繋がっていった。

ヘイトスピーチが暴力まで起こるという懸念が現実化した国がある。国連から人種差別的な活動への対策をとるよう勧告を受けたギリシャで、標的になっているのはアジアや中東からの移民。しかし去年まで対策がとられず事態が悪化し、移民への襲撃事件も頻発した。おととしには移民への暴力や差別へを批判してきた人気歌手が殺害される事件が発生した。移民排斥を訴えるグループは政界へも進出しており、現在この政党はギリシャの国会で16議席を占めている。移民がギリシャ人の雇用を奪っていると主張し、被害者意識を煽ることで支持を拡大させてきた。日本でも終息の兆しが見えないヘイトスピーチ。京都の朝鮮学校に娘が通っていたキムさんは、事件後、学校は移転し、子供たちは大きな音に怯えるなど今でも心に傷を負っていると言う。キムさんは、ヘイトスピーチが続く社会に大きな不安を感じている。

加藤さんは、在日韓国・朝鮮人が多く住む新大久保で生まれ育った。新大久保で繰り返されていたデモで、近所の人たちが罵声を浴びせられるのを見て衝撃を受けた言う。国の調査会が関東大震災の教訓をまとめた報告書には、朝鮮人が放火しているなどの流言飛語が広がり、市民や軍隊などが朝鮮人を殺害したと指摘している。加藤さんは、こうした自分たちの歴史を見つめなおすことが重要だと考え、ブログや本で発信を始めている。知ってほしいと考えているのは、大震災の前の社会の風潮で、当時、日本の植民地だった朝鮮半島では独立運動が繰り返されていた。これに対する警戒感が広がり、新聞記事には朝鮮人に対する蔑称が日常的に使われていた。

数年ほど間から在日韓国・朝鮮人の人々を貶めたり差別を煽るなどをする街宣活動が行われるようになった。人種や国籍など特定の属性を有する集団に対し、差別的な言動を繰り返すヘイトスピーチ。ヨーロッパ各国では極端な民族主義、移民排斥を掲げる排外主義的なグループによるヘイトスピーチが問題になっているが、日本でも公然と憎悪の言葉を発する行動が見られるようになってきた。活動の参加者が暴力行為に及び、逮捕者が出るケースも相次いでいる。戦争終結から70年、グローバル化が加速する中でなぜヘイトスピーチが拡散しているのか。

去年秋から年末にかけ、各地で行われたヘイトスピーチを伴うデモ。右派系市民グループによるデモは年間100件以上で、1万5000人の会員を掲げる団体もある。彼らは在日韓国・朝鮮人が生活保護の受給などの面で日本人にはない特権を与えられていると主張。一方、国はこうした特権は無いとしている。こうした団体の活動が人種差別にあたり違法だと裁判所が判断したケースがある。6年前、京都の朝鮮人学校に講義するとして行われた街宣活動。この活動に参加し侮辱罪などで有罪が確定した団体の元幹部は、職業を転々とする中で、本やインターネットの情報から在日韓国・朝鮮人が得をしていると考えるようになったと言う。4年前から活動に参加している会社員は、暴力的な言葉を使うことにこそ意味があると考えている。参加者の大半は一般企業のサラリーマン、主婦や学生も居る。韓国など周辺諸国との関係悪化が心理に大きな影響を与えている。

デモを行う団体は、活動がヘイトスピーチだと指摘されている事に対し、人種差別主義者ではなく、排外主義者だと回答している。一方、団体が特権だと主張している特別永住権について、法務省は歴史的経緯などを考慮して認められた在留資格で、特権では無いとしている。生活保護の優遇については、厚生労働省は国籍を問わず同じ判断基準で支給をするかどうか決めていて、優遇の事実は無いとしている。

キャンベルさんは、去年の秋にヘイトスピーチを見に行き感じたことは中身が無かったこと。特権が具体的に何か示そうとしない、自分たちの目標が達成したあかつきには、どういう日本があるのか、どうあるべきかを外に対して伝えようとしない。内容が内向きで乏しいものだと驚いた。憎悪表現がいつ、憎悪行動に切り替わる引き金になるかが大きな問題で、ヨーロッパはある意味先進国でノルウェーでの銃乱射事件で70人が、パリのテロ事件もユダヤ人がスーパーの中で4人殺されたのがある。パリには住むユダヤ人は50万人で日本に住む在日韓国人とほぼ同じ数。数年の間に50万人のユダヤ系がイスラエルに移住するのではと言われているほど。日本と共通するのはインターネットの言葉が始まり、繋がって増幅していき見えない形で一部の人達の心を捉えて行動に駆り立てていったなど話した。

今の時代の風潮の中でメディアの役割が需要だと発信を続けているのは昭和史を研究する作家の保阪さん。保阪さんが懸念しているのは近年、メディアの中に氾濫する過激な言葉で、戦時中、異論を封じる際に使われた言葉と共通点を感じると言う。大手雑誌記者の男性は、出版業界では韓国や中国に関する記事や本が欠かせなくなり、より攻撃的で過激な内容を求められていると言う。保阪さんはこれからの時代、メディアにはより寛容で理性的な姿勢が求められると指摘している。

地方議会では、対策や規制を求める意見書が可決され、止めようとという動きが出てきているが、ヨーロッパのように規制をかける、あるいはアメリカのように言論の自由を認めるということも大切。言葉の中に人々の距離の調整をしたりし、歩み寄る能力のようなものが本来あると思う。言葉の中に人をどうゆうふうに位置づけるかは、昔から可能性としてはあったと思う。現在のヘイトスピーチを見てると、それの反対を行っているように感じるなど話し、教育が重要だと話した。

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クリックリー副委員長
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樋口直人准教授
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