クローズアップ現代 2013年10月3日放送回

放送日 2013年10月3日(木) 19:30~19:56
放送局 NHK総合大阪

番組概要

オープニング (その他)
19:30~

「マタニティー・ハラスメント」を報じる。実態調査で4人に1人が不利益な扱いを受けていたことが分かった。村上陽子さんは「産休さえ取れない人たちがいる」と語った。妊娠を理由に退職に追い込まれた、出産後も就職を断られた女性もいる。長引く不況で職場では、妊娠や育児を温かく見守るゆとりが失われてきた。マタハラをした女性は「勝手に子作りして勝手に産むなら勝手に辞めてよって思う」と述べた。

キーワード
マタニティーハラスメント

出産・育児は“迷惑”?~職場のマタニティー・ハラスメント (バラエティ/情報)
19:31~

3人の子を育てる女性はかつてマタハラを受けた経験があると語った。女性は栄養士の資格を持ち社員食堂で働いていた時、第一子を妊娠した。立ち仕事が多く朝から夜まで働きづめだったある日、切迫流産と診断された。医師から自宅で安静にするように言われたが会社は遠休みを取らせてくれず遠まわしに「会社を辞めろ」と言われた。

「マタニティー・ハラスメント」の実例に、「妊娠を告げた途端、解雇に追い込まれた」などがあがる。妊娠時は「時間外労働・深夜業の制限」、出産時は「産前・産後休業」、育児時は「育児休業」、復職後は「短時間勤務」などが活用できる。これらは非正規雇用の女性も、要件を満たせば活用可能。次世代育成支援対策推進法は、行動計画の策定や目標達成のための措置をとるよう求めている。仕事の負担の不公平感から生じる摩擦が「マタニティー・ハラスメント」につながってしまう。

介護士の女性は2人目を妊娠中にお腹に張りを感じても夜勤の仕事を休めなかった。女性は上司から「妊婦さんは病人じゃない」と言われた。女性は無理をして夜勤を終えたあとに流産してしまった。すると職場の女性から「いいじゃない1人目じゃないんだから」と言われた。

女性の労働問題を取材するジャーナリストの小林美希さんはこれまで700人以上の女性の声を聞いた。育児休暇を拒否された、職場で流産した、妊娠による解雇など、育児休業などの制度が整っても職場の理解が進んでいない現状がある。

最近、産休や育休を取った女性社員の仕事をどう穴埋めするか悩んでいる企業も増えている。背景には2005年に施行された次世代育成支援対策推進法がある。この法律をきっかけに育児休業をとる女性が大幅に増えたが、その一方でカバーする他の社員を支える仕組みづくりが立ち遅れている。

マタハラ経験者の女性は、働いている部署の半数が女性で、忙しさで余裕がなくお互いに出産の時期を悩んでいた。そこに新入社員が入社。女性は教育係になった。しかし新入社員は入社早々に妊娠がわかり、産休に入った。新入社員はその後も2人目の子どもを出産した。育休中に後輩の仕事を肩代わりしなければならない状況が続いた。

立教大学大学院の山極清子はマタニティハラスメントについて「非常に余裕のない職場が多くなってきている。その中で起こっている状況なんです。また育休や妊娠・出産っていうのは働いている人の中で少数のため違った価値観を受け入れにくい。」と指摘した。企業全体の風土でも短時間勤務を是としない空気があり長時間働くことが評価されると指摘した。

山極清子はマタハラを受けやすいのは育児休業制度があっても使えない非正規労働の女性が多いと話した。重労働や深夜業務は申し出ればさせてはならないという法律があるにも関わらず体験せざるを得ない女性がいることについて、山極清子は制度を女性が制度を知らないことや雇用側も制度を知らないことが原因だと話した。

山極清子は「これまで企業は短時間勤務などの制度を作ることを優先させたが、短時間勤務でキャリアを積んでいくことについては止まった状況で仕組みが構築できていない。」と指摘し、家庭の中でも公平な分担や職場内でも不公平感をなくすことが求められると説明した。

育児の両立が難しい職場環境を改善しようという催しが東京・赤坂で開かれた。企業の人事担当者が集まり、子育てしながら働きやすい職場のアイデアを出し合った。コワーキングスペース、子連れ出勤など新しい働き方の模索が進んでいる。

東京・西早稲田の企業は育休中の社員の仕事を同僚が気持ちよくカバーできる仕組みを作った。この会社はレーザー機器を扱う商社で、従業員がペアを組み普段から情報共有しながら仕事を進めるダブルアサインメントという仕組みを導入している。取引先との詳細なやりとりなどを社内サーバーで共有し、育児で短時間勤務の社員の仕事もペアを組んだ社員がバックアップする。人事評価の考課基準にも明記し、社内表彰も行っている。

東京・市谷加賀町のある企業では女性に偏りがちな育児を夫婦で見直す取り組みを始めた。育児休業から復職する社員を対象にした復職セミナーを開催し、別の会社に勤める夫にも参加してもらい育児分担が偏っていることを自覚するように促す。

セミナーに参加した有熊美由紀さんは2年前に女の子を出産し今年4月に職場復帰した。美由紀さんは娘を保育園に迎えにいくため午後5時半には退社しなければならない。美由紀さんが職場に気兼ねしていると気づいた夫は朝の保育園への送りだけでなく夜のお迎えも分担することにした。美由紀さんは復帰直後より自信をもって仕事に向き合えるようになった。

育休を取りたいが言い出せない男性が多いことについて山極清子は「仕事の出来る男性が育児休業を取ることによってネットワークも広がって新しい価値もできたという男性も多くなってきている。育休取得は男性にもチャンスだと思って、取っていただきたい」とコメントした。山極清子は育休によって何人かで仕事を回せば人材育成のチャンスにつながると話した。

国谷裕子は大介護時代も来るため短時間勤務でも認められる社会が必要だと話した。山極清子は「現在妊娠・出産で仕事を辞める女性たちが340万人がいる。その人達がきちんと雇用されれば日本経済は変わると思います」とまとめた。

キーワード
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