歴史ドリームチーム 金閣の謎を解き明かせ

放送日 2013年7月31日(水) 22:00~22:50
放送局 NHK総合

番組概要

金閣の謎を解き明かせ (バラエティ/情報)

世界中の人々から賞賛される鹿苑寺金閣には一階は何故金箔が貼られていないのか?なぜ各階の形状が違うのか…など数多くの謎がある。そこで今夜はミクロの分野の達人、中背美術研究の巨匠、気鋭のクリエイターの3人が金閣の謎に迫る。

鹿苑寺金閣は、約600年前につくられたもので、当時3階建ての建物は非常に珍しいもので、2階と3階部分には金箔が用いられていた。それは当時の文書によれば舎利殿として建てられたからだった。

京都造形芸術大学の岡田文男教授は、文化財の科学的研究の第一人者で、古今東西の様々なものをミクロの視点から観察してきた人物。岡田教授は金閣は金箔の下にある漆の重要性を指摘した。昭和62年に行なわれた金閣の修繕の際の映像にも、外壁に金箔を貼る前に漆を塗る工程がきろくされており、つやのある美術品のような漆黒の世界が広がっていた。漆自体高価なため建築物に使われるのは稀だが金閣にはふんだんに用いられていた。

金閣寺は焼失してしまっているため、直接当時の様子を直接知る事が出来ないため、岡田教授は同時代に建てられた慈照寺銀閣から類推を試みる事に。その結果、幾重もの層を作り、漆に煤を加える高度な技術が使われていた事が判明した。

最高の漆塗りがされていたと推測される金閣だが、何故その上に金箔が貼られたのか?さらに漆の上に金箔を貼る意味とは?漆芸家の室瀬和美氏の協力で比較実験を行なったが、漆に金箔を貼った方が圧倒的に滑らかでツヤがあることが歴然だった。

金閣は野外にあり風雪に耐えてきたが、漆の上に金箔をはるのはそれも影響しているのではないか?岡田教授は京都市産業技術研究所を訪れ、檜、檜に漆を塗ったもの、さらにその上に金箔を貼った物の耐久実験を行なった。

その結果、漆のみのものは紫外線を当てると白く変色したが、金箔を貼った物は大きな変化が認められなかった。金箔が紫外線を遮断して漆層を守っているという意味で、岡田教授は「何百年も先まで金閣を伝えるための工夫だったと思う」と語った。

一人目の賢人が解き明かしたのは、金閣を手のひらの乗せて愛でるような工芸品のような精緻な技巧を持って作り上げたというもの。金閣は鏡のように映し出す湖や庭園とともにあり、工芸品をこえるさらなる世界を目指しているとも言える。

では天鏡閣はどこにあったのか?ヒントは金閣の北側…ということだけだが、島尾教授は当然ながら眺望を考えたと推測し、CG制作会社との協力で、場所の推測を行なった。

現在我々が知る金閣の光景。創建当時は大きく異なっていた。室町時代の僧侶の日記臥雲日件録には、金閣の北に、天鏡閣とよばれる二階達の建物があり、空中廊下でつながれていたとの記述がある。当時の様子がどのようなものであったのかについて学習院大学の島尾新教授が迫る。

天鏡閣とはどんな建物だったのか?同時代の記録には、15間もの会所があると書かれていた。会所とは奈良吉野にある吉水神社を参考にすると、人をもてなすための場所で鎌倉時代の終わりごろから造られるようになった場所であった。

金閣の北側にあったとされる天鏡閣。その外観を考証するため島尾新教授は三次市を訪れ広島国際大学の藤田盟児教授の力を借りる事となった。

天鏡閣の姿を伝える資料は存在していないが、外観を探る際に最も役立つのは金閣そのものの姿。金閣は1階から3階まで全て違う様式で建築されている。これをヒントに3つのモデルを制作。CGで合成してみたが、1つ目の候補が脱落したものの、残る2つの様式については判断できない状態に。

そこで2人は改めてなぜ義満が天鏡閣を建てたのかを考える事に。建築したのは14世紀末だが、この頃の義満は明と貿易を行う事に心を砕いていた。当時明の使節を招いていたが、比類なき建築で実力を示そうとしていたとの結論に。30畳ある会所は一階にあり、外観はフォーマルな場所に合う和風で、2階は眺望を楽しむための中国風のものではないかと推測。会所内部の様子は北山殿行幸記という資料から推測が行なわれた。

様々な考察の後、600年前の鹿苑寺金閣と天鏡閣の様子をCGで再現。2つの建物は空中廊下でつながれており、天鏡閣ないの会所には中国美術の傑作が飾られる贅沢な空海だった。島尾教授は「2つの建物がセットであることがよく分かり、そのなかで金閣がよりシンボリックに浮かび上がる」と指摘した。

600年前に繰り広げられていた天鏡閣と鹿苑寺金閣の姿をCGで再現。2つの建物を結ぶ空中廊下からの眺めや、空中廊下を渡り金閣に入るまでの視点をCGで再現した。

金閣の屋根の上には、為政者が善政を行なう時にあらわれるとされてている鳳凰あった。ここに義満の策略を見抜くのがアートディレクターの佐藤可士和氏。佐藤氏は「義満はスティーブジョブズみたいな人だったのではないか?」と指摘した。

まず佐藤氏が注目したのは洛中洛外図屏風。ここに金閣がどのように描かれているのか?に注目した。描かれた金閣は池のほとりにある四角い建物で上に鳳凰が乗っている…というもので、佐藤氏はキャッチーな要素でまとめられており、ランドマーク的なものにしようという意図が最初からあったと指摘。

さらに、義満が毎年のように、敵対する勢力がいる場所も含め各地への遊覧を繰り返していた事に注目した。遊覧を行なう際に義満は派手な衣装に身を包み、周囲のお供にも奇抜な格好をさせていたが、佐藤氏はアウェーな状況を打破するためのイメージ戦略をみてとった。

晩年の義満が注力し築き上げた北山殿。義満は源氏物語の青海波の舞を踊る名場面を、金閣のある北山殿で再現。時の天皇も招いてのもので、その場にいた人はおのずと源氏物語を思い出し、義満に光源氏を重ね合わせていた。そこに佐藤氏は義満がストーリーを巧に活用したと指摘。このようなことから、佐藤氏は義満が政治家でありながら表現者だったとして「ジョブズのような人物」と表現したのだった。

金閣は1950年に焼失し、現在の金閣はその5年後に再建されたもの。しかし創建とうじに金閣の上にあった鳳凰だけはたまたま火災当時に外されており現在も残っている。風雪にさらされ色褪せてしまったが、羽の一部にはまだ金箔が残っていた…。

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足利義満
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洛中洛外図屏風

オープニング (その他)

20万枚もの金箔が放つ黄金の輝きが魅力的な京都・鹿苑寺金閣。今夜は、京都造形芸術大学・岡田文男教授、学習院大学の島尾新教授、アートディレクター佐藤可士和の3人がドリームチームを結成し鹿苑寺金閣の謎に迫る!

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鹿苑寺金閣
京都(京都)
京都造形芸術大学
学習院大学

エンディング (その他)

エンディング映像。

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